Canon F-1の左軍艦部カバー交換

私のF-1はシャッターも取り戻し,モータードライブも復旧して,もう完璧な状態.なはずなんですが一点だけ.これは20年前に中古で入手した時からなんですけど,左の軍艦部の正面に,三日月状の傷があるのです.これはその形状や,痕跡のギザギザ具合から露出計の照明用のイルミネーターのバッテリ蓋の跡とわかります.F-1は本体にイルミネーションを持たないので,暗い中での撮影用にオプションとしてガンカプラーの取り付け部分に取り付けることが出来るイルミネーターが用意されていたのです.ただ,この剛性が低く,左軍艦部を装着したまま手で持っただけでこんな跡が付いてしまうのです.

私は暗い中で露出計を見ることが無かったのでこのイルミネーターは入手したこともつかったことも無かったのですが,この傷がどうも昔から気になってはいたのでした.とりあえずシャッターボタンを取り戻したいがために右軍艦部は一旦ばらしたのですが,左はそのときは手付かずだった上に,よもやこの部分を交換すれば美しい外観になるなんて考えても見なかったわけです.で,思い立ったが吉日.作業を開始しました.

取り替える代替のボディは以前入手したジャンクです.ジャンクとはいえ左軍艦部のカバーはエッジ部の塗装ハゲ以外は変形も無く,なかなか綺麗なものです.ちょっと右側とツヤが違ってしまうかもしれませんが,この移植が成功すればなかなかな外観に変わること間違いなしです.この機体はジャンクとはいえ結構シャッターもちゃんと切れるので勿体無い感じはするのですが,どんどん部品が取られていきますね.まあこれは仕方ないということで...

軍艦部のはずし方は,右とそうそう変わりません.しいて言えばX接点の部分をゴムを先端につけたペンチで廻してとるぐらい.巻き戻りノブもA-1と同じように外れます.露出計のスイッチは小さいカニ目で廻します.これは結構難しいので,部品取のほうのこのカニ目はえらく傷だらけになってしまいました.エプロンの部分を外し,ネジをとったら外れます.

それにしてもこの左軍艦部の中身というのはなかなかメカメカしくって良いですね.露出計の機構が,堅牢な部品の間に細々と収まっているような感じで,しかもお互いの機能を損ねることなくスペースを有効に使っている感じ.電気部品が目立つA-1とは対照的でとっても感動的です.

で,移植待ちの我がF-1のほうをばらし,軍艦部を乗せなおします.逆の手順ですべての部品を付け直し,巻き戻しノブや露出計のスイッチ,X接点の動作確認をしておしまい.

さてその外観ですが,う〜ん,あんまり変わらないかも.もともとあんまり外観にこだわらず購入し,今まで使ってきたので,傷は気になるようで然して気になっていなかったようです.なんだか無駄なことをやってしまったような気がする...

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