チェーン,スプロケット

順調そうに見えて,様々な部分が未だ未完成な1000RXですが,今回直前までどうしようか悩んだのがスプロケットでした.車体を組む時点であらかじめエンドレスチェーンを入れておけばよかったのですが,車体を組んだときにはまだ全然チェーンに関する部分が確定していなかったため,あえてチェーンを入れずにリア周りを組んだ経緯がまさにそれを物語っています.

前回はチェーンはまだ入手していなかったものの,車体を組む時点では明らかな方針が出来上がっていました.それはドリブン側のスプロケットにあらかじめ530コンバートのAFAMがくっついていたためです.あとはニンジャ用のオフセットドライブスプロケットと530チェーンを入れて530コンバート仕様を実現したわけなんですが,今回は車体には632の40丁スプロケットが付いていて,あるのはそれだけ.そういえば前回いろいろなパーツのダブりの中で大混乱し入手した632のチェーンがあったはずですが,これはもうパーツの中に埋もれてしまって行方不明なので,忘れてしまいましょうかね.

で,とどのつまり632ではなくやっぱり530コンバート路線で行きたい私であったのです.で,ドライブスプロケットは順調にニンジャの10mmオフセットを入手してしまいました.で,チェーンについても今回は中古ですがかなり程度の良いシルバーのシールチェーンを入手してしまいました.ここまではすこぶる順調だったのですが,ドリブンスプロケがなんとも今回は鬼門となったのです.

まず狙ったのは前回と同じく1000RX用の530コンバートのAFAMあたりのスプロケットです.しかし,1000RXに乗っている人自体が純正の足回りで乗り続けていること自体非常に稀有となってしまったこの時代にそんなのが頻繁に出品されることもなく,1ヶ月以上待っても全然出品されず.次にAFAMのお値段を調べましたが,まるで目ん玉が飛び出そうなお値段.これなら1年ぐらい待ったほうがまし.そして他の車体向けのものが利用できないかと模索したのですが,これがまた1000RXの530コンバート用のドリブンとなると唯一無二の存在らしく,メーカーごとのリストを片っ端からチェックしても全然流用の気配なし.

次は何か他の車種用のものを追加工で何とかならないかを模索します.まず,ZZRあたりはどうかな?と思いましたが,内径もネジ穴径,ピッチも違います.ZX-10も同じような感じ.出来れば内径はどんぴしゃか少し小さいものをセレクトして,どこかで削ってもらってあわせようなんて考えておりました.ちなみに1000RX純正は内径は135,ネジ穴は13(M12バカ穴)x6ケ,ピッチ円は160でした.

で,良く考えたらニンジャのはどうなのよ?ということで確認したところ,内径は130,ネジ穴は11(M10バカ穴)x6ケ,ピッチ円は同じでした.ここで一考.内径というのは万が一ネジが緩んでもここがハブ側とあたることでスプロケットの偏心,脱落を防ぐ機能があると思います.偏心は乗り心地にも影響しますで,極限までとりたいものです.しかし一方の脱落については最高速チャレンジなんかを考えれば,この内径で支えるという機能はあったほうがいいという程度で,単なるバカよけにしかなっていないはず.ちゃんとネジを締めればいいし,ネジの力が逃げてしまうアルミスプロケなんかだと問題ですが,純正で使われている鉄の場合はそんなネジが緩んで動いてしまうようなことはないはず.このネジの緩みと,偏心の問題が何とかしてクリアできれば,ニンジャのスプロケットが使えるのでは?とかなり無理な思考をめぐらせます.

というのも,うちの在庫の中にニンジャの49丁スプロケット7分山というのがころがっているのがはっきりしたから.もう目の前にものがあるとなると,なにかに付けて自分の考えが贔屓目に感じられていけません.でも,やってしまうことにしました.内径はそのまま2.5mm隙間のままで,ネジ穴径M10用をM12用の13ではなく,12.1mm狙いとすることにしました.12.1mmということになると,片肉分最悪0.1mmの隙間となりますが,実際のスプロケットとホイールの隙間を計っても最悪その程度の隙間が開くように設計されているようです.というのは,両方の加工精度が所詮そんなものだからです.特にスプロケットの内径と言うのは薄いものの切り出し内径なので,そんな厳しい公差を入れられないんでしょうね.それにあんまり厳しい公差を入れると,ショップの交換工程でよっぱどうまくはめ込まないと最悪組めない場合が出てくるでしょう.ということで12.1mmの穴径にM12のスタッドボルトがズリズリ入っていくことで,偏心はほぼ純正状態と同じ程度に収まる踏んだのです.

ということで,ボール盤でしっかり位置出しをしてスプロケットを固定して6穴を個々に12.1mmのドリルで拡大していきます.鉄のスプロケットだけあって,なかなか固い上に径も大きかったので時間を要しましたが,なかなか綺麗に穴あけは終了.こんな加工ボール盤でやってしまうなんて一体どういう神経なんでしょうね私って.皆さんは真似しちゃダメですよ.ちゃんとプロのひとにお任せしましょうね.

さて,取り付けです.リアのホイールを外して,スプロケットの入れ替えからです.心配していた拡大穴のピッチですが,手間を掛けただけあって,結構ギリギリの隙間,または当たり具合で6本のスタッドボルトが貫通して,なんとかほぼガタなく装着することが出来ました.一応ピンを挟んでみましたが,90度方向4箇所でそれぞれのスプロケットの内径とハブの肩の隙間で計算どおり2.4-2.6mmとなっておりました.う〜む,絶妙.チェーンは購入したものが,カシメとクリップ方式の両方に対応していたものだったので,今回も迷わずクリップを購入,クリップで112リンクにしておきました.

あとは肝心の乗り心地ですが,今回はまだ公道走行は不可.乞うご期待なのでした!

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