Canon A-1のシャッター鳴き修理(その1)

今回はシャッター鳴き修理.シャッター鳴きというのはシャッターのギアのグリス切れによる鳴きのことです.キャノンAシリーズはとっても売れたんですが,もう20年以上が経過した昨今ではとってもシャッター鳴きで有名なのです.まあこの点についてはCanonはサービスセンターでちゃんと修理してくれたりしていますし,企業としてはとっても信頼が置ける感じなのですが,ここは企業に頼ることなく自前で何とかしてしまいたいと思ったわけです.

そのやり方ですが実はあまりにも有名な故障モードであるがゆえにシャッター鳴きで検索すればすぐにインターネットで見つかります.要は人が紹介している内容をそのまんま真似するって言うわけです.んまあこの点は今までのほかの件とほぼ同じわけですな.ここでそのWEBを紹介してもいいんですが,多分すぐに見つかりますのであえて紹介しません.とにかく細かく作業の内容を紹介してらっしゃる方が多くって今回はとっても参考になったことは言わせていただきます.

で,作業に何を必要とするかですが,実はかに目まわしという工具が必要です.かに目回しというのはカメラなどでよく使われているねじの頭に小さい穴が二つ開いていたり,リング状のねじの対角に溝が切っているような部品を回して取るときに使うもので,その先端やピッチが自由に変えられるものです.今回は工具をありあわせの材料で作って用意しましたが,ちゃんとしたものは4000円とかで売ってます.まあ,こんな工具は部品をお釈迦にしてしまう可能性もあるのでできるだけちゃんとしたのを買ったほうがいいかもしれませんのでここでは工具についてはご紹介いたしません.

さて,シャッター鳴きをなくすためにはギアの注油を行うわけですが,これらのギアは電池室とマウントの間の奥にあるようです.これにアクセスするためには,

・軍艦部
・エプロン
・底板
・カバーシールの一部

をはずす必要があります.もちろん軍艦部となると,その上についているシャッターや各種ダイヤル,レバー類を一通りはずさなければいけません.

まず,ここらへんは臆せず巻き上げレバーをはずします.これは以前(といっても高校生のころですが)はずしたことがあったので問題なく行きました.ワッシャやCリングなどがあり,これらの順番や向きを間違えると組みなおせなくなりますので,はずしたものから順番に並べていきます.

次にシャッターボタンですが,これは一見どうやってはずしていいかわかりにくい.どうやらシャッターボタンの周辺の薄いリング状の部分がねじになっていて,これを布などを介してペンチで挟みまわすことで外れます.このときその下にあるAEモードの切り替えダイヤルを一緒に回してしまうと壊れてしまうみたいで注意が必要です.これもシャッターボタンの下部にワッシャなどがあるので注意が必要です.

あと,巻き戻しクランクレバーですが,これはフィルム室の内部に出ている部分にドライバーの柄の部分でもかまして逆に回すと外れます.その下にCリングがあり,それをはずすとフィルム感度ダイヤルが外れます.

ここまで来てもまだ軍艦部は外れません.シャッタースピード/絞り切り替えダイヤルの回転防止にカバーが有るのですが,これを外さなければいけません.ここはスライドを上にした状態でネジが顔を出しますので,これをまわすと樹脂部品が取れます.その下にも板金部品と樹脂部品がしつこく存在するわけですが,ここで振動を加えてはいけません.その板金部品の凹部にベアリング球がやんわりと嵌めてあって,これが落下してしまうからです.そろりそろりとこのベアリング球を外し,パーツ置きにならべて,初めてその下の板金部品を止めている2本の皿ネジを外す事が出来ます.

ここまでだけでも結構神経が磨り減りますが,まだまだ〜.エプロンを外さなければいけません.エプロンは上下2つ,左右2つのネジで取り付けられています.このエプロンを外すとはじめて軍艦部を取りつけているネジがすべて露出し,物理的に軍艦部が取り外せるようになります.

あ〜,ここまでが大変!もう,続く!

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