前回保管場所に困ってサイドカウルを装備し,外観的には完成体となったFZR250ですが,コンディションとしては完ぺきとは言えません.何度か試乗していますが,未だに数10分走行するとアイドリングが2000回転ぐらいに上がってきます.これは明らかにおかしいので,対策が必要なわけです.でも再度カウルを取り付けてしまっているので,できれば上周りのパーツの着脱だけで済ませたいところではあります.
まず疑ったのはアクセルワイヤーのトラブル.1本引きなので,走っている間にどっかで引っかかって戻り切らなくなってしまっているのでは?と思ったわけです.で,動きを確認してみますが,冷間時は特に問題なく戻っているようで,エンジンをかけても音から判断するに1200回転前後で安定してアイドリングしています.これがエンジンがあったまってから何か変化するようなものがアクセルワイヤーの経路上にないかというのを確認せねばなりません.そのためにはタンクは外さなくてもよいものの,ネジがいっぱい使われているタンクカバーとエアクリーナーボックスは外さなければいけません.
こう考えるとサイドカウル外すほうがずいぶん楽かもしれません.でも早いうちに怪しいところは消しておきたいのでまずは外して確認.経路についてはこうやって見直してみると最適ではなくって,カウルステーの中央の棒の上を通しておいた方が良いだとか,ハーネスのかわし方についてもステム周辺で少し改善の余地がありました.でもこれはアイドリングが高くなる現象とは無関係なレベル.一応それらを改善して,また多数のねじを締めこんでタンクカバーを付けなおして試運転.結果は効果ナシ.
次に怪しく思ったのはエンジンのインテークマニホールドです.実はこのマニホールドにはすでにひび割れが出ています.でも組む前にエア漏れなどが発生していなかったので,そのまま使用したのです.これが悪さをしているのでは?と考えたました.メカニズムとしてはこうです.
で,この推測が正しければ,冷間時アイドリング中はエアがマニホールド前後から流入しているので,CRCなどを吹けば回転が上がるはずです.なのでエンジンをかけてすぐ,アイドリング状態でマニホールド周辺にCRCを吹いて確認.結果は変化ナシ.ということで上周りで考えられるポイントがなくなってしまいました.
次に疑ったのはエンジンオイルです.エンジンオイルにガソリンが混ざっていれば,温度が上がってきたときに揮発して吸気に混ざりアイドリングが高くなることがあります.エンジンオイルは一応長期放置のままはよろしくないので,どうせすぐ汚れるということでオイルフィルタは交換しなかったものの,オイル交換はしました.でもクランクケース中に古いオイルが残っていたり,その後不完全状態キャブをつけたりしたので,ガソリンが混ざっていないとは言えない状況だと疑ったわけです.

で,今回はオイル交換と同時にオイルフィルタも交換することにしました.FZR250(2KR)のオイルフィルタはこの時期のレーサーレプリカで主に採用されていたカートリッジ式ではなく,紙フィルタタイプです.純正は結構高額であることから,今回はamazonで売っていた中華製を購入してお試ししてみることにしました.ちなみにこの中華ブランドはGPZ900RのフィルタではOリングがくっついてきたのですが,今回はなし.なんか気まぐれなブランドですね.

で,サイドカウルも装着してしまってからオイル交換を改めてやらなければならないことになり,後悔しきりですがそのやり方については少し工夫してみます.FZR250の場合はオイルパンの前部中央に横向きにドレンプラグが付いており,オイルフィルターはオイルパンの下から差し込む形になっています.ドレンが横向きなので,オイルがぴゅーっと飛ぶ対策さえすればサイドカウルは左半分だけはずせば良さそう.なぜ左かというと右は前回もご紹介したようにサイドスタンドの裏を回りこんでいる部分があり,着脱のたび傷をつけてしまう可能性があるので,できるだけ外したくないわけです.そんな感じでオイルを抜くことに成功.オイルの色を見ると,そんなに交換して時間がたっていないのに,少し濁っています.う〜ん,換えてよかった.

新しく入れるオイルですが,高回転ということでいつもよりも少しだけ高価なオイルにすることにしました.といってもSIGMAのSLグレード.5W-40というのはトルクの細いクウォーターマルチに適しているかな?と思った次第.高価とはいっても4Lで3000円もしないのはご愛敬ってところです.で,オイルフィルターも交換してからオイルを入れます.さすがクランクケースが小さいので2リッターとちょっとでOKなんですね.で,一応サイドカウルをつける前にエンジン始動.音は少しジェントルになったと思いますが,アイドリングさせているだけだとそう大きな違いはなさそうです.オイル漏れなどがないことを確認して,エンジンを止め,カウルを装着して作業は終了.
さて,試運転.エンジンをあっためないといけないので,少し高回転で数10分走ります.十分あったまってから途中停止したときではアイドリングは変わらず,これでいけるかな?と思い,うちに戻ったのですが,残念ながらその時点では以前よりはひどくないものの,アイドリングは2000回転近くに上がっているような音になってしまいました.どうも今回やった対策は効果ナシということになります.全然原因がわからなくなってきてしまいました.あ〜,一体なんなのよ!ということで解決は次回以降です.