泉 瑛太 ― Just because!

こうやってアニキャラの魅力を伝えていながら最近のはないのかよということですが,ちゃんとそういったキャラがいるので今回はそこです.元々比村奇石さんのキャラということで見始めたJust Because!からです.本作はそんな期待していなかったのですがやっぱり鴨志田さんの脚本が利いているのか随分とはまってしまいました.その中で鋭太くんの生き様が不器用すぎで印象的でありつつ好きな部類に来てしまったわけです.その個性たるや不器用でありつつ一途.なのに結果的に世渡り上手というところも特筆すべきポイントでしょうか?.

<こだわり>

瑛太君の人格形成上重要なのはいつから美緒のことを意識したんだろうか?といった点です.お姉さんとも旧知ということだともしかしたら小学生の時期からでしょうか?そして中学のころには横恋慕している自覚がありながらも,自分が引っ越すことがわかってから本人は猛烈アタックをしたつもりなんでしょう.でも全然届かなかった.瑛太君はそんな反省もありながら一旦あきらめて博多に行ったのではないかと思います.そして博多の高校では美緒を忘れるために勉強するような感じだったのかもしれません.その昇華のさせ方がなんとも思春期そのもの.何年離れて居なければいけないかもわからない中,美緒への想いをしっかり温め続けていた.冷静に見えるようで,水面下で必死にもがいているような雰囲気がプンプンしてくるのが瑛太くんの魅力でもあります.

<大学受験>

本人は意図していなかったんでしょうけど,結局親の転勤で戻った高校で美緒と再会を果たします.恐らく中学の頃の美緒と少し違ったのかも知れませんが,それは瑛太くんにとって改めて美緒に恋しなおすような気持だったのかもしれません.そこへきて陽斗の恋が成就すると確信できたところで,やっぱり諦められないと気づきます.その勢いは恐ろしい活力につながります.推薦をもらっていたのに再度大学受験するなんて.正直私だったらそんなことは信じられません.私だったら相手のことを考えずに受験の真っただ中告白して,あわよくば進学後も別の大学同士でお付き合いを続けられたならと考えます.けど瑛太くんはそんなことは考えず,美緒の大学受験を邪魔せず,あえて自分から美緒に合わせる形をとったわけです.でもそのためには二人が同じ大学に合格するといったある意味奇跡に近いことが起きなければ成立しない未来であったわけです.まあ私の場合大学受験と恋愛は完全別物という高校時代でしたので,私が理解できないのも無理もない話でしょうね.でもその瑛太くんの秘めたる情熱は今の私にとって新鮮で,憧れるに値するものであったのです.

<人を思いやる気持ち>

美緒に対する思いがどんどん高まる中行動にも移していきながら,小宮ちゃんに対してもしっかり応えようとするのが瑛太くんの別の魅力であったりします.受験もしながら自らの恋の成就を念頭にしながら,小宮ちゃんの純粋な思いにもしっかり答えを出そうとして,しっかり小宮ちゃんがすっきり瑛太くんのことを忘れることが出来るような工夫をしているその配慮.高校生ではとてもできない芸当だと思います.そういった意味ではその小宮ちゃんも私は大好き.あのあと部室で大泣きするとか自分の気持ちに対する素直さが最高にいとおしく感じることが出来たりします.

まあ正直比村奇石さんのキャラでなんで男のキャラやねんという突っ込みもあるでしょうけど,なんででしょうかね?恐らく鴨志田さんの本の独特な人物描写のなせる業と思うわけですが,一途さとか配慮深さとか自分にはあんまりないところなので逆に好きになれるんでしょうね.自分の人生をやり直せるならば,瑛太くんのように生きたいとか,そんな感じなのです.

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