アイドリング不調から回復したZX-4はとってもいい子ちゃんで,なーんにも手をかけなくても順調に距離を伸ばして,私には珍しく3か月の間に300km以上という走行距離を刻んでいました.流石に乾燥重量152kgという4ストマルチの400ccで最軽量を誇る車体であり,また非常にコンパクトであるがゆえにコーナーリングマシンとしての実力はかなりなものです.ただ,さすがレーサーレプリカに喧嘩を売るような立ち位置であったためにサーキット走行でのコーナーリングと公道は異なりまして,ある程度安全を担保しながらの走行が必須です.やはりポジションが立っていないので,どうしても路面の荒れや対向車などを気にしなければならないのでいつもの田舎道のコースでは少しストレスのたまるような感じです.まあ車体の完成度は高いのですが,私のライディングスタイルにはマッチしにくいことは確かです.しかしそれなりの速度で小さいコーナーをくねくね走っているときにはこの上ない充実感が感じられるほど軽快に走れるのが,なんだかテクニックが上がったかのような錯覚も感じられる,そんな複雑な感じでもありました.
確かにエンジンのパワー,車体の軽量さなどレーサーレプリカに匹敵するということでありながら,荷掛けフックやハザードがついていたり,ツーリングユースも考慮していたということで,両方のテイストを味わえると思ったのですが,私の感覚では確実にレーサーレプリカそのものであり,そういったとげとげしい部分がその時代には求められていたこともあり,すぐにZXR400に代を譲ったのではないかと思われます.そのような不遇さと,ある意味哀愁めいた感傷を抱かざるを得ないところが私がZX-4に魅かれるポイントでもあったわけなので,それを実感できたとも言えます. そんな中,皆さんの嫌な予感の通りこの時期新しい車体を手に入れてしまったのです.勿論分解して運んできたわけですが,それを部品のまんま保管しておくとすごく場所を取ってしまいます.それに加え種車2号機もどうするかまだ決まっていない状態で,ほぼ1台分のパーツがあるわけで順番待ちをこれ以上増やすわけにはいきません.なのでその時点で最も調子のよかったZX-4を売りに出すことにしたのでした.
開始価格はいつもの材料費(送料など諸経費込み)や車検取得代で,そのまま落札されると油脂や塗料代,消耗材の費用分赤字になる価格設定でありましたが,ウォッチリスト入りはすこぶる多かったものの2巡目に突入.結局2巡目でスタート価格で落札されました.一応相手の方は引き取りできる距離でなかったので,先方手配のバイク配送屋さんに約1週間後に引き取られていきました.結局出品中も調子維持のためとはいえ多めに走りこんでしまったので,トータルの走行は350kmとなり,別れを惜しむあまり必要以上に距離を伸ばしてしまった感は禁じえません.
ということでZX-4は部品の入手含めて決して順調ではありませんでしたが,その乗り味など含めかなり高めの満足感を私に与えてくれました.こんな感じだと種車2号機はどうなるか容易に想像つくような感じですが,果たしてそちらはどうなるんでしょうかね?私のことでありつつも,どうなるか非常に気になる状況です.ひとまずZX-4の企画については終了です.また他のコーナーでお会いしましょ〜.