まず部品の確認です.まず,無かったのは外見に出てくるところでは,スカートの下のステップがひとつありませんでした.この部分は結構手が込んでいて,ちゃんとスリットが切ってある部品をステーに接着する形状になっているのですが,これが無いので,ランナーなどを切ってごまかします.スリットはちょっと素人には無理なので(ちょっとがんばれば出来るかもしれませんが,そこまでは...)我慢我慢.あとはランナーに付いたまんまの部品でもランナーの変形があったのかどうか知りませんが細い部分で真っ二つになっていたりします.運転室のサイドの窓と天窓の2枚もありませんので手持ちのプラ板を切り出して代用します.
あと若干組立済みの部分もあります.まず,ナンバープレートこれはもうひどいもんで,ゲートバリが付いたまんま接着していて,隙間も大きく開いているものばかりであるばかりか,浮きが出ているものもあります.浮きについては我慢できないので,一旦剥がし余剰のナンバープレートをサイド接着しました.隙間についてはパテ埋めしてもいいんですが,この細かい部分をまたやすりで磨く時間は無いので,省略します.
モーター,車輪についても1組ずつ組立かけのものがありますが,私と同じく小学校低学年の方が接着したんでしょう.ひどい状態になっています.あきらめてしまう事情が手に取るように良くわかります.車輪についてはバリを取り,接着しなおしました.バリやゲートの部分はペイントマーカーでタッチアップしました.
それ以外の組立についてはモーターや車輪については問題ありませんでしたが,外装の取っ手やフック類の接着が結構大変でした.このフックはあらかじめ折れてしまっているものも多く,それを補修してやったんですが,アオシマのこの頃のプラモはバリが多く張っていてその除去にも時間が掛かりました.折れた部品の補修をした後に針を取るなんてのはもうこの歳になったらもうやってはいけないことであるかのような困難さです.結構バリなのかゲートなのか必要な部分なのかわからないでニッパで余計に切り取ってしまっていらない補修を必要としたなんてこともありまして,これだけでもうめっきり神経衰弱状態.
お次はペイントです.ペイントは手持ちが無かったので,青のTAMIYAカラーとグンゼ産業の入門セットみたいなのを購入しました.青はスプレーですから結構綺麗にぬれるんですが,スカートの灰色にいたっては筆でのペイントです.プラモデルの筆でのペイントなんてもう30年近くやったことの無いので,もう緊張〜.言ってるそばから塗料に泡がいっぱい入ってしまって点々が出てしまっています.もうめちゃくちゃ.結局これらの修正も結構大変.本当に素人作業って情けないったら.ついでに告白すると,連結器の青は樹脂の地色ですが,これはワンポイントになるかな〜?とそのままつけてみたんですが失敗でした.素人っぽさを全開にしてしまいました.
内部の部品はどうでもいいので細かい部分以外は息子に手伝わせました.結構楽しそうにやっていますが,複雑な構造に感服している様子.おとうちゃんはえらいと久しぶりに言われました.
続けて台車周り.台車周りも結構大変です.砂箱もちゃんとパイプがありますし,もちろんブレーキ関連の部品もちゃんと枠に沿わせて走っていたりします.それらを組み合わせて組み立てるのですがどう見ても車体と干渉するモーターの上の蛇腹がバリだらけで不揃いなんです.これはあとでまずいことになるだろうな〜なんて思っていたら案の定車体を載せると台車がまっすぐ付かない.この蛇腹部分がゆがんで付いていたりバリが高く(結構厚いバリなんですよこれが)聳え立っていて車体を持ち上げている感じ.しかたないのでブレーキなどの細かい部品について台車にやすりを当ててシコシコ削って何とかしました.クリーム色を入れたボディをここに慎重にかぶせ,概観が出来上がりました.
で,クライマックスです.そうパンタグラフです.このパンタグラフの部品にも厚いバリが張っていたりしてランナーについている状態で既に私をグロッキーに追い込んでいきます.気を取り直してバリを取り組み立てていきますが,問題発生.組立の途中に上段と下段をつなぐヒンジの部分を圧入するのですが,その圧入のときに力が入りすぎて上段のN字の部品を3つに破壊してしまいました.これをちくちく補修していたら,30分も掛かってしまいました.
片方出来上がって,はっと気づいたときにも眩暈がしました.写真を見て違和感を感じたあなた.正解です.上段のN字を片側だけ裏側につけてしまっています.けどもうばらして組みなおす元気なんてありません.これでいいです.私の実力ですから.とほほほほ.
最後にホイッスルと避雷針をつけておしまい.出来上がりを見ると,浮きを解消したはずの台車がえらく高さを持っているようで,たいそう腰高なEF60の出来上がりです.まあ気にしてみないと気づかない程度かと思いますし,お正月の休みをたっぷりと浪費したこの大作.失敗した部分もあるのでせっかく作ったのにもう見たくないということで,もとの箱の中に収納されてお蔵入りです.せっかくあの大きな箱が減ると思って苦労したのですが,結局のところ時間の浪費だけに終わってしまったようです.あ〜,つくづく虚無感.