セルモーター交換(その1)

かみさんの意向を反映し車検を通したばかりですが,1ヶ月もしないうちに雲行きが怪しくなってきました.どうもセルの回りが悪いのです.初っ端の1回転が非常に遅くなってきました.長年使い続けてきたインド製バッテリがそろそろ限界を迎えたのかな?と思いつつ,まあもう少し様子を見ようと安易にしかも現実逃避モード全開.

とあるウィークデーの夜.家族で遅めの晩御飯を食べに近くの和食レストランへ.帰りに夜中もやっているスーパーでお買い物して,さて帰ろうかとキーを挿し,セルをまわそうとしたのですが,カチッとも言わない.なんで?セルが心細いながらもエンジンが点火しない程度に回るならまだしも,全然まわらない.シフトが入っているのかな?と確認するもちゃんとPレンジ.ラジオやヘッドライトはそんな心細くはない感じなので本当にバッテリなのかしら?と疑いながら色々試したり,ヒューズボックスを除いて臭そうなヒューズを確認したりしましたが異常なし.

一応歩いても帰れる距離だったのでその場はそのまま歩いて帰り,私だけ工具を抱えて息子の自転車でそのスーパーの駐車場へトンボ帰り.バッテリを外し,自転車のかごに入れたら家までまたとんぼ返り.家でバッテリを充電して来ようという魂胆です.それにしても80D23Lともなると非常に重いので自転車のハンドルが利かなくなるぐらいに重いです.かごの中で滑った日には体制を崩して転んでしまいそうなぐらい.で,家でバッテリを急速充電.30分すると急速充電は終了するのですが,電圧を測ると13V以上と思った以上に健常体であるバッテリにちょっと疑心暗鬼になる私.

充電の終わったバッテリを再び自転車のかごに積んでまたまたスーパーの駐車場に逆戻り.で,車内に放り込んでおいた工具を使ってバッテリを搭載して,セルをひねります.が!全然変わらず.何度かやってみたり,バッテリの接点を磨いてみたりしても変わりません.っつーか時間は既に夜中12時でして,スーパーの駐車場でエンジンルームに頭を突っ込んでなにやらやっている私がとっても不審者っぽくて,ちょっとこっ恥ずかしい感じ.その場での悪あがきはほどほどにして,JAFを呼ぶことにしました.

生憎すぐ来てもらうというわけにいかず,45分ほど家で待機して到着しましたとJAFさんから電話.家から自転車を1分程度すっ飛ばし,恥ずかしい思いを既にいっぱいしている駐車場に到着.JAFさんは一応キーを受け取るとすぐにキーを回して,なおかつバッテリを充電しても効果がなかった旨を聞くとおもむろにエンジンルームを覗き込み,ハンマーの柄を奥に突っ込んで,なにやらコンコンを叩いている感じ.音なんか聞いて何してるのかな?と思っているとすぐに車内に戻りキーをひねります.キュ,キュルルル...ギャギャギャ...と,エンジンが掛かりました.今何したんですか?と聞いたところ,セルモーターの電極が接触不良になっているのでそれを外から少し叩いて接触を一瞬回復させたのだとか.ちなみにセルの位置は教えませんので,次同じことが起こったらまたJAFを呼んでくださいとのこと.JAFさんもおいそれと変なこと教えて,お客に傷口を広げるようなことをしてもらいたくないという顧客第一の正しい態度で臨むところが大変好感が持てるところです.ちなみにこんな夜中にスーパーの駐車場で怪しい行動をしていたので,どうやら警察に通報があったようでJAFさんの作業の間になんどかミニパトが周辺をぐるぐる回っていました.まあこっちは悪いことをしているわけではないので,別段いいんですけどね.逆にそれぐらいのことをやってもらわないと,治安が悪くなってしょうがないですよね.

それは別の話として,JAFさんにはお礼を言ってエンジンが掛かっているうちに,なんとかそのまま一度うちに戻りました.でもそのままではいけません.置いてきた息子の自転車をまたそのスーパーの駐車場まで取りに行かなければいけません.今度は徒歩なので少し時間がかかりましたが,また自転車をかっ飛ばしてなんとか帰宅.試しにセフィーロのエンジンをかけようとしたら,案の定全然うんともすんとも言いませんでした.とほほほほ.

結局バッテリはシロ,セルがクロというのがはっきりしましたが,そんな簡単にセルモーターなんて交換できないわけで,とりあえずその週はそのままセフィーロを使わざるを得ない状況になりました.次の朝,一応セルを回してみましたが案の定掛からず.そのため庭においてあったジャンクから物干しの棒を物色してきました.それを持って,エンジンルームを開け,エアフィルタボックスの奥におわしますセルモーターの側面をコンコンと叩いてみました.おもむろにキーを回したところ,なんとゆっくりながらもセルが回りエンジンが掛かったのです.歓喜に咽びながらかみさんにそれを報告したところ,その日は法事があるのにエンジンが掛からないとは何事かと叱られ,車検を通すべきではなかったなんてことを言い始めました.もう,新しい車を探そうとしていたらなにやってんの?みたいな感じで暗に拒否反応を示したのはあんたでしょうが...

一応その日はその魔法の杖でエンジンをかける手法をかみさんに実演してみせて,私は会社へ.どうやらその日の法事はなんとか魔法の杖でクリアしたようで,かみさんもなんのこっちゃという感じ.ということでうちの車にはしばらく助手席の上に魔法の杖が置かれているという異常事態が続いてしまったのでした.

つづく...

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