さよならGPz400F

それからのGPz400Fは然して交換部品もなく,日頃の脚として近場へのツーリングなどで順調に距離を伸ばし,あれよあれよという間に走行距離は1000kmを突破.車格といい,パワーといいこんなに体にしっくり来る車体は今まで無かったと思えるほどのフィット感です.何よりも懐かしさもあるんでしょうが,乗っていて楽しく,エンジン音やサスペンションのフィーリングなど単なる旧車といってしまうには惜しいパフォーマンスにも思えてくるぐらいだから不思議.

距離がここまで伸びたのはちょうどその時期,他の車体に調子の悪いものがあったのも重なったため,何かと400Fの登場機会が多くなったわけです.そのうち,さらに距離を伸ばせば伸ばすほど調子がよくなり,加えて私の体にもフィットしていくような感じで,このままだと車体と体が一体化してしまうのでは?と錯覚して怖くなってくるほどなんです.確かに初めて乗った中型を復刻して乗っているわけですから遺伝子にもう刷り込みされているところをズッポシと入ってしまったとも言えるわけで,当然といえば当然のことなんですよね.

パワーの出方については,純正の400Fと違い,キャブ,エンジンはゼファー,マフラーは400Fでちょっと吸排気のアンバランスな感じはありますが,日ごろ走っている限り自分的にはかなりいいフィーリングでパワーが上がっていくので満足感は大です.足回りも9Rやなんかと比べるとやはり心細いものですが,タイヤが細い分バンクさせやすく,パワーが急激に出ることもないので安定してトラクションがかけられます.まさに自分でコントロールしている感覚がダイレクトに伝わってくるのです.

19の頃乗っていたときはフロントヘビーな印象が強くって,わざと体を内側に入れるようにコーナーリングして(白バイみたいに)いましたが,今となってはそんな変なことをしないでもきわめてニュートラルにコーナーをクリアできる感じ.恐らく当時とタイヤが変わっていたり,自分の乗り方が変わったというのもあるんでしょう.意外なポイントではありますが,こんなとこにも自分の成長や技術の進歩を見て取れるので,私にとっても味わい深いのです.

そんなこんなで,GPz400Fについては車体入手して取り掛かって約1.5年.車検を取って乗れるようになって半年以上が経とうとしています.いろいろ手間をかけて組んだわりにいざ走れるようになってからというのは本当に手間がかからなくって実際私の気持ち的には少し物足りない状況になっていました.そんな中恒例の世代交代の時期がやってまいりまして,一台手放す必要が出てまいりました.

他の車体はちょっと不調だったり,絶好調すぎてもったいなかったりという状況の中,そこそこ程度の良い車体を売りに出そうということで400Fに立ってしまった白羽の矢.売り出し価格はかかったお金に対してかなり抑え目にしたので,幸いにも3順目で買い手が付き,そのままドナドナとなりました.最後の日には名残惜しんでおなじみの試運転コースを流してみましたが,乗ってしまうとやはりあまりにもシックリくるのでまた手放したくなくなってしまいました.

ちなみに結局せっかく手間と時間を掛けて仕上げたライムグリーンの外装も取り付けず仕舞い.加えて220km/hメーターも手元に残ってしまいましたが,これらはもう個別に売っぱらいます.今後400Fを再びなんとかすることはないと思いますので...

ということで長々とやってきた400F.あっさりとしている感じもありますがこれにて終了です.確かにエンジンが純正ではなかったことで,トピックの数は今までのほかの車体に比べダントツになってしまいました.苦労した分楽しめた上に,完成してからもかなり好調で,お気に入りの一台となったこともあり自己満足感は史上最高でした.

そんな感傷に浸りつつ,すでにもっと手間がかかりそうな次の車体についてはもう始まっているので,そっちでもよろしくね〜.

GPz400Fの思い出写真

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