タンクのレストア(その2)

塗装膜がはがれてひっぱり君の限界が見えたところで次はパテ埋めになりますが,その前に表面をある程度荒らしておく必要があります.また,塗装がはがれかかっているところはあえて塗装をはがしておいたり,ガソリンのせいで塗装が浮いているところは下地まで除去しておく必要がありますし,錆が浮いているところも錆の除去などパテ埋め前にやらなければいけないことが目白押しです.

まずカワサキデカールのあたりの処理についてはひとまずガンガン磨いていきます.それでも結局タンクの鉄部分についた傷は結構深いらしく,錆が写真の様に残ってしまいました.しょうがないので錆取り剤と塗って一晩放置し,色は完全に錆が取れたとは言えないまでも錆び止め効果が十分機能すると思われるレベルなので,アルコールで洗浄した後,周辺の塗装落ちのあるところも含めてざっくりと磨き直し.番手は400番で十分といったところでしょう.

次はタンクキャップ周りですが,こちらが随分と手間がかかりました.というのもこのエリアが一段下がっているのと,一体どこまでそぎ落とせばよいのか加減がわからないというのがその要因です.写真のような状況でひとまずどうかな〜と仮にサフェイサーとライムグリーンを吹いてみましたが,やっぱりダメで,削っては吹いてみてを繰り返して限界を探りました.結局浮きが出ているところの周辺は下地の黒が見えるところまで削らないといけないということがわかり,結構広範囲に黒地を露出させることになりました.これなら最初から塗装剥がしのケミカルを使えばよかったかな?とも思いましたが,結局それだと全体をはがす羽目になりかえって大変なのでこれが私のようなものぐさにとっての最適解なのでしょう.

パテについては,期せずしてひっぱり君の途中脱落もあり,まだ凹凸のある面に付けなければいけないといった事情もあり,部分的には最大で5mmぐらいの厚みになったでしょうか?あんまり普段は使わない厚付けパテが一気になくなってしまい,ちょっと意外.で,一旦厚付けパテで表面をペーパーで均して,それでも凹みが結構あったもんですから3日乾燥させた後で凹み部分のみ再度厚付けパテ.また乾燥させてペーパーで均して,今度は薄付けパテ.乾燥させてまだ凹凸のあるところは再度薄付けパテ.という具合に厚付け,薄付けパテ合わせて都合7回塗っては削ってを繰り返してようやく写真のような状態になりました.それにしてもこうやって見ると結構な凹凸が広範囲に残っていたことになります.塗装がはがれてしまったところ以外でも結構な凹凸が残っているので,ひっぱり君だけで大きな凹みを何とかするのはなかなか難しいということなんでしょうね.

それぞれ乾燥を必要とする工程で回数を思いもよらず必要としたため,期間としてはここまででほぼ1か月を費やしてしまっていたりします.ちなみに写真でお分かりのように今回塗装剥げや凹みがあるのはラインの上側のみで,下の部分は綺麗な塗装のままであるのでラインの上端エッジでマスキングをしてそこから上だけをライム塗装します.流石にクリアは全体に塗る予定ですが,さてこの判断吉と出るか凶と出るか….続きは次回!乞うご期待.

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