TAMRON 28-70mmF3.5-4.5の修理

このレンズは実はボディーを購入したときについてきたものです.マニュアルフォーカスレンズの最後期に売り出されたもので,28-70という広角側に振った標準ズームであるにもかかわらずサイズを標準レンズなみに抑えているところが特筆すべき部分であり,特にこの時期のラインナップの中でも70-210の小型望遠ズームとのコンビでよく売られていたもの,ジャンクとは書いていなかったのにまあそれはそれは立派なジャンク.不具合を列挙すると

・フィルターねじ部90度分ほど割れて欠落している.
・1番玉が一回はがれて接着しなおしたような痕がある.
・ヘリコイドを回転させると先端側ボディが一緒に回ってしまい,絞りが微妙に閉まる.

まあ1番目と2番目は仕方ないとして,3番目がどうにかならない限りとてもじゃないですが使えるレンズとは呼べない.で,この部分だけでも何とかすることにしました.

まず,ヘリコイドを外してみようということで,側面のネジ3箇所を外しました.でヘリコイドを抜いてみたのですが,どうもそれだけでは鏡筒自体が回ってしまうことの解決策が見えてこない.レンズを上からどんどん外していくと,今度は絞り羽根まで分解しなければならないようで,こちらからのアクセスはあきらめました.

お次はマウント側からアクセスします.3箇所のネジを外し,マウントの内側を覗いててみると,ありゃりゃ?またまた3箇所のネジがあってそれが緩んでいる.で,それをレンズの方向を合わせて留めてみます.再びマウントを付けて,ヘリコイドをまわしてみると,今度はまったく問題なく動きます.絞りの動作も問題ありません.カメラに付けてピントあわせや絞りの連動などを確認しましたが,問題ありません.なんとか使えるレンズになったのかしら?


で,とある結婚式で試運転です.写真の仕上がりを見ると一応問題ないようです.しかし,ピントが甘い写真が多いようです.特に開放で撮った場合には50mmあたりでもピンが甘い写真が数枚出来てしまいました.

この原因はカメラとの相性にあるかもしれません.今回試運転に使ったのは実はNikon F3です.そうなんです.このF3はこのレンズがついてきたボディであり,なぜこんなのを買ったかというと,モードラMD-4を出来心で購入してしまったから.なぜMD-4を購入してしまったかは自分でもわかりません.恐らくジュージアローデザインが私を突き動かしたのでしょうか?購入して動かさないのもなんだかおかしいんで,本体を購入したというなんともわけのわからん行動に出てしまったのです.

で,F3とこのレンズのどこが相性が悪いかというと,まず,ヘリコイドの回転方向.F3にはスプリットマイクロのフォーカシングスクリーンがついているのですが,このスプリット方向とTAMRONレンズの標準ヘリコイドの回転方向が逆なんです.これになれない状況ではなかなかいい写真も撮れないというか...

あと,このF3がHPで無い点も影響しているのかしら?メガネをかけてファインダーを覗くと,このレンズの場合,推定開放値F4あたりの50mmで,視点が少しずれただけでスプリットイメージの片側が黒くなってしまうのです.まあ,結婚式なんかでは別にストロボを力いっぱい焚くことも無いのでF8あたりに絞りを絞ってもいいのかもしれません.

それにこのレンズはコンパクトなので機動性をひたすら追及するようなシチュエーションが似合うように思います.結婚式なんかは同じ28-70mmでも前述のトキナーあたりに任せて,子供らと遠出するようなときにモードラも外して屋外で使うなんていうのが最適なのかもしれません.あ〜,それにしてもF3まで買っちゃって,かなり重症.

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