ブレーキ周り(その1)

車体の取り回しはいくら軽い9Rであっても早く動かしてちゃっちゃと作業するためにはブレーキの有無でそのスピードや体力的なものも変わってきます.ということで早目にブレーキを何とかするのはある意味セオリーとなっておりまして,今回はそれです.

まず部材の選定ですが,フロント,リアのキャリパーとリアのマスターは一括購入の時にまとめて9R用を入手済なので,それを使用します.ホースは今までよくやっているように長さ,角度などが合えばそれをそのまま,もし長ければひっつめてオリーブのみ交換という方法で,これに供するホースは候補がすでに複数ありますので,これも改めて購入する必要はありません.唯一フロントのマスターシリンダについては9R用が手持ちにない状態です.で,何かしら9R純正でもそうでなくても9Rにふさわしいマスターはないかヤフオクを徘徊していたところ,セミラジアルのマスターが,なにやら特殊なホースと一緒に売られているではないですか.即刻興味が赴くままにそれを落札.流石にちょっと無計画すぎるかな?と思い,いろいろ調べたら,MV AGUSTA BRUTALEあたりのものらしく,別体であろうと思っていたリザーバータンクがさも一体であるかのようにマスターシリンダーの上にちょこんと載っていて,今回の出品物にはそのリザーバータンクが見当たりません.

モノとしてはNISSINの製品なので部品で売っているかなと思ったのですが,どうもこの設計がMVアグスタ専用設計らしく,タンクのみはどうも買えないようです.そのせいかよくよく探してみたら,このタイプのマスターシリンダーは常に2〜3点が出品されており,その多くはこのリザーバータンクがなくなっています.要はリザーバータンクが破損したらマスターシリンダー本体はごみになってしまうというのがこのパーツの悲しい現実の様です.ちなみに到着したものを見てみると,NISSINの別体のもので良くあるようにリザーバータンクからのホースを受けている丸いカップの内側にサークリップの溝などが無く,これではちょっとした力でリザーバータンクが吹っ飛んでしまいます.

これを設計ミスといわずしてなんというか?と思いつつMVアグスタの無茶振りに”どうなっても知らんで〜”という感じで設計してしまったんだろうなとか想像しつつ,対策を考えました.でもマスターシリンダー本体に追加工をして,サークリップ溝を作ったとしてもそれにあう形でフランジを用意しないといけないですし,結局一体で出来るはずのものを別体のタンクを取り付けてというのもとても無駄な気がします.

この検討にZXR750のマスターシリンダーを取り出してきていろいろモノを見ながら思案したのですが,よくよくZXR750のマスターシリンダーを見たら,結構程度が良く,これならそのまま使えるかも?ということでひとまずMVアグスタのマスターシリンダーはあきらめ,ZXR750の流用で行くことにしました.ちなみに一緒に買ったホースももしかしたら9Rで使ったら格好いいかもと思ってはいたのですが,結局2分岐以下の長さが足りないのと,直接キャリパーねじ込み式のフィッティングがトキコの6ポッドに合わず,こちらの流用も断念.こういった形で流用先のないパーツがどんどん増えていくのはもっとも避けるべき事態なのですが,配慮のない即断即決が今回も墓穴を掘ってしまいました.

さて取付です.パーツを並べてみて,ちょっと長さがちょうど合うホースの被覆が少し黄ばんできているのが気にはなりますが,まあ使えればいいでしょうということでノミネートしてみました.グリップについては左側が一括入手したハンドルバーから除去されていたので,調達せざるを得ず,最安値で売られていたのを左右セットで購入.まあ一括購入の対象車両が10万km超えを果たした車両であったので右についていたグリップの摩耗もかなり進行していたので,これはこれで新品投入に悔いなしなのであります.

ホースの取り回しについては,今回の2本のうち1本がマスターからキャリパーに届く長さのモノでちょうどよいものが見つからず,少し短くてもいけるように以前ニンジャで一回やってみたスズキ方式の取り回しにしました.こうすればレーシーな雰囲気(←死語?)も醸し出せますし.9Rの場合はエア抜きが大変だったとしてもがまんできそうなので.ただやっぱり1本だけ黄ばんできているのは気になるなぁ〜.

エア抜き自体はとっても順調で,ごくごく短時間のエア抜きで半端ないカチッと感が得られました.以前のニンジャがアンチノーズダイブの分岐を含んでいたから手間取ったのか,今回は左キャリパーまでは1本道であったのもあってエア抜きの工程のなかでクシュクシュやり始めて3分もしないうちに例のビオレを外してしまっても良くなってしまい,なんだか拍子抜け.

なお,リザーバータンクはハンドルクランプに適当なステーを自作して取り付けて,新しいグリップもつけてひとまずの記念写真.でもこれだけでは問屋が卸してくれないですよね〜.というわけで続きは次回.

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