お持ち帰り&インプレ

当日は例年より遅れがちであった梅雨も明け,快晴であった.とき同じくして99年の8耐は11:30定刻にスタート.鈴鹿はもとより関東一円の梅雨明け後の蒸し暑さは筆舌に値するものではあったが,実際私の中ではCBRの受け取りというよりもその後どうやってかえるか楽しみで楽しみで...いや,いかんいかん.慣れないバイクで,しかも久しぶりにエンジンに火が入るマシンに過剰な期待をしては...それに乗って帰れるかわからない事でもあるし...それでも期待に胸膨らませ8耐スタートに遅れる事2分で東京駅を発った新幹線あさひはひたすら新潟を目指すのであった.しっかし,自由席が空いているからとはいえ,冷房キツ過ぎ.大宮を過ぎた後も温度計のデジタル表示は23度台を外れることはなく,私はジャケット着込みっぱなし.ちなみに途中から指定席に移るとそこは26度中盤.どうなってるの?>JR東日本!

で,昼過ぎ駅に到着.相手の方はご親切にも車で迎えてくれた.車の中でCBRのお話をするとその方(男性)の前は女性オーナーだった様子.また走行距離は10000km以内.実は私はこの時点にいたるまでに勘違いしていて,走行距離は20000kmと思い込んでいました.恐らくこれにたどり着くまでに数件あたったうちの一つのデータが頭の中に残っていて,そう思い込んでいたのだと思うが,なんか得した気分...相手の方は遠方から私がやってくるのでかなりプレッシャーになったようで,動かなかったらどうしようとか悩んだ様子.それに私が先客だからと譲ることに決めていただいたのだが,もう一方の方は近所で,しかも値引き交渉はなかったとのことであったようで,つくづく申し訳ないm(_ _)m.

さてご対面.白いホイールも鮮やかに磨かれていて,外観は非常にきれい.年式なりのくたびれと,カウルの傷,割れがあるが,問題無し.走行距離はなんと7800km!うちのH1よりよっぽど走ってない.もちろんタイヤも替えていないのでひび割れは出ているしリアはマーカーがこのお持ち帰りで完全にコンニチハするような感じではあるが...数年間のうち距離が伸びず,キャブのオーバーホールでよみがえったものの以前とペースが変わらないので,売ることにした様子.で,新たに取得したナンバーを取り付け,試乗.シートに腰を下ろすとやっぱり低い.両足をべったりつけて足が60-70°開く.安定感は抜群であるが,ステップに足を乗せると狭い.正座してるみたい.エンジンをかけるとなかなかいい音.ガムギアトレインであるためアクセルを煽るとヒュンヒュン音がするが,エギゾーストは意外に勇ましい.昔聞いたCBRの音と比べるとアイドリングは低音がちょこっと太ってるような感じ.正直クォーターマルチの音はキンキンうるさいイメージがあったが,意外や意外どっちかというと好きな部類の音であった.

メーター8000km!(帰ってから撮影したもの)
クラッチをあわせる.トルクは細い(T_T).これは当たり前.5000まではおまけみたいなもの.しかし驚いたのは3000ぐらいで繋いでもエンストしなかったこと.トルクは細いながらも乗りやすい.回転はあげればあげるほどトルクが増し,10000まではノンストレスで上がっていく.住宅街だったのもあり,それ以上は遠慮したが,一回キャブをオーバーホールして状態は完治した様子.しかしFブレーキの利きが甘い.握り込んで遊びがかなりあってその後ジワーッときいてくる.シングルディスクなのでこれは仕方がないのかと思ったが,これは後で間違いであったことに気付く.タンクの中が錆びていないことを確認し,購入となった.なんともあっさりした話であるが,まあ個人売買なんてこんなもんだ(こんなもんだから完璧を求める人はトラブル起こしたりするわけであるが,個人売買に完璧を求めてはいけない.ある程度のトラブルは自分で何とかしようという腹がないと...).


さて,新潟から帰るといっても,ここは殆ど新潟の日本海縁."どうやって帰るべー."と考えながら,いきなり高速でトラブったらいやなのでしばらく下道を使うことにする.R8の流れに乗って90ぐらいだと6速8000回転.ちょっと疲れる.うるさくはないのではあるが...そこから加速しようとしてもゆっくりとモワーっと回転が上がっていき,メーターの針もゆっくり上がっていく.欲を言えばギアを落とさずにスパコーンと加速してほしいところであるが,それはクォーターマルチに要求してはならないことなのかもしれない.着座位置が低いので,ちょっと視認性が悪い.前車の向こうが見にくいので,普段と勝手が違う.ちょっと抑え気味に行く事にする.

