タンクからガソリン漏れ

しばらく調子が良かった1000RXもまたまた調子が悪くなってきました.なんだか半年に一度は必ず調子が悪くなってしまうのがちょっと不甲斐ないのですが,もう車齢からすると仕方がないなんでしょうか?なんて思いつつまずはトラブルシュート.

症状はというと,とにかくかぶり易いということ.特に信号待ちのときにだんだんエンジンの回転が落ちてくる.走り出すとそうでもないのですが,これが何度も何度も繰り返されるとカブリ癖が付くのかだんだん低速では走らなくなってきます.それに加えて,燃費がすこぶる悪い.このガソリン高騰の世の中で,100km走らないうちにリザーブになってしまいます.乗っているときも,停車中もガソリンくさいのでどこからかガソリンが漏れているかオーバーフローしているのかと思いますが,これでは走り回る気持ちになかなかなりません.

で,しばらくしてから車体の周りを確認しますが,今度はガソリン臭くない.なんで?と思ってまずタンクを外してみたら,あららら?すっからかん.どうやらガソリン漏れで,ついにタンク内のガソリンが全て流れ出してしまったようです.とほほほ.

ガソリンがずべて流れてしまった状態では,どこから漏れているかを特定することが出来ません.無駄だと思いつつ9Rからガソリンを少々移し変えました.どこからということで一番疑っていたのはガソリンコックです.でも今回フューエルホースをつけないでいてもコックからのガソリン漏れは見受けられません.でもなんだかガソリンくさいのは間違いなく,再び漏れが発生しているのは明白です.しばらく見ていてもガソリンの滴りはコックからは見受けられず,どうしようかな?なんて思っていたのですが,ふとタンクの裏側を触るとなんとひんやり.ガソリンです.それもコックの取り付いている付近.

要はコックからは漏れていなかったのですが,その付け根のパッキンがだめになって漏れてきたというもので,これは初体験.今まで中古のコックを取り付けたときでもよっぱどだめになっていそうなときは,ここのパッキンを交換していたのですが,今回はもともとついていたものをそのまま利用していたのでついぞ見落としていました.それにコックのここから漏れる場合はコックを伝って下に滴る筈と思っていたのですが,これが極少量ずつの漏れであったためにじみ程度の漏れ量で,それがタンクの裏を通じていわばほとんどが気化していたという状況なのでした.

これで全ての謎は解けました.燃費が悪いのはガソリンが漏れていれば当たり前のこと.停車時にだんだんカブリ気味になるのは,だんだん停車時にガソリンの気化した空気がタンク下のエアインテークに流れ込み,キャブの気化分を合わせると徐々に濃くなっていくメカニズムによるもの.これはあかんわ.

ちなみに今までつけてきたコックは実はGPZ900Rのもの.1000RXのものと900Rの違いは外観はほとんど違いはないのですが,ガソリンが流れ出すホースが900Rはコック向かって後ろ側に出ているのですが,1000RXの場合は向かって右側に出ているのです.なぜこのような違いが有ることがわかっているかというと,既にこのコックを入手済であったりするからなのです.このコックもかなり以前に入手したものなのですが,いつの日かちゃんとしたコックに換えよう換えようと思いつつ今の今まで掛かってしまったというものなのです.

既にこのコックを入手済みであった理由の一番はこの違いではなく,もう一つの大きな違いに起因しています.というのはそのリザーブの高さです.1000RXのこの高さに比べ,900Rのものは2cm程度高く,そのためにうちの1000RXは残り8リッターぐらいでリザーブに切り替えなくてはならず,実質的なリザーブにはなりきれて居ない状況なのです.

そうと決まれば早速この中古コックのリファインです.といってもダイヤフラムは使えるかもしれないので,掃除がてらノブの内側のパッキンと,取り付けフランジのパッキンを交換し,コックを入れ替えます.ちなみに今回ついでにフューエルフィルタをつけました.今回またスラッジの影響というのは皆無だったのですが,また発生したときにすぐさまキャブに行かないようにしたわけです.それにしても,ガソリンの出口がタンクの覆いかぶさった車体後ろ側に出ているのでとってもはめにくいです.ニンジャ用を取り付けていた頃のほうがかえって作業性は良かったような気がします.ここらへん何を考えて設計したんだか...という感じです.

で,コックの交換自体はすぐさまに済んでしまい,まず試運転ではなく漏れチェック.直後の漏れはもちろんなく,1週間の放置後も問題はありません.ここで初めて試運転と給油です.パワーはほぼ戻っています.信号待ちでも回転が落ちることはなく加速も寸詰まりではありません.ガソリンスタンドではコックの耐圧を試験する目的でのレギュラー満タン攻撃です.結果として1週間後に車体周りは全くガソリン臭くなく,もちろんタンク内も満タンのままでした.

まあタンクのこんな不具合モードはあんまりない例なのかもしれませんが,今回はまたほんとうはキャブなんじゃないの〜?とかなり疑ったのですが,キャブを触ることなく正解を見つけることが出来て本当に良かった.しかしガソリン漏れを少し長い間放置したため,タンクの塗装への影響が心配なのと,高額なガソリンを垂れ流してしまったところがとても悔やまれます.皆さんも少しでもガソリン臭ければあきらめずにトラブルシュートして,原因を見つけてちゃんと修理しましょうね〜.

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