今回は心温まるネタです.
昨年の秋になりますが,忍者のフロントまわりの整備をやっていたときにふとディスクに目をやると,何か様子が違うことに気がつきました.よくよく見てみるとなんと蝶のサナギがディスクの内周の抜き穴の中にくっついています.ありゃりゃ,こんなところにくっついちゃって,運の悪い蝶だことと思ってそのままというのもかわいそうなので,丁寧にディスクからはがして,屋外に放置しておくのも鳥のえさにそのままなってしまっては可哀想なので玄関のドライフラワーの中に出来るだけ縦になるようにして置いておきました.
そのときはこの蝶はきっと孵らないんだろうなと思っておりました.というのは室内の気温というのはやはり屋外とは違いますし,普段外皮がふれていてよい部分というのはやっぱりあるでしょうから,ドライフラワーの中というのはあまりよろしくない環境であると思ったわけです.といっても屋外で変なところに移し変えてしまうと,他の動物に食われたり,温度変化が激しかったり雨,風の影響もあるでしょうし....
ということで,子供らにちょっと見せてやっただけであとはサナギがドライフラワーのかなにチョコンと置かれているだけの状態になっていたのでした.
で,時は過ぎ,春のある休日.その日は朝から玄関先でバイクの世話をして,結構頻繁に玄関のでは入りを繰り返していたのでした.すると,階段を下りてきた妻が
ここではたと思い出し,ドライフラワーの中を覗くとサナギが見当たりません.よく探してみたところ,サナギがドライフラワーの脇に落ちています.で,そのサナギをよく見ると既に抜け殻.
お〜孵ったのね!ということで感心しきり.子供らを呼んであのサナギが孵ったんだよと少し興奮気味に教えてあげました.で,そのチョウチョはというと変なところで羽化したのがいけなかったのか平衡感覚が悪い感じで羽をばたばたさせています.このままではせっかくの羽を損傷しかねないと思い,庭先のタンポポの花にとまらせてあげました.
ここでしばらく観察しているとちょうちょはとても落ち着いた様子で,羽を充分に乾かすことが出来ているように見えました.そしてしばらくすると羽をはためかせてどこかへ飛んでいったのでした.
それにしてもなんと気持ちのいい春の朝なんでしょう.久しぶりに心が洗われました.それになんと運の良いちょうちょであることか!
私があの秋の作業中に気づかずにそのまま走り出しでもしていたら遠心力で飛ばされてしまうか,ブレーキキャリパーにはさまれてそれは可哀想な事になっていたことでしょう.それが運良く見つかったばかりかあんな誰も気にも止めないドライフラワーの中で約半年をすごし,よくもまああんな美しい蝶に育ったこと.それにしても自分としてはなんにもしていないはずなのになぜか感慨無量でございます.みなさんも秋口は始動前にブレーキディスクの中をチェックするようにしてみては如何でしょうか?(面倒くさ〜)