ハクア・ド・ロット・ヘルミニウム ― 神のみぞ知るセカイ

しばらくこのコーナー自体更新していませんでした.まあ意識したわけではないのですが,明らかに京アニの件が影響しているのですが,現在はコロナ関連で制作に支障が出ているなどアニメ業界も大変な状況のようですが,とにもかくにも制作にかかわる方々の健康と生活が揺らいでしまわないよう祈る毎日です.クリエイターというのは少しでも外乱があるとパフォーマンスを発揮できなくなってしまうこともあるので.

で,アニメ業界を元気にしたいということからもいろいろ散財しているわけですが,まあ散財だけではなく情報発信もしなくてはということで,今回は”神のみ”のハクアです.京アニの話したんだからそこは京アニだろっ!?とか感じる貴兄も多いかもと思いますが,ここはあえて対局的なところからです.

そもそもこの作品,原作を読んでいたわけでもなく,むしろ一期については終わってからBDで見たりしたぐらいの注目度でありました.そんな一期視聴する中で,なぜか本編には登場しないのに最終話の二期予告編とかに出てきたり,ある意味勿体を付けた扱いがなされていたのがこのハクアであったりします.で,二期では早々に登場してその魅力を大いに発揮し,三期では相当は波乱を経て物語の重要なキーを担っていくことになります.作中とてもメインキャラとは言えない扱いですし,アニメと原作の両方での最後ももう少しキャラ立ちさせてあげてもよかったのにと思いますが,そんな少しかわいそうなところも含めてハクアの魅力と言えるのだと思うわけです.

<優秀さと現実のギャップ>

まず登場は優秀さをアピールして出てきますが,すぐにその化けの皮がはがれてしまいます.でもそれはもともと学業は優秀であったけど,駆け魂隊として現場にでたら挫折を味わってしまったという,優秀な学生が社会人になって味わうそれと同じ感じ.まあエルシィよりもハクアのほうが人間ぽいってことなんでしょうね.そのような部分が共感を生んで,二期から登場するようなキャラクターでありながら,珍しく人気度が高くなっているのがハクアの特徴といえるでしょう.

<自らの使命と桂馬への想い>

駆け魂隊への配属でいきなり地区長になり,使命感に燃えながら着任後鳴かず飛ばず.その時点ではその使命感は自らの名声を目的としたものであったと思われます.これが桂馬と行動を共にするとともに本来の自らの役割を自覚していくようになります.ここらへんの心情変化がほかの女神が宿っていたキャラ達とは違って印象的に映るわけです.しかしその自覚が十分なものとなり,女神編における本来の敵が何であるかを理解できるようになったところで,駆け魂隊から除隊,投獄となってしまうという不遇に陥ります.そこからいろいろ助けがあったりしますが女神編のエンディングに向けて全力で桂馬をサポートし,敵と戦い続けます.

一時女神たちと競い合うようなかたちで桂馬への好意も芽生えるのですが,それを尊敬の念に昇華させてあえて女神たちも本来のエンディングがないということを知っているかのように桂馬の進むべき道に最も長い間寄り添っていくのです.本来はこの立ち位置はエルシィであったはずですが,恐らく耐え難い不遇や,そこからの挽回,活躍という点ではエルシィのキャラでは違和感があったのでしょうね.

<エロさを感じないラッキースケベ>

ハクアは何度か桂馬のラッキースケベに遭遇しますが,そのすべてにおいて一切エロさを感じさせないものとなっています.特にマルスを出すときなんかは一度戻ってきて桂馬を殴ってフィードアウトするなど,少年誌であるがために極力エロさを抑制するのにハクアのキャラクターや設定が適していたんでしょうね.

原作は女神編の後も続いていたのと,結局ちひろに行くのがわかり切っていたので,特にスピンアウトやアナザーストーリー,アフターストーリーが一切なかったのですが,私として一番やってほしかったのは,ハクア攻略編だったりします.まあ駆け魂隊ということで攻略対象がすでにリミュエルがいたので設定がかぶってしまいますが,少し時間をさかのぼったり,異世界設定とかいろんなのを駆使してでもぜひ桂馬の攻略にハクアがどんな表情を見せてくれるのか,見てみたかったな〜とか思うわけです.四期はいろいろ設定が面倒だったり,新規キャラクターが満載であることからアニメ化されないんでしょうが,四期の代わりにOVAで若喜さんがストーリー書下ろしでいいので三期が終わって10周年とかのときにやってほしいな〜とか思ってしまう私なのです.

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