いきなりフォークですったもんだ(その1)

前回部品が集結し、もう後は組むだけ〜と表面的には見えたと思いますが、最後に匂わせたとおり、一筋縄でいかないところが依然満載なのでありました。まず一番の大物が、ホイールがC型であるということ。それも前後。

私も以前E型のレストア時、比較的入手しやすかったC型のパーツが流用できないか検討したことがあります。実際外観を見ると、フロントカウルは2灯と1灯の違いがあるものの、サイドカウル、アンダーカウル、テールカウルなどは共通であり、ほとんど変わっていないように見えます。しかしC型とE型には微妙にとは言い難いレベルの差があるのです。まず、フレームがC型はシートフレーム部が一体なのに、E型では分割式になっています。また、足周りにおいてはE型のアクスルシャフト、ピボットシャフトなどがことごとくC型より太くされています。恐らくハイスピードコーナーリングの安定性などを狙って改善されたものと思われますが、私がC型の足周りとE型の違いを認識できるレベルの走りは一生しないと思いますので、できればC型のホイールを使いたいわけです。ということで今回はそのフロント側のトピックをご紹介することにいたしましょう。

で、どんなパーツを入手しているか?ということになりますが、前回の大量パーツ購入の中で足周りはほぼなく、実は前回のE型レストア時に入手したパーツでなんとかしようと考えていました。その入手したパーツというのが、

・E型の曲がりありフォーク1本
・C型の曲がりありフォーク2本
・E型の曲がりなしインナーチューブ2本

となります。ここで勘の鋭い人は、当然C型のボトムケース+E型のインナーチューブで2個1だよね!ということになると思います。私も当然それが簡単にできるものと思って安易に購入に走ったわけです。で、買ってしまってから埋もれてしまっていて、具体的にどうするかは当時決めていなかったのであらためてそれぞれのパーツNoを調べたわけです。

すると、ことごとくスプリングやカラーなど含め、フォークのインナーパーツの型番がCとEでは異なるわけです。で、よく見るとどうもCとEでフォークの長さが違うようです。パーツリストを見るだけでは、それが何mm短いのか、どの部品がその差を吸収しているのか知る由もありません。手元にあるので長さを計ろうにも、E型のう〜む、こりゃ簡単に2個1が出来なさそう。でも何にもしないで新たに高いパーツを買っては渋ちん一番星の私の名が廃る。ということで、ひとまず曲がりありフォーク3本をばらすことにしました。

さて、作業をとある週末の午後から開始したものの、ばらすにあたって一番苦労したのは、ボトムケースを止めているボルトを緩めた後、曲がってしまったフォークのインナー部品をどうやって外すかという点です。C型の1本は曲がりはほとんどなく、少しスプリングを抜くときにインナーチューブのエッジに擦れるかなという程度で、他は通常の手順ですんなり抜けてくれました。もう1本のC型フォークは、結構な曲がりで、トップを緩めてまずフォークトップとインナーのシリンダーロッドを止めているナットを緩めることができるまでインナーチューブを押し下げるのが大変。結局古いオイルシールは変形しても構わないということで少々力を入れて押し下げてなんとかナットを緩め、スプリングなどもインナーチューブのエッジに強く当たるのを許容しながら少しずつ抜きました。奇跡的にスプリングとインナーシリンダーのロッドに曲がりは発生しておらず、このインナー部品はなんとか使えそうで一安心。

次に曲がりの一番大きなE型のフォークをばらしていきますが、これが、もう全然ダメ。もともと短いのと曲がりが強いのもあって、スプリングがインナーチューブの中でびくともしません。そのため前述のナットにスパナが掛けられず、このままではばらすことが不可能です。さんざん悩んだ挙句、仕方がないので曲がったインナーチューブをグラインダーで切断して、なんとかスプリングを抜き、インナー部品を取り出すことができました。でも結局グラインダーの砥石が中にあったスプリングにも接触して少し削ってしまったり、インナーシリンダーのロッドが曲がってしまったりしていたので、ばらしてはみたものの結局このフォークから流用できる部品はせいぜいボトムケースぐらいということになってしまいました。

まあ、このフォークからの部品の流用はできたらいいな程度にしか考えていなかったので、ここでやるべきは各部品の違いがどこに生じているかです。ボトムケース自体はほぼアクスル径の差分ぐらいの差しかなく、長さや内側の形状もほぼ同じです。余り曲がっていないC型インナーチューブと以前入手した曲がっていないE型チューブを比較すると、ちょうど30mm長さが違う(E型が短い)ようで、これをインナー部品のいずれかで長さを吸収していることなります。

とまあ、こんな感じでひとまず手持ちの部品を観察できるところまで来ましたが、どのように結論付けるかは少し悩んでみることにします。ということで続きは次回。

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