前回のあの花に続いて今回も長文タイトル＋句点という特徴を有しています．その俺ガイルについては千葉が好きすぎて，別にあんまり千葉が好きでもないまま住んでいる私にとっても特別な作品なわけです．別に魔法も超能力も宇宙人も出てこない上に，お涙頂戴もない作品ですが非常に人気の高い作品になっていますが，それはやっぱり原作がすぐれている証拠なんだと思います．私の場合，アニメ化の話が出た時点で，”読んではならないラノベ”リストに入れておりまして，アニメで初めてストーリーに触れることに徹している作品の一つでもあります．なので，私はひとまず，”続”の終了時点にOVAを少し足したところまでしか知らない状態で書いていると思ってください．でも，とにかく八幡が好きなんです．その八幡はというと，正直ひねた高校生ということでキョンくんに近い存在ですが，単なる語り部ではなく主人公としての役割をより忠実に果たしていると思えます．本人は一切意識していませんが，格好よくひねた生活を周りに影響させながらこれまた本人は全く認識していませんが充実した高校生活を送っているのです．
＜高校デビュー＞
まずそんな八幡くんの生まれた所以ですが，高校初日の事故で不幸にもスクールカーストの底辺からスタートせざるを得なかった．ある意味高校デビューの意図しない失敗と過去のトラウマが八幡くんの今を形作っていったように思います．恐らくその２点がなければ八幡くんはスクールカーストの中の下ぐらいの位置には居れたはずです．もしかしたら隼人のグループにいたかも知れません．でも八幡くんにとっては隼人君と同じグループにいるより思いっきり離れたところにいるからこそ八幡くんの成長が得られるんだと思うのです．
＜主役でいないことの価値＞
私もどっちかというと高校時代はキョンくんとか八幡くんよりで常に友達がやっていることに口に出すか，あるいは心の中で常に突っ込みを入れてきたタイプです．ただ八幡くんのように自分を犠牲にしてまで物事をうまくいかせようなんてことは思いませんでした．言わば”なるようになる”なタイプであったので周りへの影響力はほぼ皆無だったように思いました．まあ高校時代は写真部であったので，何かイベントがあったら常に裏方であって，自分は主役を見ていることが仕事であったわけです．何も影響を与えずとにかくあるがままを撮影するために，黒子に徹するのが身に染みていたように思います．なので今になって思うと八幡がめちゃくちゃカッコいいと感じるわけです．別に八面六臂の活躍では決してない，いつもシニカルな結末にしておいて人をハッピーエンドに導き，あまりそれを人に気づかれない．う〜ん，現実にそんなことやったら本当にスクールカーストの末席で一生這い上がれないほどのダメージを受けてしまいそうで怖いですし，心に傷を負ってしまう可能性だってある．でも八幡はそれをものともせずにやってのけるのです．
＜奉仕部＞
作文の内容のひどさから懲罰として平塚教諭に奉仕部に強制入部させられ，そこですでに唯一の部員であったゆきのんに出会います．そして結衣も合流．色々な一筋縄にはいかない難問に対して，普通だと発送もしないような格好悪いやり口で解決していく中で，時には自虐の度合いが過ぎることからストーリーがだんだんと核心に近づいていきます．そんな八幡くんを苦々しく見ているのがゆきのんであり結衣なわけですが彼女たちは八幡のさまざまな局面における役割を知っているわけです．そして本質をも知っていたように感じていたのにもかかわらず，それ以上にねじ曲がった深い思いが八幡にあったことを途中で気付くようになっていきます．結衣は飼い犬をすくってもらい，その結末として八幡くんがスクールカーストの底辺に居座らざるを得なくなったことを，そしてゆきのんは偶然その車に乗っていたことに責任を感じながらも，なんとかして八幡くんを救おうとする．でもそれに一切甘えようとしないのが八幡くんであり，微妙なバランスを取りながら，時には破綻し，時には妥協してストーリーが進んでいきます．
そんな奉仕部の姿に加えて，いろはちゃんがそれに気づきながらも好奇心の目で八幡を見だすわけです．アニメのほうではまだいろはちゃんはそんな介入はせず，傍目に見守っているような感じですがこの先どうなるのか，ラノベのほうをあえて読まずにいるわけですから，早めに３期をやってもらわないと困るわけなんです．
私の高校時代は，友達がいないわけではなかったのでそれほど教室の中で人間観察していたわけではありませんが，こんな感じで頬杖をついて人のやりとりを凝視していることはたまにありました．まあそんなに目つきは悪くなかったはずですが，眼が悪いのにメガネを外していたりしたので，きっとこんな感じの目になっていたかもしれません．同じことをやっていても八幡くんのようにちゃんと形になって残しているということで，ちゃんと青春出来ているわけなので，私としては尊敬してやまない存在といえるわけなんです．
