ベルト2本とも交換

前回のオイル交換のレポートではいいかげんな対応をして凌いだベルトですが,やっぱりあれを見てしまったからには何とかしなければいけないとさすがの私も良心の呵責に苛まれるこの冬.まあ,悩んでいてもしかたない.交換しますか!

ということでベルトを購入するのにすごく気が進まない私がおりました.何で?ということなのですが,以前交換したオルタネータベルトに気をよくして,3年前ぐらいにすでにパワステベルトだけ入手済みなのでした.しかし,ヤフオクに安く出ているベルトはなぜかセットもの.1本だけというのも値段をとやかく言わなければ買えるんですが,どうもそんな値段で1本だけ買うのもばかばかしいような気がしてなかなか購入に踏み切れないのでした.(ばかなお悩みね〜)

そうはいっても,あの状況では背に腹は代えられないので,ここはお安めの2本セットを購入しました.間もなく到着したものの,季節は冬の真っ只中.地球温暖化の声も聞こえ始めて久しいというのに都心を中心に大雪が降ってしまったりして作業は到着後3週が経った週末でございます.

さて,さささっと右フロントホイルのネジを緩めたらジャッキアップ.ホイルを外したらタイヤハウス奥のカバーを外して上からオルタネーターベルトのアイドラプーリーの軸ネジを例の長いレンチで緩めます.次にアイドラプーリーの調整ネジを緩めていき,アイドラプーリーを後退させたらオルタネーターベルトは外れました.流石に前回の経験がある上にある意味専用ともいえる工具があってここまではあっという間でした.

次はパワステベルトを外さなければいけません.前回テンション調整をするときに苦労したのは実はこの部分の緩め方について整備要領書にはテンション調整機構のネジを緩めるだけでベルトが外れるようなことが書いてあったので勘違いして調整ネジだけを廻そうとしていたところ.実は調整機構のブラケットを止めているネジも緩めておかないと一向に調整できないのです.今回もこのブラケットを止めているネジを先に緩めます.実はこのネジとても奥のほうにあるのでとても廻しにくく,12mmのネジであるがゆえに,小さめの工具を無理やり手を突っ込んで廻さなければいけないんですが,これが結構大変.前回は馬鹿みたいな力で締められていたので,このネジを緩めるのにも四苦八苦したのですが,今回も前回締めるときに多少強めに締めたがためにまた苦労しました.

なんとかブラケットの固定ネジを緩めたら今度は調整ネジです.調整ネジもこれまた大変なところについています.オルタネーターベルトを前回交換したときは,このように下からのアクセス方法があるとは思わなかったので,絶対に専用工具が必要なはずと推測し手をつけなかったところですが,下からのアクセスでも,その直下にフロント車軸やサスペンションの取り付けブラケットがあって,直接は覗き込まないと拝めないネジなんです.それでもソケットレンチを色々組み合わせてなんとか廻せるので,徐々に廻していきます.はじめテンション緩める方向がわからなくなって手こずりましたが,徐々に緩んできました.ちなみに緩む方向というのは上から見てネジを反時計回りに廻す方向です.ネジが下からついている上に視認しにくいところなので,混乱しがちなところです.

で,緩んできてはいるんですがベルトが外れそうかというと全然そんな感触ではありません.アイドラプーリーのような構造ではないので,相当プーリーの位置を下げてやらないと取れないのは容易に想像が付きますが,それでもここまでとは思いませんでした.しかもこのネジがあまりにも奥にあるため,1ストロークで廻せるネジがラチェットの1ノッチ分.その都度ラチェットレンチの柄をサスペンションの取り付け部の裏にコンコンあてながら緩めるので精神衛生上よろしくない.結局これでは埒が明かないのでその奥まったネジのさらに奥のスペースを利用して,ミニレンチで緩めました.それでも60度程度廻すのが精一杯ですが,今までに比べると体感速度的に自転車とジェット機ほどの差が有ります.

プーリーの高さにして50mm程度も下げたところで,ようやっとベルトが外れました.外したベルトはやっぱりという感じですがちょっとそらせる方向にたらすと,そのV型の腹にバキバキの裂け目が無数に散らばっています.よくこれで走ってくれていたもんだと感動しながら,新しいベルトを取り付けます.新しいパワステベルトについては今後また交換することもあるだろうということで,3年前に入手したほうを使います.3年前に入手したのは日産純正(PITWORK).今回はドライブジョイのものでメーカーは三ツ星.まあ,いずれにしても表面的にはちゃんとしたメーカー製です.でも最近は中国製のまったく関係ない会社が名門企業の名をかたって偽物パーツを日本に輸出しているようなので,しばらく様子をみてみないと...と気にしながらもプーリーにベルトを掛けても一向に全然掛かってくれません.要は古いベルトは長くなっていたので外れたけど新しいベルトはもう少しプーリーを下げないと嵌ってくれなようです.ということで,再び例の廻しにくいネジを緩めて行きます.もう既にベルトが掛かっていないので,レンチを使わずにくるくる廻ってくれるんですが時々突っかかるようなところがあるので,その都度レンチを入れて廻します.今度は70mm近くまで下げてようやっとベルトが両方のプーリーに掛かってくれました.

あとはまたこの廻しにくいネジを締めていきます.これまで緩めた分をまたほぼ同じ分だけ締め込んでいかなければいけないことを考えるととても憂鬱です.でもやらないと作業は完了しないので,ここは休まず廻し続けます.といってもこのネジについては結構要領をつかんできたので,緩めるときほどの時間はかからず,約2分で締め込み終わりました.テンションの張りは10kgfをかけて5mm以内のたわみというもので,手感でチェック.OKになったら調整ブラケットのネジを締めてパワステベルトについては作業完了.あとはオルタネータベルトを取り付けて,テンションチェック.前回は上からの作業だったのでオルタネーターベルトをプーリーに取り付けるのは非常に時間が掛かった印象なんですが,今回は下からなので本当に一瞬です.軸ネジを締め付けたらタイヤハウスのカバーを取り付け,ホイールを取り付けジャッキダウン.ホイールを増し締めしたらこれで本当の作業終了.

早速エンジンを掛けてみます.一応パワステベルトが少し古いので,変な振動が出ないか心配だったのですが,そんなこともなく以前より振動は減っています.もちろん空回りや,変なキュルキュル音は皆無.前回テンション増ししているので,そのときには結構車体の振動が減ったのが体感できましたし,バッテリへの充電が十分でないのかセルも少し長めに廻さないと始動できていなかったのですが,今はほぼ問題なくなりました.あと,やはりパワステベルトを交換した効果でしょうか?ステアリングの操作感がダイレクトになったように感じます.少しドライビングの楽しみが回復したような感じです.確かに今まではこういったところでエンジンの発生するパワーをロスしていたわけで,ベルトのメンテナンスの重要性を痛感した今回のメンテでありました.

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