引取りと現車確認(その2)

ちなみに今回の出品者の方はかなりやる方なようで,私の作業中もそばに立ってご覧になっていたり,いろいろお話をしながら作業をすすめていく感じになりました.まず私の工具を見て開口一番.

かなり使い込んでますね〜.

そりゃ〜そうです.もう30年選手もありますし,未だボックスレンチのセットの入れ物はベコベコになってしまっていますので,見た目から相当ヤレテしまっています.というようなことをきっかけとして,その方はほかにもザンザスを所有しているようでして,ザンザスへの愛情や,楽しみ方なんかのお話やなんかいろいろ退屈することなく作業を続けることができました.

まあ,手順としてはまずシートフレームを外すためにフロント周りの電装を外し,リアにまとめます.シートフレームの取り付けねじは六角穴付きのつば広ボルトなので,この部分が固着しているとネジをなめてしまうことが多いのですが,ちゃんとレンチに角パイプをはめて一気に緩めたら問題なく外れました.次にリア周りとエンジンハンガーなどの硬いネジをひたすら緩めます.ここもラチェットレンチの軸に角パイプを駆使して緩めます.普通はインパクトを使うんでしょうけど,それをやらないので,出品者の方はかなり興味津々な感じで見てました.リアサスの上,リンクのフレーム側,ピボットアクスルのナットが一通り外れたら車体を横にしてボルトを抜いていきます.これでリア足周りは分割終了.

フロントは三つ叉から外してハンドルも含めて一まとめにしておきます.トップブリッジを外すときにかなり苦労しましたので三つ叉かフォークに曲がりがあることは確実でしょう.ちなみにハンドルもきっちり曲がってしまっていたので,これも使えません.あとはエンジンをおろすだけです.ちなみにエンジンの固定に関してはエンジンの幅方向にアジャスターが付いていてスリットの入ったシャフトホルダーで調整できるようになっていたりします.ここらへん過渡期とはいえ,エンジンをリジッドに固定するだけでなく,調整もしたうえでクランクケースに負担がかからないようにする工夫がされていて面白いところです.出品者の方もここらへんがザンザスの優れたところとおっしゃっていたので,こんなのが解説付きで理解できるなんて,ザンザスをもう一度やってよかったと思えるところであったりします.

さて,エンジンは面倒なのでエキパイが付いたまんまにしておこうと思いますが,どうもダイナモカバーの割れが思っていたよりも盛大で,少し傾けるとオイルがどばーと漏れてきます.出品者の方のアパートの敷地をオイルまみれにするのはいやなので細心の注意を払いながら作業します.最後はプリウスに一通り積み込んでいきます.エンジンについては一人でも上がりそうな感じでしたが,出品者の方にもお手伝いいただいたので楽々でした.あとは走行中エンジンが転んでオイルダダ漏れにならないように周りをホットカーペットカバーやほかのパーツで固めて,作業は終了.

出品者の方のお部屋のおトイレをお借りしたりしていたら,他にもお持ちのZX-9Rを見せてもらえました.C型の最終モデルで,いろいろいじりながら楽しんでいらっしゃるようで,この時期私も2代目の9Rを走らせていたので,思わず9R談義に花が咲いてしまいました.まあこういった点って,似た者同士というか,共通点が複数出てきてしまうんですよね.さて,長話をしても出品者の方にはご迷惑なので,そろそろお暇します.到着から9R談義など含めてちょうど100分ってところなので,外装がなかったとはいえかなり順調に作業が進んだといえます.ちなみに1本のねじもバカにしなかったというのが利いていますので,この種車は結構あたりなのかも知れません.まあ,エンジンと足周り,電装ぐらいしか使いませんけどね.

帰りも同じルートを使って帰宅し,戻ったのは2時ってところ.かなり早い到着なのでかみさんの目にいろいろ入らないように気を付けながらパーツを庭や家の中に仕込んでいきます.まあ外装がないので比較的コンパクトに収納できましたが,それ以前にまだ着手前の車体がいっぱいあるので,当座はそれらと混ざってしまわないように気を付けないといけませんね.ということでなんとか種車は見つかりましたが欠品だらけの本企画,果たして完遂できるんでしょうか?

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