低速の不調対策

車検を取れて以来私にしてはずいぶんと距離を走ったGPzですが,一点どうしても気になる点が残っています.発進時のもたつきです.だいたい2000回転あたりに大きなトルクの谷があり,普通に走っているときには気にならないのですが,発進時には車体の重さの影響が顕著に影響してしまい,それが出だしのもたつきに現れるのでしょう.実は原因はわかりきっていて,インジェクションをキャブ化したときに純正エアクリーナーボックスを流用出来なかったため,安い中国製ノンブランドエアフィルターを入れたのがどうも怪しい.といってもいきなり高級ブランドのフィルターに手を出せるほどの財力のない私としてはまずは悪あがきしてみることになります.

ひとまず取り組んだのは,ホントに薄くてトルクがでないのかの確認ということでフィルターに何か被せてわざと吸引抵抗を増やして見ました.なおこの確認作業に使った材料というのは,紹介するのがとてもお恥ずかしいのですが,実は破れた靴下をハサミで適当に切って作っていたりします.ちなみに,通常はこんなところに可燃物をセットしてしまうとバックファイアで火災の発生原因になるので決してオススメはできません.でもお試しとはいえ一応見栄えを気にして灰色の靴下をチョイスしているところがにくい.実はこれ写真を撮っていたんですが、あまりにも恥ずかしいのでアップはやめました.ははは.

これで試運転してみたところ,確かにクラッチの繋ぎはじめにおける若干のトルクアップが体現できました.しかし久しぶりの好調にちょっと調子付いてアクセルを開け気味に距離を走っていたところ,だんだん不調になってきました.信号で止まったときに見てみたら,案の定一番と四番の靴下カバーがなくなっていました.あはは,やっぱりダメね〜.というわけで下を濃くするとやっぱりトルクが回復することが実証できたのであらためて対策を考えましょう.まずフィルターに不燃物カバーを掛ける案ですが,これは固定をしっかりやらないと例の如くぶっ飛んでしまうのと,ものによっては高回復側で過度に濃くなってしまう懸念がありますので却下.

次にフィルターではなく手を入れるところといえばキャブです.といってもこの車体のキャブはZN1100のもの.なんとかパーツリストを入手したのですが,希少車であるが故なのかパイロットジェットの上番手の番号は廃番なのか手配困難.こうなると弄れるのはパイロットスクリューとニードルぐらい.ちなみにこの時点でパイロットスクリューはニンジャの数値を参考にして2回転戻し.ニードルは4ノッチとまだまだ薄い方向への調整は可能な状況でした.ここはまずニードルでしょうということでニードルを1ノッチにして試運転.結果はまあまあ効果はあったものの許容レベルからいって今一歩という感じ.

次は当然パイロットスクリューとなりますがその前に果たしてZN1100の標準設定っていくつなのかということがわかっていないことに気付きました.改めて世の文献を探ってみたところ,なんと1.25回転と判明.う〜む,回転戻し量が少なくなるとさらに薄くなるのでは?と猜疑心が抑え切れない状況ながらセオリー通り戻し量を合わせ試運転に臨みます.すると,発進時の加速感が大きく変化しました.原因はこれか〜と感銘を受けつつ,現在の車体構成からするとエアクリーナーボックスがない分薄くなりがちなはずと考えて1回転戻しでふたたび試運転.今度は濃過ぎるのか少々ボコつき気味.結局1.125回転戻しで妥協して今回は終了〜.

なんでスクリュー戻し量を少なくして調子が上がるのか全然わかりませんが、 アクセルをあけたときの動的な何かが影響しているのでしょう.もしかしたら低速でのバキュームピストンの動きが関係しているかもしれません.そうなるとピストンを押し下げているスプリングなんかも見直す必要があるのかもしません.ああ、キャブって深いわ〜.ともあれいろいろなすったもんだの末なんとか許容レベル内に収めることが出来ましたがこれ以上を求めるなら安い中国製エアフィルターを断念せよということなんでしょうね.

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