水銀電池の代替対策(Canon F-1,EFの例)

Canon F-1はフルメカニカルシャッターではありますが,露出計を動かそうとすると1.35Vの水銀電池が必要になります.しかしこの電池,すでにその有害性から先進国ではたいがい製造中止.普通は代替電池というものが用意されて製造中止になるはずが,1.35Vという特殊な電圧から代替は用意されること無く製造中止になったようです.まあ1.35が他の電圧からそんなにかけ離れているかどうか考えてみると,丁度1.5Vと1.2Vの中間であったりするわけで,電圧だけ見るとドンピシャではないけれども代替に使えそうな電池は無いわけではない.そういった事情もあったのでしょうか?

そういった背景からもいろいろな代替手段があるわけで,今回はそのご紹介です.F-1についてはこの電池のもちに魅力を感じて購入した経緯もあるわけですが,その以前使っていた電池ももうとっくに寿命を迎えていて,露出計は不動のまんま.まあ露出計なんて晴天下もちょっとした曇天でもあんまり使わないし,ストロボを使うときにも必要ないもので,本来ほとんど価値を見出してもいないんですが,どうも動くことが出来るものが動かないのはちょっとしっくりこない.従って代替手段を模索します.

まず水銀電池のH-Dには何が一番簡単な代替が当てはまるかというと,アダプタ+LR44らしいです.アダプタといっても市販しているようなしっかりしたものもあれば,ヤフオクなんかではゴムシールの適当な大きさのものをアダプタと銘打って売っている方もおられます.で,安易にこれをまねしてみることにしました.

適当なゴムシールをホームセンターで探します.といってもどのコーナーに行けば見つかるのか途方にくれてしまいました.意外にバイク部品ではこういったものが良くあるわけですが,いざホームセンターなんかで探そうとするとなかなかないものですね.ようやく水道関連のところにいって探してみて,ゴムのパッキンがあり,内径がLR44より若干狭いもの(9.8mmx1.9mm)を購入しました.そうして出来上がったものをF-1の電池室に入れ,LR44を極を間違わないように挿入しました.どうやらしっくりと電池室に収まってくれまして,ちゃんと露出計の針も動いてくれました.バッテリチェックすると,ちょっと露出アンダー気味にはなるようですがどうやら使えそうです.あ〜よかった.

お次はこれをCanonEFに使ってみましょう.が,しかしなぜだかバッテリチェックでもランプは光りませんし,低速シャッターも切れない.露出計の針もピクリとも動きません.あれれれ?ノークレームで購入したボディーとはいえ,露出計が動かないなんて...

しかしあきらめきれません.果たしてこいつは本当に通電の利かないボディなのかどうか確かめてみたくなりました.そこで他の代替を探します.すると,VERTA社のA625とかいう電池が1.5Vではありますが代替として使えるという情報が.早速一個あたり150円で2個ゲット.

入手したものは本当にH-Dとまったく外寸は同じ.早速EFに電池を入れ通電できるか?スイッチON.露出計は?お〜,動いてる動いてる〜.もううれしくってパシャパシャからフィルムでシャッターを切る私.まるで子供.

どうやらEFではちゃんと外形までその形になっていないと代替にはならないようです.なにがその原因になっているかは電池室をしげしげ眺めてもわかりませんでしたが,陰極,陽極がショートしてしまっては怖いので,ここはやっぱりアダプタを使うより外形が同じものを使うほうが安心できますね.

でも,EFは電池を極端に消費するといわれているので,極力必要ないときはスイッチを入れないようにすることにします.まあ,F-1の理由と同じで,通常メカニカルで切れるシャッター速度の場合は露出計を必要としない場合のほうが大半ですし...なら,電池になんてこだわらなくってもいいじゃない!と自ら突っ込みたくなってしまう私でした.

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