恒例のブレーキホース

ブレーキホースは先述の通り,3つ又のところまではステンメッシュなんですが,その下は純正のゴムホースです.これでは20年以上前のゴムホースの部分比率が高すぎて十分なストッピングパワーを伝え切れません.やっぱりステンメッシュに換えざるを得ないでしょう.

ということでもののほうは入手済み.ニンジャ前期型用のものを既に幾分お安くゲットしてあったのでした.まあ同じ取り合いならば忍者純正が使えるものと踏んで,前回の1000RXのときのオリジナル,今回はこれを利用してフロントのブレーキ周りをサササッと片付けてしまおうと言う手筈なのです.

で,早速の作業です.マスターから分岐までのホースは難なく取り付け出来ました.少し長いかな?という感じですが多少取り回しを工夫して,問題なし.お次は分岐からキャリパーまでのホース.ここで問題が発生,というか発覚.実はハンドル高さ以外は完全に一緒だと思っていたニンジャとGPZ1000RXのブレーキホースの長さですが,どうも分岐からキャリパーの距離が微妙に違うみたいで,お互い届きません.一応分岐部のバンジョーボルトを通す順番を工夫したりしてみたのですが,どうも無理そう.う〜む,こりゃ困った.

ということで,早速家の中に戻り,適当なホースを物色.ステンメッシュのブレーキホースについては今まで色々なものをキャリパーと一緒に手に入れたり,誰も入札しないような半ジャンクや長さの中途半端なものなどをストックしてあるのですが,これらがそろそろ10本になろうとしています.クラッチのときは丁度その長さのもので新品(未使用品)があったからそれを使用しましたが,決して健常体のホースばっかりでないところが,こういったところでも悩ましいところです.そうこう悩みながらなんとか候補を見つけました.以前クラッチホース用に入手した片側のフィッティングからオイル漏れありの120cm以上のものがあったので,これを使うことに決定.要はクラッチケーブルについては今回の1000RXで使用したものがもう1本あるので,この次の車体(おいおい)でもそれを使えば良いかな?ということで,120cmのホースは切り刻まれて使用されるのが流用もしやすいというもの.オリーブだけを新品に入れ替えれば,何度かは使い回しができる点がこういった場合はとてもありがたいものです.

さて,長さについてですがどれほど長く作ればよいかと言うことになりますが,これは10mmも長ければ良いみたいです.ホント微妙な長さの違いで,こんな手間が生じるのは結構精神的にもダメージがでかかったりするんですよね.とまあ,落胆していても仕方ないので漏れのないほうを起点として長さをあわせ,ホースをディスクグラインダでぶった切ります.端面を美しく整えたらこっちの作業はひとまず終了.漏れがあるほうは結局フィッティングに割れがあったので,この部分を使うのはあきらめて,もう一本このホースから短いのを切り出しておきます.

もともとのホースの1本だけをまずフィッティングを分解し,ホースをぶった切って後ろからホースのカスとオリーブを叩いて出すという荒療治をしてフィッティングを2ケ取り出します.この1ケを新しいオリーブを使い,先程の元々ついていたフィッティングの1方に残っているホースに取り付けてとりあえず1本出来上がり.もともとの短い1本と比較して,丁度10mm強長いのが出来ていることを確認.

お次はこの比較で使ったホースを前述のような荒療治でフィッティング取り出し.先程長いのから切り出しただけのホースにまた同じ手順で両端を取り付けておしまいです.同じ長さの先程よりちょっと長いホースが完成です.これにスパイラルを巻いてホースの改造については終了.う〜む,簡単に書いているけど結構神経が磨り減る作業なのね,これが...

さて,完成したばかりの短いホースをもって屋外の作業中の車体に駆け寄り早速取り付け.取り付け自体は非常にスムースに進み,取り付けには問題なし.あとはエア抜きですが,これも最近このアンチノーズダイブ付きにも慣れてしまって,結構速いスピードで仕上げてしまえちゃってます.今回も20分というスピード仕上げ.

こりゃちょっとつまらんなということで,今日はリアもやっちゃいましょう.ということで,先程フロントの作業の時に取り外した3ツ又までの間に使われていたホースをそのままリアに移植しちゃいましょうね〜.これは長さがまるで計ったかのようにドンピシャです.フィッティングの向きも全く問題なしで,まるで最初っからリアにつけるためのものであったかのようです.あとはエア抜きです.実はこの1000RXのリアのエア抜きが結構苦手だったりします.前回の1000RXのときは,このエア抜きが中途半端で,リアブレーキが実質死に体になってしまったことが有ったんですが,今回はそれを気にして,念には念を入れた作業を行いました.前回はことごとくエアの抜けが悪く,なかなかカチッと反応してくれなかったのですが,今回はそのレベルになってからとある工夫をして完璧にエアを抜いていったのです.

さて,その工夫とは何かということですが,これはフルードの流れるスピードです.エア抜き中のフルードというのは絶えず流動しています.しかしその中のエアは軽いのでホースの高いところに留まろうとします.これを絶えずフルードが速度をもった状態で流動することによって出口側のキャリパーにエアを追い出してやるという戦術です.

実際やることを端的に言えばリズミカルに必要量だけブレーキペダルを操作し,リリーフバルブの開閉も間髪いれずに行うというもの.絶えずホース内をフルードが流動している様を想像しながら作業するので,思ったところでエアが抜けてきたりすると,少し感動的でもあります.ということで,リアでも十分にカチッと聞く状態を確認できたらそこら辺を片付けて作業終了.

まあ,1000RXとニンジャにこんな違いが有るなんて初めて感じましたし,1000RXのリアのエア抜きはとにかく大変だけども,何とか方策が見つかって,実を結んだと言うことですね.あ〜,ちゃんと計画したのに無計画な報告だこと...

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