私と言えば大排気量メインという印象をお持ちの方が多いと思いますが,意外にここまで中型車も手掛けて来ています.まあカワサキだけとってもGPz400やGPz400空冷などを中心として,ザンザスなんて変わり種をやったりゼファーとかのメジャー処,あと新しいものなんかも手を出したりして,これで大排気量ばっかりという印象はぬぐいされたのかな?と思います.でもなんか偏っている感じがしてもう少しまんべんなくやっているイメージが欲しいかな?なんて思います.というのもやっぱり私の世代だったらレーサーレプリカを外してバイクを語ることはできないわけです.でもそれに近いものは一切やっていない.大型ではZXR750やレーサーレプリカではありませんがZX-9Rなんてのもやっているわけですから,やっぱりやっておかないといけないなとさえ思うようになってきたのです.
でも実はZXR750のH型に乗っていたわけなので,ZXR400とかは,なんだか触手が伸びません.それに今は部品,車体共にめちゃくちゃ高額です.まあ当時乗りたいと思っていたバイクではないということが原因なんですけど,当時のカワサキのレーサーレプリカに対する主義主張のようなものがこれに起因していて,私がそれにどっぷり浸かっていたからなのかもしれません.というのもレーサーレプリカが誕生したのはRG250γが発売された1983年と言われています.当時のカワサキといえば250の2ストはKH250でしたから,隔世の感が否めません.後に84年になってKR250が世に出ますが,イメージ的にはレーサーレプリカとはかけ離れたものではありました.でも一応当時カワサキ初のレーサーレプリカとか言われてはいましたが.
大型については空冷Zに続き主に北米でニンジャが好調であり,大型車にレーサーレプリカなんぞいらんというスタンスで,それでも実際国際耐久レースの規格や,鈴鹿8時間への対策などで徐々に重い腰を上げて89年のZXR750の発売につながるわけです.一方で,400ccクラスはどうなっていたかというと,こちらも85年に発売したGPZ400Rの好調があり,やっぱりカワサキにレーサーレプリカなんぞ要らんというスタンスが貫かれていたように思います.しかし販売店さんからはレーサーレプリカ作って〜なという要望は多く良さられていたようです.でもすでにレーサーレプリカの分野では他の3社に先行を許してしまっているばかりか,その中からホンダはCBR400Rというレーサーレプリカの路線から少し外れるモデルを86年にリリースするという様相になっていました.その結果今更カワサキがレーサーレプリカなんか出しても売れるんかいな?というのがユーザー,販売店ではささやかれ始めていました.そんな微妙な背景もあり,GPZ400Rの後継として発売されたGPX400Rが不振で,GPZ400Rを併売せざるを得なかった反省から,今更GPZ400Rに似たバイクを開発しても売れないということをカワサキも悟ったのでしょう.翌1988年にはZX-4なるレーサーレプリカと呼んでもおかしくないモデルをリリースするに至ったのです.しかしこのZX-4,乾燥重量152kgとそれまで最軽量であったGSX-Rを超える軽さなどエポックメイキングな側面を持ちながらもレーサーレプリカと呼ばせてもらえない側面を数多く持ち合わせていたのでした.
と,さんざん語ったところで,次回はその入手からです.