冬海愛衣 ― 俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる。

前回,前々回に引き続き長文タイトル+句点という流れで今回は俺修羅からご紹介します.これまではシリアスモードでセレクトしたキャラクターですが,それだけでは正直アニメの楽しさを満喫できません.今回はちょっと娯楽的要素をしっかり突き詰めて語っていこうと思います.まあストーリー自体はハーレム系学園コメディですので原作から読んだりしてませんし,はっきり言ってアニメ化されるとなって初めて認識したような作品です.でもいざ始まってみたら鋭太くんはじめ魅力あるキャラのオンパレードで思わず見入ってしまったという感じでした.原作イラストの雰囲気を活かしたキャラクターデザイン,原画などもハイレベルで脚本もなかなかリズミカルでよかったりして,そこにはじめはちょこっとずつしか出ていなかった愛衣ちゃんが後半一気にどっかんと来ちゃった〜という印象であったわけです.

そのツンデレ風紀委員を演じつつその実はたっくんに対しての絶対的ヤンデレポエマー.題名の中の幼なじみという文言に対し,ちわわの存在感があまりにも薄かったので生み出されたのではないかと思えるほどの存在感.ヤンデレ風紀委員.病的なまでに幼稚園の思い出に縋り付き,鋭太くんを困らせます.

<ヤンデレの所以>

幼稚園の夏休み,最高潮の幸せな思い出の直後,再び会うこともなく離れ離れになってしまった鋭太.その美しい思い出が会えない間に美化されていき,恋心を通り越して病的なレベルにまでなってしまった愛衣ちゃん.この点では鋭太を愛する気持ちはちわわよりも深く,そして淀んでいるのかもしれません.まあギャルゲーでの風紀委員女子の設定は何かしらどす黒いところがあったりするんで,定番といえば定番なんでしょうけど.ただ,そんな定番キャラのはずなのになぜだか強烈にキャラが立っています.理由はおそらくお外走ってくるとか,鋭太と別れたときの記憶が強すぎて時折幼児退行してしまったり,人前でも鋭太に対してデレてしまいつつもすぐさま取り繕うところとかでしょうか?まあキャラ設定がバラエティに富んでいるところが愛衣ちゃんの大きな魅力の一つなんでしょうね.

<で,やっぱり声優さんが>

愛衣という名前になぞってか,cvは茅野さんです.ちなみにちわわは斎藤千和さんではない(ドラマCDでは真涼をやってますが)ので,原作のプロットで特に愛衣ちゃんの声優ということで茅野さんを意識していたわけではないのかもしれません.それにしても実際のアニメを見ている限り,怒涛のはまり役.病的ポエマーなところ,無駄に厳しいばっかりの風紀委員,たっくんに対する一途な一面などちゃんと一つのアイデンティティにまとめ上げてからそれをしっかりと局面ごとに発揮している感じで,単なる演じ分けとは違うキャラクターの作りこみを感じてなりません.私の場合あんまり声優さんがそうだからということでキャラ好きにならないようにしているんですが,愛衣ちゃんを茅野さんがやってくれてホントに良かったと思います.

<ノートのくだり>

私の一番好きなのはやっぱりノートの一件です.ノートの激ヤバな内容もさることながらそれを必死に隠そうとするときのひたむきさ.そしてばれてしまったときの鋭太への心の開き様などめくるめく表情,発声,動き.原作,脚本,原画,アニメーターさん,そして茅野さんのすばらしい仕事があのシーンに詰め込まれているような気がします.なんかわかりませんけど,製作側の人たちの人気投票をしたら断トツ一位なんじゃないかと勘繰ってしまいます.それほど作り手の愛情を感じてしまうのです.

実際2期があるかも知れないということで原作をあえて読まずにいるので,どのような結末に向かってストーリーが進んでいるのかわかっていませんが,どうも主軸は真涼とちわわで話が進んでいきそうです.スピンオフというか漫画も出ていることですし,わき役設定なのかなと少し寂しい気持ちもしてたりします.ただやっぱり愛の深さは一番だと思いますので,もう一発逆転ホームランみたいなので頑張ってほしいなと思うわけです.

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