なぞのスラッジ(3)

さて今度はいままでなかなか取り掛かれなかった(取り掛からなかったともいう)タンクをお掃除です.この時点でタンクはもう外してしまっている上にガソリンも残り4リッター程度.一応ガソリンの色を見ながら使える分は一旦ガラス容器に移し,汚れ具合を見た後に携帯タンクに移し替えます.で,残り1.5リッターぐらいになったところで残念ながら灰色の分離層が現れはじめましたで,引き続き捨てる手はずでガラス容器にコックからとろとろと流し込んでいきます.

コックからほとんど出てこなくなったところでコックを外します.するとコックはストレーナーの本体はいいのですが,ストレーナーの中に灰色の液体が入っていてなかなか出てきません.ストレーナーを抜くとコックの本体にはスラッジが至るところにくっついています.お〜お...と言葉にならない言葉を発しながら,ガソリンが乾いてしまうとこれらが固着してしまう恐れがあるのでさっさと清掃.分解してゴムパッキンの周辺や流路を綿棒とパーツクリーナとエアで代わりばんこに清掃します.一応ここには詰まりのようなものはなく,特に固着したようでもなかったことからそうダメージは残っていないでしょう.ということでコックの清掃は終了.

で,あとはタンク本体に残ったスラッジをどうするかですが,まだコックを外してからも少しずつ出てきますので,これをタンクをシェイクしながらいわば自然に放出します.ほんとここんところ毎回地球にやさしくないとお叱りを受けそうですが,なにとぞご容赦を...しかし,さして若くもない体で体力の続く限りタンクをシェイクすること約25分.まじで腕や腰や足がすべてガクガクになるまで振り続け,ようやっとスラッジのようなものが出てこなくなりました.が,この時点で実は私の想像以上の量が出てきて少しびっくり.これはもとからあったものなのか後になって溜まったものなのか確証が得られない限り,本当の解決とは言いがたいわけで,こりゃまた悩ましいわ〜.

まあ悩んでいてもしょうがないので,あとは灯油を入れて同じくガラス容器に落としていきます.何度かやって汚いものが出てこなくなったら,また灯油を抜いてエアで乾かします.中からシャカシャカ聞こえなくなったら,念のためセンサーを外します.で,案の定センサーにも少々スラッジというかスラリーというかそんなのが付着しています.もう既に乾いてしまっているのでまた灯油にどぶ付けして清掃.あとはタンクにこれらを取り付けて,キャブ,タンクを車体に戻して作業は終了です.


試運転ですがこのケースの場合直後の試運転は全くといっていいほど意味がありません.それでも一応試運転をしたところ調子は元に戻っています.そしてこのレポートを書いている3ヶ月経過時点でもその調子は変わらない点を考えると,以前キャブのみ清掃したときより効果はあったようです.

ところで,なんでこんなスラッジやスラリーのようなものが混じった水が出てきたのか長々と考えてきましたが,一点だけ怪しいのが有りました.それは近所のスーパーで88円だった格安水抜き剤.安いのをいいことに何本か買いだめし,一冬ごとに1/2本のペースで投入してきたのですがどうやらこれが大外れだったようです.まあ水抜き剤といえばその内容はIPAだったりするんですが,古いものだったり変な混ぜ物があるものはちゃんとガソリンと混ざり合わず特にバイクの場合はキャブレターにたまり悪さをすると聞いたことがありますが,それではないでしょうか?いや,それに違いない.というわけで今までやはり走行距離が伸びない状況を少しでもカバーするためこまめに水抜き剤を入れてきましたが,今後はちゃんとメーカー品を入れようと心に誓った私なのでした.

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