宮内 れんげ(れんちょん) ― のんのんびより

漫画であれ小説であれ,アニメの放映以前には極力それらのメディアからの情報がない状態でアニメを見はじめたい私.こののんのんびよりについても田舎の日常系という認識しか持たない状況でなんのきなしに見始めたに過ぎませんでした.まあ日常系については好き嫌いの中ではちょうど中間ぐらい.日常系だからみないとか,そんなのは無く,ひとまず一話目を見て様子見を開始するのが,私の日常であったりするわけなのです.

そして,田舎の風景の中でまず登場するのがこのれんげちゃん.まあ物語自体はほたるちゃんが引っ越ししてきたところからはじまるわけなので,主人公はほたるでいくのかな?と思いきや全然ほたるよりもキャラ立ちしてしまい,もうのんのんびよりといえばれんちょん(れんげの通称)となってしまいました.

<家族構成>

キャラクターの背景として,そんなに考察が必要といった感じではないのですがここはあえてなぜれんちょんのようなキャラクターが生まれてきたのかを無理やり考えてみましょう.まず宮内家ですがご両親はいらっしゃる思うのですが,出てきません.で,お姉さんがかず姉で,24歳,小学校の先生,その下がひか姉で高校一年生.ほぼ見事に9年起きに女の子を計画?出産しています.おそらく現実的にはそこまで間隔をあけて家族計画を練ることはないような気がしますので,ここは原作の製作上の都合において家族構成が決まったのかな?などと詮索してしまいます.

というのも.まずキャラクターを軸に考えたときに,れんちょんはすぐに決まったと思います.で,初めは越谷姉妹はれんちょんのお姉さんの設定であったのではないか?と.しかし,そうしてしまうとほたるを含めた4人の関係性が,3姉妹とよそ者ひとりということにいなって,どうもバランスが悪い.また,かず姉までが同じ姉妹の中にいてしまっては,学校で4姉妹+ひとりというほたる圧倒的不利な図式となってしまいます.(にーちゃんもいますが.)

そのため,れんちょんと越谷姉妹は別の家族としてバランスを取った際に,かず姉とれんちょんが宮内家に残ったと考えてもよいのかな?と思います.しかし,その18歳もの年齢差があまりにも不自然であったために,後にひか姉のキャラを追加し,不自然さを目立たなくしたとか.ちなみに宮内家と越谷家を比べると,宮内家は登場キャラだけ考えると9年違いの3姉妹,一方の越谷家は年子の3兄妹という対局に位置しています.まあ日常系アニメではキャラクターの両親をできるだけ登場させないことがある意味鉄則となっていますので,かず姉は絶対に誰かのお母さんであってはならなかったでしょうし,ほたるは都会から来た一人っ子という背景で語らせなければいけない事情からもそんな歪な家族構成になったのではと想像しています.

そんな年の離れた兄妹の末っ子(まだ下が生まれるかもですが)のれんちょんが,超過疎な村で多感な時期をどのように過ごすのか,そこんところがこの作品背景のキーポイントではあるわけなんですね.

<にゃんぱすー>

もう,れんちょんといえばにゃんぱすー,にゃんぱすーといえばれんちょんとなってしまっていますが,声優さんの味付けも相まって本作品の中ではこの言葉が本当に心地よいわけです.原作のほうでははじめのようにちょっとだけ出てきただけのようですが,アニメでは比較的高頻度で使われ,れんちょんのトレードマーク的なワードになっています.ネットでもにゃんぱすーって何?という質問が多く出てしますが,まあその語源やなんかを突っ込んでいくのは野暮っていうもんで,幼児が造語で遊んでいるようなもので,それがあいさつで使用されてるようになっていると単純に考えればよいのかと.

で,そんな言葉であるにもかかわらず,2013年度アニメ流行語大賞金賞を受賞してしまっています.まあ正直我々日常会話ではほぼ使うことはないので普通の流行語大賞にはノミネートされることもないんでしょうけど,さすがにアニメの枠の中ではそれほどまでに衝撃的なワードであったといえることなんでしょうね.まあ,これは単にワードだけではなくれんちょんのキャラクターやのんのんびよりの世界観など様々な面が評価されてのことだと思いますので,この作品やれんちょんが好きな私としてとってもうれしいことだったりするわけです.

<〜のんは方言なのか?>

アニメでは特にストーリー上必要ない場合はキャラクターに方言をしゃべらせることはありません.君の名は.のテッシーやさやちんのようにキャラクターがいかにも田舎者であるように表現したい時には方言をしゃべらせて見たり,都会に出てきてうっかり方言が出て,みたいな時にはちゃんと方言指導の人がつく前提で脚本にも落とされていくことがあります.なお関西弁だけは変な関西弁をしゃべる人とかそんなキャラ付けがされていたり少し特殊な事情があったりします.

この作品は田舎という設定はあるものの,それがどこなのかは不明でして,実際の背景なんかもいろいろな地方の田舎の風景が混合で用いられていたりします.なので結構聖地巡礼をするとなると大変だったりするわけですが,実際文末に”〜のん”と付ける方言というのはなく,関西弁の一部に疑問形の場合に用いるけーすがあるのみです.なので,れんちょんの”〜のん”については方言という設定なのか,れんちょんの口癖のようなものなのかは判別できません.

まあ,越谷姉妹であったり,かず姉,駄菓子屋なんかは一切使わないのでここは後者の口癖と考えたほうが良いのかもしれません.で,この作品のタイトルはのんのんびより.要はれんちょんの日常を描くということでこの”〜のん”が意味を成しているということなんでしょうね.

本作は19年に第3期の製作発表があったりして,まだまだ続編が期待できます.果たしてこのままみんな成長していくのか,サザエさんやドラえもんのようにれんちょんが永遠の小学一年生で物語が続くのか,私は原作を読んでいないのでわかりませんが,できるならばれんちょんの成長を大人になるまでずーっと見ていたいというのが本望だったりします.まあ,そうなると数字も稼げなくなってまうんで,企画的にはだめなんでしょうね.まあひとまずは第3期をひたすら期待してやまない私なのでした.

KEN-Z's WEBのトップへ NEXT