新宿御苑と周辺の聖地を梅雨時に巡る

前回すごく季節や天気にこだわって3作品の聖地巡りを行ってはみたもののよく考えたら言の葉の庭に関してはまったく聖地巡りに適していない季節であったとはたと気づきました.なのでそのリベンジというわけではありませんが,今度は梅雨の真っただ中に都内の午後出張の日に午前中半休をとり,聖地巡礼をやって来ましたので,リポートしたいと思います.といっても場所は新宿御苑を中心としたそう長くないルートですので,まずは丸ノ内線の新宿御苑駅から歩いていきます.幸いにも(?)長期天気予報は当たってくれたので朝から雨が降っていて,まさに聖地巡礼日和といえるような天気です.


で,いきなり言の葉の庭ではない聖地ですいません.まあ気持ち的には作品の中ではその名前になっていたんですから許してくださいよって感じです.なのでもう超有名になってしまいましたが,瀧くんと奥寺センパイ,恐らく司くん,高木くんのバイト先のカフェレストランです.駅から御苑の大木土門へ歩く途上にありますが,実際のお店は御苑の前の細い2車線路に面しているのでこの裏の新宿通りとは違いあのような夜間の渋滞はないはずです.店内の再現度は高く,是非一度でいいから店内にも入りたいものですが,今回はまだ朝早いのでオープンしていません.それに写真を撮っているうちににわかに雨足が強まってきました.なので写真を撮ったらさっさと大木土門へ急ぎます.


雨足が強いこともあり,大木土門から入ってしばらく歩くまで一切写真撮影はなしで突き進みます.途中開けたところで1枚切り取りましたが,こんな感じでほかに御苑の中を歩いている人はまばらで,こんな風景写真が簡単に撮影できてしまいます.それにしても雨足が強すぎてすぐにレンズが濡れてしまいますね.カメラを構えてはレンズを拭きを繰り返してようやくこれです.でもちょっとレンズがすでに濡れていますね.ははは.


もう少し歩くと少し印象的な木が見えてきます.よく見ると途中で幹が折れてしまっています.落雷か強風でしょうか,このような都会の真ん中であっても自然の脅威にさらされていながら力強い生命力を感じてしまう姿です.秋月くんが大木土門から入る設定だったら新海さんが背景に採用していたかもなんて妄想しながらしばし佇みます.


おなじみのドコモタワーが背後にそびえています.距離がそうそうないはずなのに雨が降っているためにかすんで見えます.映画のシーンのもや具合に極めて近く,少し官能的でもあります.


またしばらく歩くとこんなシーンに出会います.何か訴えかけてくるものがあるように感じます.二人がもし晴れた日に御苑で会っていたらこのベンチも少し登場していたかもしれませんね.ここでさらに雨足が強まってきました.まさに豪雨という感じになってしまいまして,カメラをカバンから出すのもおっくうになり,ついには靴の中に水が浸水してグチュグチュ音を立てながらひたすら東屋に向かって歩きます.午後から出張先に行かなきゃなのに靴がグチュグチュなのはまずいわね〜とか思いながら歩いていると,こんな豪雨の中ジョギングしている外人さんがやって来ました.恐らく年間パスを持っていて毎日走らざるを得ない体質になってしまったんでしょうね.雨足をものともせず走り抜ける姿.立派です.


さて,グチュグチュの靴のまんまなんとか東屋に到達しましたが,すでに先客が居ました.あまりにも人がいないのでよもや東屋に先客がいるとは思えませんでしたが,こちらのお二人もあえて雨を狙ってここにいらっしゃったんでしょう.何の会話もなくひたすらスマフォをいじっているのは少し寂しい気がしますが,雨の中この東屋にいることがこの上なく心地よいんでしょうね.私も少しの時間雨の中粘りましたが一向に立ち去る気配がありませんでしたので,私は退散することにしましょう.


東屋の付近は日本庭園なのですが,この季節のもみじはまさに映画の色調のまんまです.そしてもみじのみならず様々な植物が梅雨の雨を歓喜を持って受け入れているようです.それとは対照的に高校生活に悲観的な思いを感じてやまない秋月くんと人生そのものに悲観している雪野先生とがここにいたのならば,その景色と二人のコントラストから何か起きてしまってもしょうがなかったのかとか感じてしまいます.


以前雨足が強いまんまですが,藤棚越しに旧御涼亭を眺めてみます.雨量や季節,時間なりの光量を含めかなり映画のシーンに近い感じです.映画の中では雨が降っていながらも藤の花が咲いているシーンがありましたが,実際梅雨も中盤に差し掛かっているのでもう藤の花は咲いていません.ちょっと残念.


さて,小路を上がっていきながら振り向いて藤棚のほうを切り取ります.実際は雨が降ると池のふちはこんな感じで水たまりになるので,二人は雨の中そんな位置にまで歩みを進めなかったのかもしれません.映画の中ではあの位置はちゃんと水たまりができないようになっていたんでしょうね.


旧御涼亭からの眺めです.映画の時期からはもう4年.恐らく制作時にロケハンした時期からすれば5-6年が経過しているでしょうから,その時期と比べると見渡す限り目に見える樹々の一部が当時よりも枝葉を伸ばしているのを感じ取れます.一方でちゃんと剪定をされて原形をとどめているものもあり面白いです.水面を見ると,すごい大粒の雨がバンバン降っています.私のほうは靴の中はグチュグチュのまんまですが,ひとまずここで靴下を脱いでおきます.雨足は強いままですが,午後の出張先に間に合わせるためにここで休んでいくことはできません.とほほほほ.


なぜ御苑の中から急いで歩いてきたかというと,今日はもう一つ聖地巡礼ポイントを回りたかったからにほかありません.といっても今日のメインである言の葉ポイントではなく君の名は。のポイントです.御苑の千駄ヶ谷駅からはそれなりに距離がありますが,途中首都高の高架下を歩けたりするので雨の強い日は少し助かるルートではあります.

再会の日の朝三葉が通過した改札のモチーフがこの北参道駅の改札です.まあ”語る”のコーナーで語ってしまっていますが,この駅から総武線各駅停車に乗ることはほぼありませんので,この駅の改札があのシーンで使われたのは単にロケハンしていた駅の候補の中で一番三葉大人バージョンのうちの最寄り駅のイメージに近かったからではないかと思います.実は以前この改札に来たことはあったのですが,人が多くって満足な写真が撮れなかったので,今回はこの雨の中人が少ないに違いないと踏んであえてここまで足を延ばしたということなのです.

さて,季節感を追い求めるがゆえにこの時点でも未だ靴の中はグチュグチュです.午後からの出張を如何にこなすかに頭を悩ませながら副都心線で出張先へと急ぐ私なのでした.

KEN-Z's WEBのトップへ