我がGPz1100空冷はブレーキはホースをステンメッシュ化して万全…といいたいところなのですが,あいにく効きはそんなでもありません.重い車体をまあ信頼感をもって止まれるスピードで転がそうとすると,そう根を詰めた走りもできない程度で,いうならばまだまだ検討の余地ありな感じ.あまりのソフトタッチ具合にエア抜きなんかも2回ばかり追加でやってみたんですが,イマイチかちっと感が出ません.まあこんなものとあきらめてしまえばそれまでなんですが,万策尽きたかというとそうでもない.まずマスターシリンダについてははじめはニンジャのものを搭載しようとして寸法の都合で断念.リザーブタンクのハンドルクランプへの干渉が問題であったので,タンク別体マスターの搭載もあったのですが,どうも外観が気に入らずそれも断念.結局マスターの対策は無し.キャリパーを変えるのはもっと大変なのでそれもなし.
そんな矢先,ひょんなことからGPz1100フロントブレーキASSYを入手してしまいました.ものはブレーキキャリパーとホースまでのASSYで,当初魅力を感じたのはブレーキホースがちょっと古そうですがステンメッシュだったのと,アンチノーズがそのままついていたので短いホースをまたニンジャとかにも流用できるなと思って落札したのです.で,このASSY良く見てみたらアンチノーズ機構の程度もよく,これならそのまんま我がGPzに付けてみて,アンチノーズの有無でブレーキがどの程度改善するか試してみることができるのではと考えました.

で,思い立ったが吉日.早速次の週末に作業です.出来るだけフォークオイルを変えるなどしたくないので,多少手間がかかってもここではフロントの足周りをすべて外してしまう流れで作業開始です.この時,先にマスターシリンダーのリザーバタンクの蓋を取って,レバーをニギニギしてキャリパー側ブリードバルブから一旦オイルを抜いてしまい,オイルがたれないようにしておきます.そして先にホースとキャリパーを除去しておきます.ちなみに今までのフォークは写真のような感じになっていてアンチノーズのユニットを外してフォークとの連結部分に蓋をする方式で無効化がされています.今回はちょうどこのユニットから先を入手しているのでまさに打って付けと言えるわけです.で,フォークオイルを下周りから抜くために上下反転させて伸縮させます.オリフィスの抵抗が抜けて何度かストロークさせたら多分ここで抜けきったんだろうと次の作業に移ります.

フォークを少し頭を下にして寝かせてそのメクラ蓋を取ってみると,予定通りオイルの漏れはほとんどなく外れてくれました.ここで発送のときとかに曲がってしまっているアンチノーズに向けたオイルパイプをグニグニ調整しながらアンチノーズを取り付けます.なおオイルシールについては手持ちにあるセットからサイズの合うものを適当に見繕って新しくしておきます.
次に分岐アダプターを三つ又に取り付けたらフォークASSYを下からステムに差し込みます.この時勢いよく下から挿してしまい,車体の前周りが浮いてしまい,パンタジャッキの上にかましていた算木が落ちてしまいました.危うくGPzのフロント周りの下敷きになってしまうところでしたが,肩と頭でカウルを下から支えて難を逃れました.ひとまずフォークは下して算木をかましなおして今度はゆっくりと下からステムに挿入〜.ステムナット,トップブリッジ,ハンドル周りを固定し,ホイールまで取り付けます.あとはキャリパーですが,これは今のところキャリパーに不便は感じていないので今までのものをそのまま取付けます.
ホースが一通り取付終わったらエア抜きです.例のブリードバルブが4か所もあるので,作業の手間はありますがもう慣れたものなのでエア抜きそのものにはそう時間はかかりませんでした.ただ,エアが抜けてもブレーキレバーをニギニギしたときのタッチは以前とそう変わらず,まあアンチノーズが加わっただけなので当然と言えば当然と納得.そうなると走って試運転するしかありませんので早速試運転.走り出してブレーキがある程度あったまったところでの率直な感想としてはタッチには変化なしというものでした.ただ他に車勢が安定しているといった点では明らかな違いが感じられました.そういえば今までニンジャでは一度もアンチノーズをキャンセルしたことはありませんでしたが,今までのアンチノーズのないフォーク自体,純正状態からのいわば崩れた状態であったと言えます.ある意味純正が優れている部分をここへきて再現したということでしょう.

ということで,ブレーキ性能にどの程度効くかはわかりませんが,メーカーの狙い通り車体姿勢の安定というメリットが感じられたので,このアンチノーズ再装着は成功と考えていいでしょう.今更こんなことをしている人はいないと思いますが,写真の古き良き空冷GPzの面持ちが再現できたという点からも,この逆カスタム.少し私にとって考えを改めるきっかけになったかもしれません.