前回キャブレターをやって,そのまんま燃料系ということでタンク周りをやってそのまま火入れに突入と思っていたら,他にやり残していたところがありました.それはリアブレーキでして,実は保管場所が狭かったこともあって今の今までステップを含めて一度も車体に取り付けていなかったりするわけです.で,そのブレーキの状況はというと,マスター,キャリパーともに固着という状況.で,まずはマスターの固着をどうにかしようということで,分解してみました.
サークリッププライヤでここも固着していたサークリップを無理やり除去し,ロッドを外して,清掃したのち,オイルを垂らしてからピストンをカワサキ系の固着したリアブレーキマスターから摘出したいらないロッドのR部分をあてがってプラハンで軽くたたきます.でも全然動きません.なので今度は不通のハンマーでたたいたところピストンは少し奥に入っていきました.ここで,ピストンが戻ってくればいいのですが,そうはいかず,エアガンをつないでコンプレッサエアをマスターに入れても戻ってきませんでした.
で,もう少し奥まで叩いてというのを繰り返したところ,何度目かでコンプレッサーエアーで戻るようになりました.で,何度か繰り返してなんとかコンプレッサーエアーを入れなくても戻ってくるまでに仕上げたかったわけですが,7−8回繰り返してもあまり症状は変わりません.ピストンも抜けてきませんので,こうなると手の施しようがありません.ですのでこのマスターシリンダーはあきらめ,新たに調達することにしました.
購入したのは安価であったことからFZR400のリアブレーキマスターとキャリパーがホースでつながっているもので,まあキャリパーはおまけみたいなものです.で,マスターに固着はないということで購入したのですが,ダストブーツ を外したところが写真のような状態.元々はこれはグリスであったんでしょうけど錆なのか何なのか異物のオンパレードです.で,清掃したら結構きれいになり,摺動も問題なくなりましたので,あとはブレーキフルードが漏れないかどうか,車体につけて確認することになります.
次は固着しているブレーキキャリパーですが,程度を外観から確認したところ どうもあらたに購入したFZR400用のもののほうがよさそうです.でもそちらにはブレーキパッドがついていないので,まずは車体に元からついていたキャリパーからブレーキパッドを摘出します.結構パッドのベースプレートがさびていたりしますので,一応使いまわせるものかチェック.ギリギリ大丈夫ということで今回流用します.
で,FZR400キャリパーのほうも清掃し,一旦ピストンの側面をきれいにするため,車体に取り付けてホースをつないでエア抜きをしようということで,ブリードバルブを緩めようとしたところでトラブル発生.まあGPz400とかで経験済のことですが,ブリードバルブも固着していたようで,ぽっきりと逝ってしまいました.当然経験済なこともあり,細心の注意を払いつつ折れてしまったので,少しショックではありましたが,これはもうしょうがない.車体に元からついてきたキャリパーを使用することにします.幸いにもおまけでついてきたものが使えると思ったのですが,そう甘くはなかったようです.
結局元の固着していたキャリパーを取り付け,一旦エア抜きをしてピストンを片側ずつ思いっきり前に出してピストン回し工具で回転させて側面を磨いていきます.元々パッドが分厚いまんま放置されていたのでピストンの側面の汚れはそんなでもなく,ちゃんと綺麗にできました.両側ができたところでピストンの出し入れをしてスムースになったのを確認して,パッドを仕込み,再びエア抜きしてタッチを確認して終了.
まあ,固着との闘いということで,キャリパー,マスターシリンダー共に一勝一敗ということでしょうか?それはそうと,このヤマハのリアマスターって,ブレンボの設計のもののようですが,固着しているケースが多いですね.キャブレターがMIKUNIなのも含め,どうも少し放置すると深刻な状況に陥りやすいような気がします.こんなことで少し車体の寿命を縮めてしまっていることが原因でヤマハの旧車は数が少ないんでしょうね.