さよならZRX

さて,車検も通りボロだしのために少々走り込みをしてきましたが,この車体の行先がほぼ決まりました.そもそも職場のOくんが免許を取ったということで,乗りたいバイクの名前に挙がったことが今回の企画のなれ初めだったわけですが,ひとまず出来上がった旨をOくんに知らせ,かかった実費から 見積をして値段提示したら,乗りたいとのこと.それでも試乗ぐらいはしてからの方が良かろうということで,Oくんと休日に予定を合わせ試乗の日程が決まりました.そして,その時点ではボロだしで少し問題点があったので,まずはその対策から.

まずはシートです.このシートウレタンベースの欠落を自作ベースでなんとか形にしましたが,後でよくよく形を見てみると,シートの金的側の肉盛が極端に薄く,乗っていると常に腰が前に落ち込んでいってしまいます.Oくんは私よりは大柄なので,この影響をもろに受けてしまうかもしれません.そのために金的部分の肉盛をしてみました.まあやったことは前半分のタッカーを外し,シート生地をひん剥いたらシートベースをまた部分部分盛っては削りを繰り返して最後に再びシートをタッカーで止めるという手法です.これができるのはこの凹んでいる部分に肉を盛る場合のみです.逆だとシート地が足らない方向になるので,通用しないわけです.まあこれで座ってみて腰が前に前に来てしまうというのが試運転の結果わかりましたので,シートはこれでひとまずOK.

次は熱対策です.というのもこの車体,ラジエターファンが停車時に回ると,かなりな熱風がひさの内側にやってきます.これがちょっと長時間の停車だと火傷してしまうかもというレベルで,これではやけどの危険性もあるし,タンク内のガソリンがどんどん揮発していってしまいます.良く部品を見たら,ラジエターの後ろに遮蔽板があったのですが,これがラジエターを付けた後に見つかったので,面倒くさがって取り付けていなかったのです.まああるべき部品がないというのは何かしら弊害が出るものですが,そう重くない弊害であろうと高をくくっていたのが裏目に出た感じです.

で,これを取り付けるわけですが,ラジエターは外しますが完全に外してしまうとクーラントを抜いたりしなければいけないので,それはなんとかラジエターの後ろにスペースを作って,その範囲内で作業できないかを画策します.で,その結果写真の様になんとかなった感じです.まあネジが錆びているのはちょうどよい長さのもので外観にこだわらなくて良いところだったので,許容してください.これも試運転をしてみると効果絶大.タンクの裏側へのラジエターからの風がここまで影響していたのかと感心するぐらい腿の内側への熱が来なくなりました.う〜む,純正設計は深い.

最後はクラッチレバーです.もともとついていたのは黒いレバーであり,ブレーキレバーがシルバーであるのと合わないのが気になっていました.幸いにもうちの在庫に同じデザインのシルバーのものがレバーホルダーごとありまして,これに入れ替えて対応しました.まあなんでこんな在庫があったのかさっぱり理由がわかりませんが,将来のことを何かしら予見して在庫を集めたわけではないことは確かです.ははは.

何かやってはその都度試運転を距離が伸びてきました.ひとまずインプレッションでもしておきましょう.まずエンジンですがヘッドから冷間時タペット音がしますが,温度が上がると目立たなくなります.パワーについては下からスムーズに上がってきますので,マフラーが後期に変わって特にパワーが下がったりはしていないようです.燃費は私の乗り方だと16-18km/lってところで,そう悪くないと思います.ラジエターが前期というのも特に熱的には問題ないようです.ポジションはシートを直してからは素直なポジションになり,らくちんな姿勢で力も入り過ぎません.低速トルクも十分なので思わず長距離が走りたくなる車体です.ポジションも攻める感じではないので,あまりワインディングは不向きかと思えますが,車重のわりに切り返しも軽く,リーンアウト気味で車体を大きめに倒してコーナーリングすると結構安定感があります.ここらへんは以前やったザンザスと比べても明確な味付けの違いが分かって面白いですね.


Oくんの試乗については上記対応してから次の週末に近くのホームセンターで落ち合って実施しました.ちょうどボーナス商戦が始まった週であったためか,ガラガラの中試運転に使いやすいだろうと考えてロケーションを決めたのですが意外に混んでいます.それでも駐車場の中,少し外を走っただけですが,トラブルなく試乗が終わり購入の意思が固まった様子.ということでこの車体,晴れてOくんの元へ旅立つことになりました.しかしこの時点で少し左のフロントフォークから薄いオイルにじみがあるのがわかったので,引き渡しは次週以降としてその次週にオイルシールを交換してから引き渡しと相成りました.

引き渡してしまってからよくよく考えたら,この車体の完成してからというもの一度も写真を撮っていませんでした.いつもなら出品時の写真を撮るわけで何かしら残るわけですが,今回はそれがありません.あわてて写真撮っておいてねとOくんにお願いしつつ,結局この写真はOくんに撮ってもらったものをそのまま掲載していたりして...ともあれOくんも初心者だとツーリングとかも心細いだろうということで納車後に一度銚子方面にツーリングでご一緒しました.といっても私のツーリングなんてあんまり観光的要素もなく走り回るだけなんで,つまんなかったかもしれません.まあそこらへんの娯楽ありのツーリングは独自に切り開いていってもらう方がよさそうです.

ということでZRXの企画はこれにて終了.まあ以前からやりたかった車体を結果に結びつける形で終わらせることができました.それにつけてもニンジャやその周辺の車種との共通部品が多く,意外に部品を購入しなくてもよかったものの,紆余曲折があったりして結局新品購入しなければいけない部品も多く費用的には結構掛かってしまいました.特にメーター,ライト周りの紆余曲折は最初っから総合的に考えていれば無駄に部品を購入しなくてもよかったなと反省する次第です.まあその分作業も多くかかってしまいましたが,それは自己満足の世界で解決済なんですけどね.ということで長らくご愛顧いただいたZRXコーナーはお別れで,また次の車体に期待してくださいね.

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