結局天気もいいので湯沢ぐらいまでは下で行くことにした.まあ大体市街地以外は80ぐらいで流れているし,CBRに体を慣らす意味もあろう...というのは言い訳であって,こんな日にツーリングっぽい事をやらずして何とする.というのが本音.違和感がありながらもこれだけ信号の少ない道をゆったりと走ることも日頃ないので,もう気分は完全にツーリング.これが後で思わぬロスにつながることをつゆ知らず...途中長岡ナンバーの黒鳥に追いついた.車が前にいないときは120ぐらいで引っ張ってくれるが,これがちょっと苦痛.六日町も過ぎ,もうそろそろ湯沢というところで,信号待ちの車列の左をすり抜けているとパチンコの駐車場に突然の左折車!思わずパニックブレーキ!というよりもブレーキの利きが甘いために図らずしてパニックブレーキになってしまったと言ってよい.やはり先ほどのFブレーキの感覚は異常であった.フルブレーキなのにロックするのに程遠い.もちろんリアはロック寸前であったが,フロントは何らかのトラブルを抱えている.そう思った.ここからはかなり用心して行く事にする.

もう少しで湯沢ICというところで高速の案内板を見ると"湯沢-関越トンネル 雨 50km/h規制"
なぬーっ!
この快晴の中,雨なんぞ降ろうものか!?と思いつつお山を見ると,積乱雲が...(T_T)夕立っちゅやつですかーぁ?そういえば時刻は既に16時.でも,関越トンネルまでと信じて高速に乗る事にする.関越トンネルまではシールドが濡れてGパンも湿る程度.関越トンネル内は路面がぬれているので,前車の跳ね上げもありひどい有り様であった.これでも"国境の長いトンネルを抜けるとそこに青空が広がっている"と信じているから我慢できた.で,トンネルを抜けるとそこは大雨(T_T).雷鳴轟き,こちとら"パンツの中までぐしょぐしょよーん"状態になるのに1kmも必要なかった.しかもここは標高がかなりあるので寒い.快晴の予報であったので合羽なんぞ持っているはずもなく,この齢にていかずち直撃で昇天するのもいやなので,雨宿りする事にする.といってもPAは2km先.仕方ないので橋の下にCBRを止め,そこでしばらく待つ事にした.そこは先客がいて群馬ナンバーのRZ(4L3),インパルス(新しい方),ゼファーの若人たち.学生さんか,そんなもんらしいが,話があまり共通点に乏しく,2-3言交わした後,トラックの跳ね上げも厳しいので橋脚の隙間に待避することにした.待つこと約40分.何とか雨も上がり,路面の跳ね上がりを我慢すれば進めるようなので,出発することにした.しばらくシールドを拭き拭き進むと,徐々に雨足が強まってきた.ついに新たな雨水がパンツの中に進入するようになったのと,シールドの中もびしょぬれになって視認性が著しく低下したため再び沼田インターの立体交差で雨宿り...ここでも30分以上をロスし,もう半分ヤケになって再出発.

ここからは渋滞の間をするする抜けるとちょっと飛ばせてという感じではあるが,やっぱり気持ちいいのは120ぐらいまで,これ以上は回転数が高すぎて疲れる.大体そんな速度ではミラーを気にして前も気にしてこの割合が5:5だからなおも疲れる.やっぱりバイクで高速走るときは前9:後1でしょう.と思うのもつかの間後ろから黒鳥さんや忍者さんや火刀さんにバピュンバピュン抜かれる始末...ZXRなら少なくともコイーンって感じで抜かれるはず(抜かれんなよ)なんだけどなーっ(T^T).で,それぐらいの速度で走ってると今度は異様にエンジンの発熱が厳しい事に気づく.何といってもこのシート高で,私の足はまさに正座状態.ニーグリップを大事にしているとエンジンのすぐ後ろに膝っ小僧が来て,第2種やけど寸前.仕方がないのでちょっと膝を開いて腕で上体を支える.これが疲れるったらありゃしない.すぐにシートの後ろに座り,膝をエンジンから遠ざける方針に変更.ところがこれも腰が疲れる.結局,この2通りのポジションを交互にしてなんとか大泉のICへ,この頃になると黄昏もそろそろ最高潮.外環は渋滞しないまでも120以上では流れましぇ−ん.仕方ないので流れにあわせてると,また後ろから忍者さんがパコーン!うーむ,250には今後絶対乗らん!

三郷を降りてからそのまま下道で戻ろうとすると新しい道が出来ていて迷ってしまった.てな具合で,帰宅は20:30.8耐ゴールに遅れる事約1時間...まあいろんな事があったが久しぶりに距離を乗ったものの疲れも浅く(精神的には疲れたが),大満足であった.あとはFブレーキを直し,妻が乗りこなしてくれるのをひたすら待つべし.

MAINNEXT