フロントカウル補修(1)

フロント周りの組み上げについては今までカウルステーやライトの紆余曲折があり,なんとか形にはなりましたがまだフロントカウルやスクリーンがついていないので完璧とは言えません.で,フロントカウルは外装の中でも結構な高額商品です.GPz1100オーナーの中にはやはりメーカー欠品状態の部品の代表格でしかも破損しやすい部品であることもあり,程度の良いものはストックにして置くという方が多いようです.そんな事情ですから入手の段階からがかなり悩ましいのです.

で,どのようなものを入手するかですが高価なものは当然のごとくパスです.でも1100の場合安いものといっても結構なお値段の割にいろいろなところが欠けていたりします.大枚はたいて手間がかかる部品を用立てるのは趣味ではありませんので,ここはひとつ考察します.確かにフロントカウルはいざ購入してしまうと場所を取るので,このままお眼鏡にかなう出品を待つのもクレバーな選択かとは思いますが,これほどに希少車となってしまった1100のカウルはあと一年もすると入手難易度がはね上がってしまうやもしれません.でも焦って高額なものを購入するのはどうも許せないのです.そうなると何か代替品はないものかと当然のごとくなってしまうのが私です.

そこで代替というと真っ先に思い起こすのがGPz750です.でもカラーリングが違うのでパーツリスト上は勿論番号が異なりますし,カウルステーの一件があったのでもし使えなかったらどうしようといった不安がふつふつと込み上げてくるのです.そんな悩みを抱えたまま約3ヶ月が経ちました.その頃になってこの悩みにお誂え向きな出品が出てきてしまいました.GPz750フロントカウルのジャンク.ベースは83年式の銀青.ミラー取り付け部が片側割れているのとスクリーンの取り付け穴が全て割れてオープン状態,あとは右下の目立たない部分が1cm角程度が欠落しています.補修ベースと考えるならば欠落部位も比較的少なく,楽勝の部類に入ります.でも残念ながらこれは750用なのです.もし使えなかったときにはその大きな図体が無駄に室内で場所を取ることになるのは計りしれないリスクにはなります.でも値段が安ければまた叩き売りすればいいじゃない.と心の中で悪魔のささやきが….

となると当然のように落札してしまうのが私の悪いところ.次の週末にはでっかい箱が玄関を占有しておりました.ものの方は出品写真とちゃんと整合が取れた感じでした.あまりに思っていた通りのものが到着してしまったため,拍子抜けしてしまった私はしばらくその補修に手をつけることなく,約3ヶ月でっかい図体のそれを室内に放置してしまったほどです(言い訳). そんな状況ですから重い腰を上げて作業開始しても時既に遅く,家庭内感情は悪化の一途を辿っていたのですが,それを見ないフリしながらリビングにカウルを持ち出してシコシコ時部分補修に取りかかります.

まずは全部が破損しているスクリーン取り付け部の割れた断面と周辺の清掃から.初めに清掃ということでアルコールで拭いたら断面の荒れたところはカッターでならして行きます.カッターはあまり深く切り込むと後で補修するエリアが必要以上に広がってしまうので慎重に刃を入れます.

次に割れた部分表面側の周辺にテープを貼り,エッジにあわせて折り目を入れて型にします.本来ならカウルの上部エッジが適当に粘土などで型取りするのですが,この部分の欠落部位は面積が小さいので,こんなもので済ませてしまいます.後はちょうどそこにあったはずの穴径に合わせ円筒に丸めた紙をそのテープに突き当てておきます.これはうまくいけばそこがそのまま穴になってくれるという寸法です.

今回欠けているのはスクリーン取り付け部だけでなく,カウル下部の目立たないところも欠落しているので,ここにも肉を盛っておかないといけません.ここも同じく破断面を整えたらカウル表面の形に似せてテープを貼って簡易型の出来上がり.

ひと通り前処理が済んだらカウルの表面側を下にしてエポキシの接着剤をそのテープの内側に流し込みます.一ヶ所ずつ分量を想定して混ぜ合わせて流し入れては養生してを繰り返し,約半日をかけて7箇所と下部の欠落部位をやりとげました.

1週間の養生の後,テープをはがし,紙の筒を除去します.はがすときにエポキシが一緒にはがれてきたり割れてしまったりするといやなので,ここはかなり気を遣いながらゆっくりはがします.なんとか綺麗にテープなどが除去できて,スクリーンの取り付け部は裏側からエポキシとグラスマットで補強します.でも裏側があまりにも分厚いところと薄いところができてしまうとあとでネジを締めたときに割れてしまう可能性も出てくるので,穴の周りがとにかく均一になるように気をつけながら貼っていきます.一方肝心の表側ですが,テープで簡易型にしただけあって,気泡が多少入ってしまいましたが,ほぼ滑らかな表面です.パテ埋めでもしようかと思いましたが,結局はスクリーンで隠れるところなので,これで多分かな?ということで何もせず.

カウル下部の欠落部のほうですが,こっちはあまりにも立体的な部分をテープの型でやったので,結構いびつです.こっちはパテ埋めしてあとで面出ししておきます.う〜ん,部分補修のみでもかなり大変だわ〜.

ここらへんで長くなりそうなので続きは次回.

KEN-Z's WEBのトップへ NEXT