ビデオカード考

mach64のカードはWord,Excelレベルでは何ら不満はない.発色や安定性では他のカードよりも優れているといってよい,そんな状態で半年が経過しようとしていました.しかし,その半年でVGAの平均価格は大幅に変貌し,9800円などというカードは珍しくなくなりました.S3のTrio64V+というチップは従来の868を上回る性能をもち,135MHzのRAMDACを内蔵していましたがその石の載ったカードが価格破壊の中心となって,その当時6800円程度のTrio64V+のカードが出てきました.私も調子に乗ってTrio64V+のカードを一枚購入したのですが,ベンチマークはCADが大きくupしたものの体感はmach64とあまり変わりませんでした.これを反省してVGAはそれ以来よく選定してから買うことにしました.とはいえCPUやマザーを代えるより安く手軽にパワーup出来るわけで,1年に一枚というペースで買い替えていくわけですが...

その次に購入したのはJUNKで売られていたMGAのUltima Impression PlusPCIでした.このカードは購入時点で2年落ちという物でしたが天下のMGAです.何か良い点があるかも...と9800円で購入しました(どこが良く考えているのか...)しかしこれが意外にあたりでした.いや無理矢理当たりにしたといってもいいかもしれません.実はこのカードは解像度に特殊な設定を持っていて,2MBでありながら1152x886という極めて一般的でない解像度で16bitカラーという表示が可能だったのです.普通は1152x864ですし,2MBの安いカードはたいていはこの解像度を選ぶと256色になってしまったものでした.横方向1152という解像度は当時高級カードの特権だったのです.その頃,会社のCADアプリのプロテクトボックスを自宅に持ち帰り使うことがあった私はこの解像度を使い,非常に重宝しました.実際1280x1024の解像度はWord,Excelを使うぶんには良いのですが,CADを使うと17インチモニタでは目がチカチカしてきます.また,このカードはVRAM2MBの物を購入したのですが空きソケットが2MB分ありました.そこで会社で使わなくなったNEC純正のビデオカード(これにもMGAの石が使われていましたが,専用バスを使うわりには98の上ではそのパフォーマンスが悪く,IOデータのカードに入れ替えたのです)からVRAMを剥がし,このカードのソケットに入れてみました.これがすんなり動いたのです.なんと1152x886の解像度で32bitカラーという夢のような表示が実現しました.ただし,その時のCADの描画はお世辞にも早いとはいえず,結局は16bitカラーで使用していました.

次に購入したのはTsengLabのET6000を乗せたカードでした.ET6000はWin3.1の最後の頃,DOSが早い事で有名だったET4000の後継の石です.このカードも9800円でしたが,当時まだ珍しかったSGRAMを4.5MB搭載しており,CAD,Word,Excelとも高速である上,ベンチマークも当時20000円以上したMGAのMystiueよりも好成績でした.

ここまで読んでいただいて気づいた方もおられるでしょうが,私のVGA選びに一貫して言えることがあります.そうです,すべて10000円以下なのです.この後購入するPWR128PもRiva128ZXが出て値崩れしたものを9800円でGETしたものですし,初めて単体購入したmach64を価格で超えるものは一枚もないのです.これは私が潜在的に10000円なら失敗しても痛くないと思っているからに他なりません.実際この考え方は,私のPCパーツ選び全般に言えることで,ある一定の金額以上は買わないという暗黙のポリシーがあるのです.しかもその価格というのは実は下がることはあっても上がることはありません.このままいくと私はPCの自作ができなくなるかも...

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