SRX250Fよさようなら

フロントのホイール交換で高速時の振動もなくなり好調に距離を伸ばしているSRX250Fでありますが,インプレをあんまりしていませんでした.なのでここで少しインプレを.

まず,この車体のコンセプトは当時ライトウェイトスポーツであったかと思います.レーサーレプリカブームの中,女性ライダーも増えてきてまさにその層を狙ってリリースされたのが,このSRX250Fでして,それまでのSR250とかのアメリカン車とは一線を画すヨーロッパテイストのあるデザインが当時の女性にかなり受けていました.なのでエンジンの味付けは低速から回さなくてもそれなりに走れて,高速も安心して走行できるというある意味オールラウンダーな味付けであったと思います.実際今回30年以上ぶりに乗ってみて,まさにそんな味付けだなと実感した次第です.

例えば同じヤマハのシングルであるSR400と比べても驚くほど振動は少ないですし,排気音も静寂です.アクセルを急激に開けてもシングル特有の驚愕するほどのトルク感というのもある意味押さえ気味に調整されているように思います.この辺はおそらく2つのキャブを使ったことで,回転の全域でマイルドに吹け上がるような設計になっているのかなと思います.

そんな感じなのでSRX250Fはロングツーリングから街乗りまでそつなくこなす優等生ということになるでしょうか?同時期の各メーカーの250シングルというとクラブマン,CS250,NZ250などがありますが,恐らく女性層を狙ったクラブマン以外の2車はほぼ同じようなコンセプトなんでしょうね.同じ女性層を狙った市場戦略ということでは,このすぐ後にFZ250フェザーが出てシングル=女性層という図式はなくなりました.なので,シングル=シングル好きな人というクラブマンが目指した路線が主流化するように見えたものの,そこからしばらくしてから走りを重視したグースが出てきたわけです.スズキはそこで違った毛色の市場を開拓しようとしたんでしょうけど,それは当時は爆発的な規模にまでは至らず,一部のフリークの方々に脈々と受け継がれてきたのかもしれません.そのためグースだけが未だに高額で取引されていたりしますね.

というバイクブーム真っただ中のシングルの歴史に少し浸りながらSRX250Fを走らせていると,本当に懐かしいテイストを感じることができましたので,結構私はそれだけで満足してしまいました.ということで他の1台が入庫する予定が立ったところで早急に手放さなければいけなくなりました.元よりSRX250F自体の相場はそう高額ではないので,かかったコストに対して大幅な値引きをして出品して,少し競争はあったものの結局数万円の赤字の価格で落札されました.落札者の方はほんの目と鼻の先のお住まいの方であったので,終了から数日のうちに引き取りにいらっしゃいまして,あっという間にSRX250Fは私の手を離れたのでありました.

ともあれ,30年ぶりに乗ってみたかったという私の目的は十分に果たせましたので,企画としては大満足なものであったわけです.まあ,ここまで大きな赤字になったのは痛かったですがね.ということで初めてのカワサキ車以外の車体組み立てを伴った企画,いかがでしたでしょうか?結局新品部品の入手できないものがやっぱりカワサキより多いのかな?なんて思いましたがその分いろいろ工夫をした部分もあって面白かったかもしれません.ということでまたカワサキ以外もやってみようかな?なんておもいつつ,当企画終了でございます.

恒例のSRX250Fの思い出写真はこちら

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