なぞのスラッジ(2)

前回のキャブのお掃除から約3ヶ月.1000RXの調子はというとおおかたの予想通り徐々に絶不調になる一方.まあ,大体予想していたのでそんなに驚かないのが私のいけないところなんですが,一応他の問題だったらいけないので,以前一度やったイグナイタ交換なんぞをやってみたんですが一向に効果なし.となればやることはふたつ.タンクの清掃と,再度キャブをお掃除することです.そうとわかったら即作業...といかないのも私の悪いところ.実はタンクがそう決めた時点では満タンで,移し変えるのも面倒なので,少し走ってからと伸ばし伸ばしにしてきていたのです.その上,その対象となった車両が調子が悪いわけで,なかなかガソリンが減らない.そのため,思い立ってから約2ヶ月がたちようやっと重い腰を上げて作業開始にたどり着いたのでした.

作業を開始したらあとは早いのがとりえですが,また前回のようにキャブを外し,今度はドレンを緩めることなくフロート室を下向きに緩めます.多少ガソリンが手にかかったりしますが,ドレンを緩めてもどうせ出てこないし逆さにしたら今度はスラッジがキャブの中に散らばってしまうかもしれないので,今回この暴挙に出たというわけです.で,写真で言うとましなほうが4番です.ひどいのは3番.やはり燃料ホースのつながっているところに近いほうがひどくなっていまして,上流であるタンクから徐々に蓄積して行ったのが手に取るようにわかります.こういったのを長期放置すると,水とガソリン中の硫黄分が反応して,硫酸イオンを生み,フロート室自体を溶かしていくことになるわけで,本来ならば一刻も早く作業に取り掛からなければいけなかったのに...と今さらながらの反省です.ちなみに3番の汚れ具合はかなり深刻で,メインジェットが半分以上もこのスラッジに使っている状態でした.こうなるともうフロート室ばかりかメインジェットまで溶かしてしまうことになるわけで,こりゃもう大変っちゃ大変な状況なわけです.(他人事かい!)

そんな具合ですからメインジェットの外観は相当な汚れ具合.穴も同じく相当な詰まりようで,4本中3本が詰まっていました.前回一応汚れは取っておいたのですが,その後長らく放置したために内側に一部固着した汚れもあり,これを除去するのがまた大変なこと大変なこと.銅線でしこしこ穴を貫通させたら,超音波洗浄にかけて,その後もう一度しこしこやって最後にもう一度超音波洗浄という工程を踏んで万全を期します.

また,今回はスロージェットも同じく詰まっているものがありました.これは少し穴が詰まりかけという状況で少しだけ明いていたので,とりあえずアイドリングや低速時にもまったく走らない状況にはならなかったんでしょうけど,もう少しで全閉状態になるところでした.フロートバルブも結構まずい状態で,中に水が入ってしまっていました.そのためプランジャが戻らないものもあったりします.フロートバルブシートについてもスラッジが付着していて,これでは少しずつガソリンがもれてきてもおかしくない状態です.ニードルも先端付近にはジェル状になったスラリーが付いています.上回りを外して全部清掃です.

いろいろなところを見れば見るほど汚れがひどいので,ジェット類,ニードル,フロート部品などを外して穴という穴にキャブクリーナーを噴射してエアーで飛ばします.キャブレターの様子をここまで見てきて,あまりにもひどいのでこのまま終わらせるわけにはいかなくなりました.そうなんです実はこの時点までまだタンクはやらなくても...なんて思っていたのですがこれで迷いが吹っ切れました.ということで次回はタンクでございます..

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