サイドカウル補修(その2)

補修,塗装が前回終わったので2週間の乾燥後,仮装着をしてみます.まあこのというのは色がはたしてどの程度ずれているか,自作デカールの部分がずれていないかの確認に加え,前回紹介したラジエター曲がりが許容なのかどうかの確認の意味を持ちます.あと前回触れませんでしたが,メーターステーも少し曲がりがあるようでサイドカウルの取り付けに問題がある部分も補修前に見受けられたので,その修正をするというのもあって,いざ修正するとなったら一旦サイドカウルはおろかフロントカウル,メーターなども外さないといけないというちょっと大工事になったりもします.ということで,サイドカウルを取り付けてみたところやはり膝のあたりに来るネジの穴が1.5cm程度外れていて,これはメーターステーの曲がりが影響しいると思われます.いくらなんでも1.5cmものずれをサイドカウルのばね性に持たせていたらそのうち割れも走ってくるかもしれません.従ってメーターステーの修正をする方針と相成りました.

フロントカウル,メーターまで外し,ハンドルをフルロックしたときのハンドルとの距離を測定します.右が100mm,左が95mmと少し左が下がってきているようですが,ネジ穴のずれからするとその差だけでなく,メーターステー全体が曲がっている可能性もあります.穴のずれ量と方向から推測して,左右ともこの距離が113mmになるように調整します.調整といっても何をやるかというと,メーターステーがフレームについて状態のままパイプレンチの柄の所に角パイプをかましててこの原理でメーターステー自体をぐいぐい前に開くような感じで曲げていきます.このときにあまりにも強い力をかけてしまうとフレーム側の取付部が破損してしまうのでそれなりの力に調整しながら慎重に曲げを修正していきます.ちなみに塗装が載っている上に剥離,錆なんかもなく外観上はとても綺麗なメーターステーではありましたが,このパイプレンチで曲げる作業自体すごい力をかける必要があるので,養生などはせず直接パイプレンチの爪でステーに力を掛けます.当然塗装は剥がれますし,傷も残りますがこのメーターステーを捨ててしまうよりはいいですし,最後に塗装を載せておけばアルミなのでそんな外観が悪くなることはないだろうとかなり遠慮なく作業していきます.ついには左右とも113±2mmになるように調整できました.最後に塗装が剥げたところをタッチアップして,これでフロントカウル,サイドカウルを取り付けてネジがちゃんと合うかやってみます.

で,やってみて多少のずれは残っていましたが,カウルにそう大きな力をかけることは必要なく取り付けることができたので,ひとまずメーターステーの調整はなんとか上手くいったようです.で,次の課題となるラジエターの下部のネジですが,右は少し上なんですがまあ嵌められないことはなさそう,右はラジエターのボディとカウルの内側のでっぱりが30mmぐらい干渉して,カウル側のばか穴がラジエターのネジ穴に対し上に50mm程度ずれています.それを無理やり位置を合わせようとするとせっかくのサイドカウルが流石に割れてしまいそうです.したがって,今度はラジエターの修正が必要ということになります.

さてどのように修正するかですが,以前からここはどうするか考えてきたところで,当初タイベルトを使ってたすきに渡して徐々に締め上げて修正しようと考えていましたが,ちょうどこのラジエター周辺の隙間にラチェットも含めて作業できそうなスペースはありません.細いタイベルト用のラチェットがセットになっているモノも購入してみようかと検討したのですが,その幅のタイベルトだと今度はラジエターを曲げるのに十分な力を掛けられない可能性もあります.冷静になってホームセンターの売り場で一旦手に取ったそれをまた棚に戻しに行ったりして,とにかくタイベルト案は保留.

最終的にどうやったかというと写真のように車体の下からラジエターの下がっている部分にパンタジャッキを当ててを直接押し上げて,徐々に曲がりを修正していくやり方です.これもメーターステーと同じくかなり乱暴なやり方ですが,ジャッキで少しずつ力を加減しながらやっていけばなんとかなるだろうということで,ひとまず揚げてみました.すると車体が軽すぎるのかスタンドが浮いても一向にラジエターが曲がるまで力がかかりません.しょうがないのでスタンドが浮いた状態で前後に動いて9Rが倒れないか注意しながら左ハンドルを持って上から体重をかけてみました.徐々にかけていくと多分私の体重の1/3ぐらいがかかったところで少し車体がさがったような感覚がありました.ジャッキを下してラジエターの最低地上高を確認したところ大体15mm程度変形が戻っているようです.これを4回程度繰り返し,5cm程度あった曲がりをなんとか修正することに成功しました.

サイドカウルを付けたところ,右側は穴位置がほぼドンピシャ.左側もラジエターが元々少し上がり気味だったのがほぼ塩梅の良いところまで下がってきてくれました.ということでサイドカウルを取り付けることができるのですが,これだけだとラジエターが使えるかどうかまだはっきりしません.それにサイドカウルを取り付けてしまうと今度はクーラントの給水口が隠れてしまうので,ひとまずネジ穴を確認したらクーラントを入れます.全くクーラントとは入っていない状態だったので6リッター近く入っていきましたが,ラジエター周りからの漏れはないようです.あとは火入れして高温になった時に圧力がかかって漏れてくることがないかを確認する必要があります.ということで続きは火入れをしてからということになります.

ということでようやく次回あれです.

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