TOKINA RMC 500mm F8のカビ取り

さて残りのRF500mmF8についてです.これも鏡面に一面のカビ,その手前の理論的な一番玉の裏側にもカビといった状態です.ヘリコイドは適度な硬さを保っており,外観も美しいので,何とかしたいのは28-70mm以上.まあ使うことがあるかどうかわかりませんが,ちょっと変り種も手にかけておきたいわけで...

このレンズ一番苦労したのは一番玉の取り外し.普通のカニ目なのですが,口径が大きいのでまあすごいトルクをかけないと取れないわけです.こちらの工具というと,この口径のカニ目にはその先端を当てるのがやっとで,その外側にあって欲しい取っ手は無いわけです.しかもフルに開いているので,剛性が足りない.ですからここでこのカニ目回しを補強してやらなければいけません.

ちょっと頭を使い,バイスにカニ目にあわせて開いたカニ目回しをはさみ, その上からレンズをかぶせカニ目に先端をあわせた上でレンズ側をまわしました.すると,コキンと音がしてフランジが外れました.どうやら口径が大きい上に,ロックタイトのようなねじ接着剤が塗布されていたようです.

あとはクリーニングするだけなのですが,これが大変.まず,一番玉(のようなもの)の内側についているカビ.これはカビキラーにこのまま漬けたりという大技をしようとすると,真ん中についているミラーとその上を覆っている数枚のレンズを外さなければいけません.どうもこのような構造になっているレンズってばらしてしまうと光軸が大きく外れてしまいそうで怖い.したがってこれらがついたまんま.ひたすら清掃します.結構なカビなもので,何度も何度も洗剤をつけて洗った後にアルコール洗浄してようやっと満足のいくレベルになりました.でも内側のコーティングが一部侵されてしまったようで,ある角度から見るとカビのついていた部分がうっすらと見えたりします.まあ,この角度は実際の反射で使っている光路ではあり得ないので,実用に問題は出ないものと判断します.

次は奥のミラーの方ですが,ここも大変.まあ完全に分解してしまえば楽なのでしょうが,これもミラーであるがため,カビキラーに全体を漬け込んでなんてことはできません.鏡筒の奥深くにあるミラーをひたすら拭き掃除.

これもコーティングがされてわけではないんでしょうが,全然痕跡が無いという感じにはできませんでした.でも一番玉よりはきれいなので,実用には問題なさそう.あとは元通り組み立てておしまい.

それにしても生まれて初めてRFレンズというものに触れましたが,こんなコンパクトで500mmっていうのはすごいですね.ボケの具合が輪っか状になりますが,これも好き好きですし,特殊効果としても面白いものがあります.まあ,あまり登場の機会は無いと思いますが,いい買い物したということで,ちょっと自慢げな私です.

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