Fフォーク交換

ある朝,CBRの洗車でもしようとフロントホイールをゴシゴシやっていたときのことです.ふとフロントフォークのダストシールを見ると,あれ?割れてる.いやいや,割れてるってどういうことよ.オイル漏れなんてないのになんでダストシールが割れてるわけ?

で,右は割れているんですが,左はなんかダストシールに変な変形があります.なんじゃ?これは.ということで調査したところ,どうもこのフォーク,オイルが既に殆ど漏れてしまっていて,オイルが漏れてこないもののダストシールが長年の使用によってこんなにも破壊されてしまったようです.そういえばこのCBRは,フロントの挙動がとても大げさ.ちょっとブレーキングしたとたんにフロントが大きく沈み込みますし,加速中の伸びも大きめ.軽量車というのはこんなものと割り切っていたのですが,どうやらそれは私の勝手な思い込みであったということが判明しました.とほほほほ.

で,シール交換と相成るわけですが,ここは普通にシール交換をしませんでした.それは実はシール交換済みのフォークASSYを入手済みだったからです.これはオイルシールを交換してASSY状態にまでしたものの,そのまま使わずに車体を売ってしまったという方が以前売りに出していたもので,これを最終的には結構な高額になってしまいましたが私が落札したという代物です.

まあ,その方の作業を信用してこれをこのまま使用しようとしたわけですが,これが吉とでるか凶と出るか,早速作業です.まずアクスル周りやフォーク,キャリパーを止めているネジを片っ端から緩めていきます.この時は全部緩めるのではなく,あくまでも軽くです.ここでおもむろにジャッキ2つと石ころ1ケでフロントを浮かせ,タイヤを外します.フェンダーも外したらフォークを止めているネジを完全に緩め,サークリップを抜いてするするとフォークを抜いていきます.外れたフォークを見てみるとインナーの可動部分のすぐそばまで点さびが発生していて,こりゃだめだわという感じ.ダストシールも片側だけだと思っていましたが,右側にも変形が見られました.どうやらこの変形はダストシール内の鉄の部品がさびて,ゴムを突き破ってしまったものであることがわかりました.しかもよく見るとフォークアウターはその表面が殆どフォークオイルによって塗装浮きが発生している状態.もうフォーク内にオイルは殆ど残っていないかもしれませんねこれでは.ここでこんなになるまで放っておいた自分をちょっと反省します.

さて新しいフォークですが,こちらは一転美しい外観を保っています..

前のオーナーがいつごろ交換作業を行ったかは定かではありませんが,これはいけそうというオーラがひしひしと伝わってきます.で,フォークを左右下から入れて固定です.今回突き出し量などはそのまま行くことにしました.だってこれ以上低くなったら私はもうCBRに乗れなくなっちゃうかもしれないし...

あとはフェンダー,ホイール,キャリパーを付け,ブレーキレバーをニギニギ,ここでジャッキダウンしておしまいです.当初自分でも結構めんどくさそうに思えましたが,終わってみたら1時間以内で作業が終了しました.


さて恒例の試運転です.まずフロントの挙動に変化が感じられます.ブレーキ時のフロントの沈み込みが減り,姿勢が安定しました.初めこれになれず少し躊躇しましたが,何のことはないCBRが普通のバイクに戻っただけという感じで,非常に素直なハンドリング,姿勢制御となったわけです.コーナーでも姿勢が安定し,フロントにもちゃんと荷重がかけられるので,非常に安心です.今まではフロントをブレーキングで無理やり縮めて,その状態で荷重をかけてなおかつ沈み込んで短くなったフォーク長を利用して小回りを利かせていた感じであったのが,なんとも素直なコーナーリングができるようになりました.

ギャップの通過に関しても今までは通過してすぐにフォークがもよんもよん動くのでいやなふらつきがあったんですが,それが大幅に収束しました.ライディングスタイルも肩の力が抜けていい感じになったようです.

Ninjaもこんな感じなので,いわば2台の差が縮まったという感じです.

如何せんCBRに乗るまでは250ccという排気量は旧友の初代VT250F(古〜い)ぐらいしか乗ったことがなかったもんでことこのフロントフォークに関しては大きな勘違いをしてきたことがわかりました.小型排気量は不安定で当たり前と思っていた自分が恥ずかしいです.そんな自責の念を感じさせるフロントフォークの交換でありました.

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