ソーラーチタニウムのキャパシタ交換

最近になっていろいろ使い分けてきた時計に飽きが来てしまいました.今までそんなことは何度もありましたが,以前ヤフオクで中古を買い漁っていたこともあり,同じ過ちを繰り返さないようにできるだけ新しいものには手を出さないことにしている私です.ここは前回のように電池切れのものを電池交換して,その久しぶり感で表向きのレパートリーを増やす手段で現状打破することにしました. で,単なる電池交換では満足できない体質な私は今回もキャパシタ交換にこだわってみるわけです.で,さらに止せばいいのに単なるキャパシタ交換でも満足できない気分になっていた私は,何かいいネタがないかと手持ちのキャパシタがすっからかんになった時計の型番を片っ端からリストアップ.ネットで適合するキャパシタの型番を調べ,交換作業の難易度,キャパシタの値段,入手性などを調査したのでした.

その中でひとつだけどうしてもキャパシタの型番はわかるのですが,そのキャパシタがどこにも売っていないものがありました.奇しくも以前このWEBで紹介したあのセイコーのソーラーチタニウム(5Y751A30)です.これは入手してしばらくは結構な使用頻度であったのですが,そのうち冬場に長袖を着ていると午前中からしれーっと止まってしまうようになり,いつの間にやらタンスの肥やしになっていたのでした. そんな経緯はさておき,元はといえばその軽さやデザインが気に入っていたものなので,キャパシタが見つからないからといって廃棄物扱いになるのは許せなくなってしまいました.ここは調査あるのみです.

いろいろ調べてみたもののもう20年近く前のモデルです.この型番そのものの情報はネットにもあがっておらず,一応同じムーヴメントを使っているモデルのキャパシタ交換の記録がアップされていたので,それによると,このモデルで使用されていたキャパシタも増量のためかはたまた電池メーカーが廃番に追いやったためか対応キャパシタの型番が変わっちゃっているようです. ところが肝心のその新しい適合キャパシタの型番の情報というのがどこにも見当たらないのです.うーんこれはどうしたもんかな?とこのような逆境こそ私の真骨頂の見せ場.新しい適合キャパシタがあるという情報さえあれば,後はその型番を自分で開拓すりゃいいだよね!

ということで,まず調べたのは古い適合キャパシタである3023.24Pの外観写真幸いにもそんな高解像度ではないものの,ボタン電池のようなキャパシタ本体に左右ほぼ180度方向に2つの端子が出るようにプレス板が溶接されています.これを手がかりに片っ端からセイコーの交換用キャパシタの写真を検索して行きます.片っ端とはいえ,そんなに種類は多くなく10数種類と言ったところで,ほぼ半分を確認したところでそれらしいものを発見.その型番というのは3023.24Rというもの.写真を同じスケールで画面に並べ,シゲシゲやと確認して見たものの自信がなかなか持てない.こりゃ買って確認するしかない.ということでひとまず購入してみることにしました.ちなみにお値段は送料合わせて約1800円

さて,ものが到着したら早速交換作業です.まあ交換でき得るかどうかさえもわかりませんが,ひとまず以前から愛用している中国製の時計用工具セットを持ち出して作業を開始します.まずバックルをはずしてカバーを外します.キャパシタ周りを見た感じでは着装されているキャパシタは24Rとほぼ見栄えは同じようです.

で,ついていたキャパシタと20Rを比べてみると写真のような感じで,まあ同じといえば同じ.違うのはキャパシタの陰極側にシールが貼ってあるかどうかってところ,もうこりゃ取り付けるしかないでしょう.

ということで念のためシールを移植して取り付けてみると,秒針はしっかりと動き始め,どうも3023.24Rは3023.24Pの代替ということでお話が成立したということになりましょう.季節は幸いにも夏.いやおうなく充電できてしまう季節なので,何日間か腕にはめてみて2秒運針とかにならないとか,パッキンの使い回しをしているので,風呂に沈めて水の浸入がないかかなり荒療治なテストをクリアして無事キャパシタ交換完了ということでめでたしめでたし.

ちなみにキャパシタの充電チェッカー機能がないので,以前のキネティックのときのようにインディケーターの表示がキャパシタの型番変更で変わってしまったりしないのはご愛嬌.またキャパシタがお亡くなりになるまで使うと足掛け30年とか使えてしまうんでしょうけど,よく考えたら自分で交換してしまうんだったら普通の電池交換であとはパッキン交換が気になるぐらいで,バッテリが200円以内,キャパシタは2000円弱するわけなので,実はランニングコストで行くとソーラーやキネティックよりも普通の時計のほうが安かったりするのにいまさら気づく私なのです.

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