GPz1100について思うこと

勘の鋭い方ならもう類推していただけると思いますが今度の企画はGPz1100空冷です.あれだけ苦労したんだから旧車の部類に属する車体に手を出してはいけないと散々感じて来たにもかかわらず,400Fをやっているときに味わってしまった自虐的なテイストに完全に毒されてしまいました.

といいつつもこうなってしまったのは実のところテイストに当てられたよりも一番初めに入手した部品たちの中にちょこちょこ混ざっていた1100の部品たちが原因であるに過ぎなかったりもします.企画開始といいつつこの時点で既に400Fの組み立て中についでに集めてしまった1100の部品があり,家の中が今までで最も部品で溢れ返っているといった状況です.まあ,いきなり組み立てに入れるはずもないので,思い出話でもしましょうか.

私がGPz400Fに乗っていた頃の憧れというと,当時既にGPz900Rがリリースされていたにもかかわらず空冷のGPz1100でした.なんてったってそのフォルムは大型車でありながら400Fにまるで生き写し.同じ観点で考えるならば当然空冷750もその候補となってもいいはずなのですが1100と750ではタンクの長さが違っていたり,全体のバランスが少し頭でっかちに思えたのです.

しかし実際にはその憧れを抱きつつも限定解除をしてすぐにGPz750Rに乗ってしまったため,そんな憧れもどこかへ飛んで行ってしまったのです. まあ誰しも若かりし頃というのは移り気なものですから特に後ろめたさなんかも感じることもありませんでしたが雑誌なんかでGPz1100が出ていたりするとちょっと心が動揺するような感覚があり,それはこの20年以上もの間一向に和らぐ気配がなかったのです.

さてGPz1100をやるとなったら,その置かれている状況を調査しておかなければいけません.GPz1100というのは実際に販売されていたのは1983年から86年あたり.それ以降も新車がしばらくは買えたようですが,それらは生産終了後の長期在庫がポツポツと市場に流れていたような感じです.登場当初はカワサキのフラッグシップとして扱われていたので一部のショップオーナーが店頭展示していたものをそのまま保管していたとかの事情の車体が新車として90年代後半に売られていたりしたので,当時国内モデルさえも存在した水冷のGPZ1100と混同されて偉く大変だったとか.

新車と銘打って90年代後半まで売られていたからと言っても,在庫となっていた期間が長ければ今現在のコンディションは所詮一般的に旧車と呼ばれるものと同じです.国内販売が終了した後も長らく海外モデルが存在していたGPz400Fとはここらへんの事情が大きく異なります.いうことはこの車体に挑むにあたってはそれなりの覚悟が必要ということに他なりません.

うーん,見てくれが似ているからって,安易に企画を思いついたところで既に後悔しかかっている自分が情けない. そもそもなぜGPz1100をやることになったかと言うと, 400Fの種車を引き取りに行った先の方がGPz1100乗りであったと言うのが始まりです.

それまではGPz1100なんて旧車だし,レア車だしということで最も苦難が予想される部類の車体であった訳です.しかし,その日の経験を境に急激に気持ちは傾いて行きます.実際はその日はその方の1100はバイク屋さんにドッグ入りしていたので,肝心の車体には対面出来ていないので,厳密な意味では直接の影響といい切れるかは微妙なんですが….

そんなある種不埒な考えの元とりあえず先に進めていかなければいけません.続きは次回.

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