TAMRON SP60-300mm F3.8-5.4のカビ取り

これはヤフオクで他のタムロンレンズと同時に入手したもので,カビの程度としては複数枚にわたってかびがあったもの.これは激安で,3本送料合わせて3000円.そのうち35-70はカビもないし,まったく問題なく使えるものでありまして,儲けた〜って感じ.もう一本の80-210はレンズのほとんどが腐界に沈んでいるばかりか,鏡筒にあたりがあり,へこんでいるため分解不可能.で,唯一カビ除去できそうなのがこれであり,これもちょっと練習台にします.

それにしても,60-300mmというレンズはあまりなじみの無い焦点距離です.もしかしたら私が高校生の後半のころに出たのでしょうか?80-210は名玉と呼ばれていて,小型で描写もしっかりしているし安いということでよく知っていたし,カメラ雑誌によく広告も出ていたと覚えています.しかもこの60-300ときたら焦点距離になじみが無いばかりか,何でしょうか?この開放値.3.8はいいとして300mm側のF5.4ってあーた.素直にF4-5.6にしないところがタムロン.まあ,こんなところも懐かしい感じがしてグーです.

カビはというと,開ける前の観察では前群に2枚,後群に1枚って感じでしょうか?ではまず前群からばらします.カニ目回しで1枚目,2枚目ととっていきますと,やっぱり内側にカビ.その後ろにもなにやらありますので,3枚目,4枚目のレンズの後ろ側にもありました.ここまでは従来からのカニ目回しでOKだったのですが,次のレンズにもカビが見えます.しかも構造から見るとこれは前側からはずすようです.しかし手持ちのカニ目ではそのカニ目まで届きません.

こりゃ困った.ここで一考.かなり奥にあるので,ヘリコイドをはずせばなんとかはずせるかも?でもヘリコイドをはずすと下手をするとグリスが均等に戻せなかったときは変な動きになってしまう.ヘリコイドグリスも購入するとなるととても高いし....で,工具を自作することにしました.といってもたいしたことは致しません.

まず100円ショップへGo.でちょっと長めの事務用はさみをご購入.この先端をグラインダーでちょちょいと削り,先端を小さなマイナスドライバーのような形にしました.これをカニ目回しとして使うのです.

先端を4番玉まで外した状態のレンズに挿していき,レンズを傷つけないようにゆっくりゆっくり.です.そしてまた注意深くまわします.あんまり強くしまっているようだと,即席工具が壊れてレンズをだめにしてしまうこともありえますのでとても緊張します.すると,ゆっくり回り始めました.お〜,成功!

で,外れたレンズを見ると,2枚レンズが1つのハウジングに入っている構造になっていて,5,6枚目のレンズそれぞれにカビが入っていました.合計5枚のレンズにカビが生えているなんて,なんて盛りだくさんなんでしょう.それぞれのレンズをきれいに清掃して,再度組み付けし,さて元通り.仕上がりは?というと,まあ望遠なのであんまりカビの影響はもともと無かったようで,気持ち程度クリアになったかな?という感じです.

それにしても,今回の工具.もともとがはさみですから,こういった回転工具としての流用は邪道といわざるを得ません.しかもカニ目の開きによってはちゃんとかからないかもしれないので,誤ってレンズを傷つけてしまう可能性も高いです.あんまりまねしない方がいいですね.こんなのを紹介していながらこんなことをいうのは何ですが,ちゃんとした工具を使ってバラシの順序を守りましょうね〜.

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