キャブがオーバーフロー(その1)

この秋はあんまり乗る機会のなかったGPZ1000RX.冬になってちょっと調子を崩してきたようです.ある朝,1000RXに乗ろうとエンジンを掛けました.エンジンの掛かり自体はそう悪くなかったんですがしばらくするとかぶり気味になって,ついにエンジンが停止.無理やりチョークレバーをいじりつつセルを回してエンジンを再び始動することに成功したんですが,どうもガソリンくさい.

かぶったんだから多少ガソリンくさいのは当たり前と思って念のため車体の周りを見てみると,オオオオッ!ノォ〜!ガソリンダダ漏れ!

で,どこから漏れているかですが,1000RXの場合はフレームに隠れてキャブ周りが見通しにくいので,こういった場合はとてもトラブルシュートに手間がかかるんです.一応キャブの周りからの漏れが一番激しいことをチェックして,その日は別の用事があってあとは作業する時間もなかったのでそのまんまガソリンが乾くのを待ってからバイクカバーを掛けてひとまず我慢.

で,その次の週末にとりあえず作業です.オーバーフローの原因についてはエンジンを止めるとガソリン漏れが止まるのでガソリンコックが原因ではないことは間違いないということで,とりあえずキャブの清掃をしてみようということにしました.で,ひとまずタンク,エアクリーナー,キャブをはずします.今回キャブのフロートバルブ周り,しかももともと2,3番がかぶり気味だったこともあり,そこらへんを集中的に清掃することにしてとにかくフロート室を空けてみます.

一応1-4番すべてのフロートバルブを外してみたんですが,フロートバルブのテーパ面に大きな傷があったり,バルブシートのあたりにごみが乗っかっていたりはしていませんでした.2,3番についてはフロートバルブそのものもチェックしたんですが,異常なし.それでもフロート室内の汚れやスロージェットの穴の面積が若干減っているように見えたので,そこらへんも清掃しました.

で,そこで試運転したところ,がっ!またオーバーフロー.このまま脱力のまま日没のため作業は翌日に順延と相成りました.う〜む,直ると思っていたのに再発してしまいショック〜.

さて,その翌日です.原因は何かをとにかく考えに考え抜いてやはり原因はフロートバルブであろうということで,今度はちゃんと漏れの箇所を確認してから作業することにしました.ひとまずサイドカバーを外して見通しを良くしてエンジンを掛けます.その結果,漏れは3,4の間のブリーザから流れ出てきています.ということは3,4のいずれかのキャブからオーバーフローしているということ.で,エアクリーナーを外したところ4番キャブのエアクリ側がずいぶんと濡れています.

う〜ん,2,3番と思い込んでいたのが4番だったなんて.ということで再びキャブを外してひとまず4番のフロート室を外します.で,フロートバルブを外して見ると,むむむっこりゃプランジャが短くないかい?そうなんです,プランジャが戻りきらない状態になっているではないですか.で,プランジャをしこしこ押しながらフロートバルブをキャブクリーナーで洗っていると中から黒いススのようなごみが少し出てきて,プランジャがちゃんと出てくるようになりました.

加えてフロートバルブシートの部分を覗いてみると0.3mm大のごみが1つありました.これもフロートバルブにはよろしくないわね〜ということで綿棒などを駆使して除去.綿棒の先には結構な黒い変色が見られたので,こりゃたまらんということで,1〜3番についても同じく綿棒でお掃除.

さて,キャブはきれいになったので再びキャブ,エアクリ,タンクを組み付け始動.ガソリンコックをプライマリの位置にして15秒程度待機,ONの位置にしておもむろにセルを回します.エンジンは難なく始動し,しばらくしてもオーバーフローもありません.どうやら成功したようです.

ただ今回は思うところあって試運転はお預け.ここはその理由も含めて次回のご紹介でございます.

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