不調の原因追求

車検の道すがら予期せぬ不調があらわになった我が9Rですが,まずは原因追求をせねばなりません.原因追求の常套手段としてはひとまず試走しまくるということになりますが,これがとにかくストレスたまるわけです.

だって,ピックアップも鋭く,乗車姿勢もいやおうなくやる気にさせる9Rにまたがっているのに,何が悲しくて60km/hでまるでリミッタがかかったように加速をやめてしまうわけです.アクセルを開けて2秒後には速度が頭打ちってあんたそりゃないわ〜!ということでストレスに負けず一刻も早い解決が必要なのです.

まあ,感情的になるのはこの程度にしておいて,冷静に分析してみるとどうやらエンジンの回転数やアクセル開度はまったく関係なく55-60km/hになると不調になります.それ以下ではとても素直なフィーリングです.発進もスムーズで,モリモリパワーが感じられるのに,どのギアに入っていようが原チャリのごとく頭打ち.いや,フィーリング的にはそれ以上の違和感があるわけです.周りの車も,勢いよく加速する9Rを目の前にして一旦は後ろに離れていくのですが,60km/hキープの走りに異様な眼差しを投げかけつつ抜いていく始末.

ここから導かれた答えは吸気系では?というもの.で,ためしにやってみました.せっかく精悍なお顔に仕上がった9Rにはとても申し訳ないのですがガムテープ攻撃.フロントカウルの下部に突き出たエアインテークにガムテープを貼り,その面積を1/2程度にしてみました.

するとどうでしょうなんと80km/hまで出るようになったではないですか!これは大きな進歩です.

これに気をよくして写真のようにエアインテークの4/5を覆うほどにガムテープ攻撃をエスカレートさせて見ました.今度は100km/hをゆうに越えるようになりました.これは吸気系に違いありません!それにしてもかわいそうな9R.ガムテープがなんか唇をかみ締めているように見えて,とっても気の毒です.

さて,トラブルシュートもある程度めどがついた時点で何がいけないかを考えます.すると怪しい点がひとつ.部品の調達がままならないのをいいことに無我夢中で調達した社外のカーボンエアダクトですが,これがなぜかしらダクトの中央あたりから出ているはずのキャブにつながるパイプの顔を出す穴がふさがれていて,今回はこれを無視してキャブからのパイプをエンジンヘッド上に放置プレイしていたのでした.で,これをつなげばなんとかなりそうな予感ではあるのですが,もうあんな自虐的な試走を繰り返すのはもうたくさん!したがってここは無理やり純正部品を調達して装着することにしました.しかしながら純正部品はとっても高価な上に,水が直接キャブまで行かないように,サブタンクがついていたりするので部品点数も半端ではありません.サブタンクをカウルに止めるねじなんかもあり,それぐらいは一般の皿ねじを使うべく努力はしましたが,そんなの費用的には焼け石に水.加えてヤフオクで手に入るものは片っ端から落札.しかしながらどうしてもほとんどのダクトが入手できず,約1ヵ月後には涙がちょちょ切れそうになりながら純正部品の新品を注文している私.ああ,悲劇だわ〜.

で,パーツがそろったらフロントカウルを一旦はずし,リビングにてダクト類の装着.装着自体には時間がかからなかったんですが,もう新品部品のオンパレードなもんで,私の気持ちのネガティブさが作業の進捗に深刻な影響を及ぼしてしまい,結果としてはえらく時間をかけて装着と相成りました.


さて,もう待ちきれずに装着してすぐに試運転です.アイドリングは状況が変わりません.アクセルをひねってもちゃんと10000rpm以上回ります.これも以前と同じ状況.で,ギアをいれクラッチをつなぎます.アクセルをひねった5秒後には私の満面の笑みがヘルメットの中にこぼれまくっていました.

直りました〜.あ〜, こりゃ最高!農道でいきなりありえないスピードまで引っ張って,田んぼに突っ込みそうになりながらフルブレーキングしている私.これはこれは危険極まりない.適当にワインディングを流しますが,これもまた危険.ニンジャではまったく加速しないコーナー間のほんの10数mの直線でもなぜだかアクセルをひねっている私がおります.車体はというとペタンペタン寝るわけではなく,程よい感じ.それ相応の車勢のままコーナーの奥めがけて思ったとおりのラインをトレースできます.う〜む,これが最新(でもないけど)バイクというものか...車重はというと,若いころ乗っていたGPZ400Fとほぼ同じ.パワーは3倍近く,タイヤも純正タイヤながら満足いくグリップを見せてくれます.ブレーキもホースを換えていないというのにカチッとしていてそれでいてしっかりコントローラブル.もういう事なし!

ひとまずの完成にて,思っていたとおりもパフォーマンスを見せ付けた9R.もう僕は君を離さない!

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