Nikon F3の電磁スイッチ修理

まず,反省します.うちにはF3がついに6台になってしまいました.もう何か狂ったようにF3を買い集めていたらこんなになってしまいました.といってもコレクションにふさわしいような美しいものはありませんで,かなりな実用品です.

今回のネタはこんな中で,電源が入らないという1台.現象としては,シャッターボタンの周りについている電源スイッチが自由に回ってしまって電源が入らないというもの.この電源スイッチですが,ただでさえ手でつまむ部分が小さくって回しにくいのに,何かに強くぶつけたらしくって,つまみの部分が破壊されているので,この衝撃で内側の何がしかが壊れてしまったのでしょう.早速この部分を分解していきます.

まずシャッターボタンの周囲のネジを回します.これは回りに何か溝などが切ってあるわけではないので,とにかく力を入れて,押しながらまわすと取れます.これでシャッターボタンと巻き上げレバーが取れてくるわけですが,シャッターボタンの裏にはスプリングが入っているのと,シャッターボタンの奥にも小さい部品があるのでこれをなくさないようにしなければいけません.耐久性,信頼性を重要視されるべきフラッグシップで,シャッターボタンがこんな簡単に取れていいのかしら?って感じです.

次にそのフランジの周りにあるネジをカニ目回しで外します.これで例の電源スイッチが外れます.外したスイッチリングを観察していますと,ツマミがないのはいいとして,下に向かって伸びるはずの部分がありません.これがリミットスイッチのような部品を押して電源が入る仕組みのようですが,これがなければ電源は入りません.で,ボディを逆さにして見ますと,この折れた部分がカラカラッと出てきました.これでなんとか修復可能です.

この部分を接着し,あと,ツマミの部分に接着剤を盛りました.この部分は少し大きめに盛り,あとでカッターで削ぎながら形を整えます.う〜ん,われながらうまく出来たかな?あとは取り付けていきます.もともとがこんな簡単な構造ですから,組むのは簡単.で,早速スイッチをON/OFFさせて見ます.このスイッチリングがすぐに壊れてしまわないか心配でしたが,どうやら大丈夫なようです.


それにしても,6台も並ぶと壮観です.MD-4が付いているもの,そうでないものありますが,やっぱりMD-4があって美しいフォルムも映えるというものでしょうか?F3/Tも一台ありますが,なかなか使い込まれていて,チタンのありがたみもあんまりありませんね.でも,それぞれちゃんと撮影できますし,これだけ似通ったコンディションの機体があってもなおなかなか一台たりとも手放せないという状況です.使い勝手も非常に良いわけで,子供の学校行事や遊園地なんかでの撮影にはもってこいです.露出計を見ながらのマニュアル撮影はあんまり得意とするところではないでしょうけど,あんまりマニュアルで露出計を常時見ながら撮影することもないので,私は気になりません.電池がないとシャッターも切れないとデビュー当時は酷評されましたが,ニコンが満を持して出した電磁シャッターはフィーリングもよく,電池の消費も最小限であったため,はじめ酷評した人たちも結局受け入れてくれたという事情は納得できます.そんなこんなでとても信頼の置けるカメラだと思いますが,やっぱり唯一この使いにくくって華奢な電源ダイヤルはいただけませんね.まあアバタもエクボということであれば,許せるってことで...

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