実装可能になった我がFZR250ですが,この2KRという型式の車体.アンダーカウルが付いていることがレーサーレプリカの証というようないさぎよい設計がなされていて,サイドカウルがアンダーカウルを兼ねているので,アンダーカウルのない状態では外観上の不具合がかなり顕著だったりします.FZ400Rのようにデフォルトはサイドカウルのみでオプションでアンダーカウルというような便利な手法をとっていたのはある意味当時のレーサーレプリカの定義自体が曖昧な黎明期ならではであったと思いますが,ちょっとあんまりです.それに,この車体色はTECH21カラーであるにもかかわらず,TECH21の大きなロゴはサイドカウルにしかないので,アピール力が激減してしまっていたりします.なのでまだ車体としては完ぺきではないのですが,サイドカウルを取り付けることにしました.
といってもここまでサイドカウルについて一度も触れてこなかったので,まずは入手から.実はこのサイドカウルですが,結構入手が大変です.恐らくこの車体のユーザー層からいって,結構立ちごけを含めサイドカウルを破損することが多くあった上に,早いうちにメーカーの純正部品が廃番となり,弾数が極端に少ないわけです.もちろんごくまれに出てくるTECH21カラーの綺麗なものなんていうのはご祝儀相場みたいな状況であり,とても買えるものではありません.なのでそれなりに破損しているものを購入して補修,塗装するということになります.
で,そのサイドカウルはアンダーカウル部分が左右分割で一体なのでかなりでっかいものであるわけで,できれば左右同時落札して送料を安価に抑えたいわけです.で,左右同時出品されているものを狙っていたのですが,どうも皆さん考えることが同じなようでして,多少程度が悪くっても左右同時出品のものはいつも高額にまで跳ね上がってしまいます.ですので方針を変更して安価なものを左右別々に落札することにしました.まずは右側ですが,これは割れなどがあるものを補修して使うことにしました.元は後期型の赤白のものでしたが,デカールが結構容易にはがれたので,ここからは元々のいい加減な補修去れている部位を一旦外してちゃんとした形に補修するところから始めていきます.
左側もできれば前期後期関係なく赤白でと狙っていたのですが,どうも高額になっていきます.しょうがないので前期型と思われる黒銀のものを購入.これは割れは少なくベースとしてはかなり上物といえます.まあ塗ってしまうので左右の色の相違はあんまり気にならないんですがね.で,左右のベースの素材をご紹介したわけですが,はっきり言って高額になってしまう懸念からずいぶんと入手を焦ってしまいまして,実はこのデカールをはがしたりする前,梱包をしたまんま1年以上庭で放置プレイをしていたりします.特に場所をとるパーツなわけですから,入手は必要時期の直前が望ましいというのに大失策ですね.
大失策の理由はキャブレターの入手やその後の火入れのトラブルなどで想定よりも時間を要したということになりますが,キャブレターの部品がなんとかそろった状況でようやくサイドカウルに着手することになり,右側の補修,塗装が約1か月にわたる作業と乾燥の末,以前製作したデカールがようやく貼れるようになりましたので,貼ってみて記念写真.まあ下周りの固定ねじ周辺の補修が少しガサツな感じですがそれなりにできたのでご満悦です.
実は左右ともできあがったので,本来はこんなでっかい部品はできるだけ早く車体に取り付けたかったのですが,キャブレターの次に火入れトラブルがあり,実は完成後4か月程度も室内保管する羽目になってしまいました.ここらへんいろいろ計画が甘いために裏目裏目で最悪の結果を生み出していますが,火入れ,実走とクリアできた今,時系列がここでようやく元に戻ることになるわけです.
まあ車体が完璧でもないのにサイドカウルをつけてしまい,整備性が劣化すること自体,最適なプロセスとは言えないのですが,室内保管をこれ以上長期化できないという事情には逆らえません.なので車体にこの時点で取り付けることにしたというわけです.取り付けは特に左については大変でした.というのもサイドスタンドの裏を通して取り付ける必要があって,サイドスタンドを払った状態で車体をジャッキで支え,装着するのですが,結構差し込む方向を工夫しないと周辺の部品と干渉してせっかく綺麗に塗装したカウルに傷をつけてしまいます.案の定私のガサツな作業では複数の傷をつけてしまったりして,少し反省.しかし,少し色調は違うかもですが,往年のTECH21カラーをほぼ再現できて,少し目頭が熱くなってしまいました.
ともあれ,これでひとまず車体にすべての部品が付いた上での実走状態になりましたので,あとはアイドリングの問題をなんとかしないとですね.