リアタイヤバルブ破損

ある休日の午後,珍しく9Rのホイールを清掃する私がおりました.チェーンオイルがかなり飛び散っていたので,見るに見兼ねて清掃に踏み切ったのですが,その途中でウェスを少しバルブに引っ掛けてしまいました.その瞬間予想もしていなかった音が聞こえたのです.確かにプスッと聞こえたのですが,そんなに強くウェスを引っ掛けたわけでもなく,はじめ空耳ではないかとなんの気なしに本能的にそのまんま作業を続けようとした私.しかしなんだか気になってバルブを軽く曲げてみたところ再びプシュッとエアが漏れる音.あれれ?まさかのバルブ破損?

よく見てみるとバルブの根元にヒビが入っていて,曲げるとそのヒビが広がりエアが漏れるという寸法のようです.で,しばらくそのままにして漏れを確認したところ,曲げていないときには漏れていないようで,一定以下にまでエア圧は下がらないようです.ただ現在のエア圧は約1.5ってところ. そういえばリアについては以前からエアを補充しても1週間後にはかなりエア圧が下がっている状況が続いており,ツーリング前には必ずエア圧を多めに入れて出かけるのが定例となっていました.おそらく今まで長らく多少のヒビが入っていて,いわゆるリリーフバルブ状態であったところに今回とどめを射してしまったのでしょう.

まあ今までその兆しはあったもののそれが顕在化したからエアバルブを必ずしも交換するかと言うと,そうでもなかったりする危険な私なのですがさすがにタイヤの空気圧がここまで簡単に変わってしまうとなれば最低でもエアバルブは交換しなければいけません.問題はここでついでにタイヤを交換するかどうかです. 実際現在9Rに装着されているのは新車だった頃工場出荷時からついている純正タイヤ.これが10年経った今まで使い続けられていること自体大問題と言えるのですが,私にとってこれが普通.溝はちゃんとあるし,ヒビは入っていない.多少硬くはなっていますが,まだまだ私にとってはこのタイヤ実用レベルなのです.実はフロントについてはセンターの溝がかなり浅くなってしまっていて,むしろ替えるならばフロントと考えていたところに来て,先にリアをこんな理由で交換するのは非常に忍びないのです.

で,結論としてはひとまずタイヤは替えず,バルブのみを交換することにして,ひとまずタイヤバルブを入手.このタイヤバルブがまた悩ましい.というのもバイク用ということであればヤフオクでも値段は75円ってところ.これが車用であれば45円が最安値.しかも4輪用のほうがものはしっかりしていて今回のような破損にも縁遠いような気がします.本当は30円の違いなんてどうでもいいのですがちょっとした値段の違いから,耐久性へイメージが飛び火して少しでも安いもので済ませようと考える私の悪いところが出てしまいました.ということで,実験的な意味を持たせて4輪用のものを落札.メール便だと10ケ以上でも送料は同じ値段ということで4本追加して5本の購入.

ものが到着した次の日曜日,朝から作業開始です.久しぶりにレーシングスタンドを出してきて,リア周りの硬いネジを片っ端から緩めてからサクサクッとリアタイヤを持ち上げ,リアタイヤを外します.よく考えたらこの9Rの場合フロントまわりはさんざんいじり倒しましたがリアを外してというのは初めて.なかなかお目にかかれない光景ということで記念写真.それにしてもリアサスもあんまり綺麗にしていないので,いつの間にかスプリングに錆が浮いていたりして見栄えが悪いですね.愛着が無いわけではないので,もうちょっと9Rの格好にも気を遣ってあげたほうがいいんでしょうね.

さて,リアホイールが外れたらバルブから虫ゴムを抜いてエアを完全に抜いてしまいます.ここで新兵器登場です.ビードブレーカー!(ドラえもん調で)

え?そんなの今まであったでしょって?いやいや,今回タイヤサイズは190なので,今までのブレーカーだと小さすぎて使えないのですよ.ちなみに今までのは140サイズまでで,これを無理やり150のタイヤまで使ってきたのですが,さすがに190ともなるとぜんぜんブレーカーにタイヤが入りませんので対応不可.仕方が無いのでこのサイズに合わせて4輪でも使用できるミドル級のサイズを入手したというのです.今まで壊れかけの小さいビードブレーカーで破壊の恐怖にさいなまれながら使い続けてきたのですが,どう考えてもこのままでは怪我してしまうほどのひどいことになりかねない.ここは一念発起して大きなサイズのものを購入しようと動いたのです.しかし,動き始めたのはかなり昔だったのですが,なかなか良いお値段してしまうので,購入には踏み切れずにいました.

ところが,ここ最近になって沖縄のほうのツールやさんがかなりお安い値段で開始価格を設定してこのクラスのビードブレーカーを売っているのを発見.終了価格も通常よりも安い場合が多く,6千円ぐらいで決まるケースがほとんど.送料が沖縄からということで多少かさみますがその差額を考慮しても十分安い.ということで落札してしまったのです.到着したものを見てみると,ブレーカーの先端部分の角度が今まで使用してきたものと全然違って,タイヤにとがった部分を垂直に立てて押し切る感じで,柄の部分のテコ比を考慮しなくてもこりゃ強力そうと思える感じ.強度が必要な部分もそれなりに補強されていて,お安い小型ブレーカーに比べると雲泥の差.これで今回初めて9Rのリアタイヤを再利用前提でビードブレークするわけです.

で,ビードブレーカーにホイールを乗せてすぐにビードが外れました.あとはタイヤ交換の要領でタイヤを途中まで外し,ホイールの内側が見えたらバルブを内側から引っ張って外します.新品の4輪用と比べると,長さは明らかに違うのですが,ゴムの部分の太さはあまり変わらないようで,実際強度が4輪用の方が高いというようなことは無いようです.中性洗剤をつけてバルブを取り付けたら,またリム周りとビードを清掃して同じく中性洗剤を塗り,タイヤをはめ込みます.(ここらへん作業の詳細なご紹介は割愛していますので,他のコーナーのタイヤ交換のところの作業から想像してみて下さいね〜.)

さて,タイヤがはまったらエアを入れ,ビードを乗せます.パンパンとビードが乗ったら虫ゴムを入れ,規程圧までエアを入れ,漏れのチェック.もちろん漏れも無く,余った中性洗剤でホイールの清掃を少しやったら車体に取り付けてチェーンをあわせて,ブレーキキャリパーをつけてペダルを踏んでブレーキを利かせたら作業終了.


さて,試運転です.エア圧が規程どおりになり,今までとは違う軽い転がり抵抗で,取り回しのときも,低速時もそれぞれで効果が確認できます.車体の倒しこみもスムーズで,今まで如何に長い間エア圧が低い状態でしか乗ってこなかったかが思い知らされました.

ということで効果ありなのですが4輪用でも問題がないかどうかはこの先しばらく乗っていないとわからないでしょう.それよりも同じようなトラブルが起きないようにU字ロックを掛けるときはちゃんとバルブの無いところに掛けるようにして,バルブの保護を徹底しなければいけません.皆さんもお気をつけあそばせ.

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