前回そろそろ大物をということで，気を持たせる感じではありましたが，要はキャブレターです．というのもこの車体のキャブレターは取り外すときから怪しさが満点なにおいがしていました．要はガソリンがタール化しているのがばらしてもいないのにプンプンしていたのです．もちろんバタフライバルブ，バキュームピストンの両方とも見事な固着っぷりで，これを何とかするのに時間を要していたというのもあります．
ちなみにバキュームピストンについては樹脂なのでCRCは使えず，ひたすらエンジンオイルを吹いては放置，少し力を加えてみて動かなかったらまた清掃してオイルを吹いて放置します．何度かやったところで全然効果がなかったので，まずはフロート室を開けてみることにしました．
まず１つあけてみたのですが，おそらく長時間かけてすこしずつガソリンがタール状に変わっていき，完全には固化していない状況に見えます．フロートカバーの内側のタールの厚みが薄いわりに，メインジェット，スロージェットの汚れ具合が半端ない感じです．でも腐食している感じではなく掃除すれば流用は可能そう．
４つ開けてみて，初めの一つがどうか特異例であってくれと願ったのもむなしく４つが４つとも均等な腐れ具合でありました．当然のごとくフロートバルブあるいは軸が固着しているのかフロートはびくとも動きません．少なくともフロートは一旦外してフロートバルブは交換して使えるようにはしておきたいところです．
まずはメインジェット，スロージェット，パイロットジェットなどを外して超音波洗浄を掛けました．これはIPAを入れて断続的に10分ごとON/OFFさせて10回ぐらいやったところ．見事に混濁しきったIPAではありますが，これでもまだ緑色のジェット類にぐったりします．案の定メインジェットもスロージェットも未だ詰まりまくりです．
で，ここらへんは化学的な清掃はある程度諦め，機械的清掃に切り替えるわけですが，結局コツコツ自分の手で磨いていくしかないわけで，時間を作ってなんとかしていくしかありません．一方，バタフライバルブとバキュームピストンですが，いつも使用している大きいほうの超音波洗浄器については４連のままだと一括洗浄はできませんので，キャブを４つにばらして２ケずつ洗浄していきます．その結果，バタフライバルブ，バキュームピストンともに数日の間，間欠的に洗浄して，すべてスムースとまでは言い切れませんが，何とか動くようになりました．しかしフロートについては未だ動きません．こりゃこまった．おそらくフロートバルブが中で固着して頑固に頑張っているんでしょう．でもそれをフロートバルブのシリンダごと摘出しようとしても，その上にフロートがあるのでねじが緩められず，分解はできません．
どうやらここらで手詰まりということになってきました．何とかしなければいけないのですが，少し長考に入らせていただきましょう．
