さて,インジェクションを搭載しての火入れにおいてうんともすんとも言わない車体を前にどうしようかと考える日々が続きましたが,下記のような理由から,結局キャブ化することにしました.
世の中を見回すとオークションに出品される車体で実走可能なものは大概キャブ化されていますし,不動車の半分がインジェクション車です.WEBでご自分のGPz1100を紹介されているような方も大半がキャブ化済.結局キャブ化済のもののほうが大事に乗り続けられている比率も高いように見えました.ここらへんも決定に至る経緯の中で重視したポイントといえるでしょう.
でも,結局のところいったいどうやってキャブ化していいか全くわかりません.今まで車体に違うエンジンを載せたことはGPz400Fのときに経験済ではありましたが,あの時はキャブとエンジンが同じ車種(ゼファー)からの流用でしたので比較的マッチングはよかったし,もともと400Fがキャブ車なので,いろいろなパーツや電装系の流用も利いたので,それほど大変ではなかったのです.しかし今回は似たような車種にキャブ車は存在しますが電装系を含め,どこがどのように違うかというのとそれを今回のGPz1100Fに流用するのにあたって必要な作業や部品が全然わかりません.
また,私の場合キャブ化するとは言ってもとても大枚はたいてまで対応することはできませんし,出来上がりをできるだけ純正ライクにしたいという思いもあります.その場合,エアクリーナーが流用できるのかどうかが重要になってくると思いますが,結局吸気の燃調とかも微妙に調整していかないとダメでしょうし,そんな知識を有しているわけでもなく,キャブ化の持つ意味合いが私にとってはゴールを遥かなる彼方へ追いやる悪魔的なささやきに感じてくるわけです.
空冷Z系のキャブを入れ替えるのはやっぱりFCRが定番で,ごくごく一部の方がCVキャブを入れていたりします.FCRはどちらかというと私の思考からは大きく外れているのと,結構高額になってしまうこともあり却下.やっぱり他車流用のCVキャブで行きたい.で,Z系には口径がちょうど良いということもあって,ニンジャの34φのCVKキャブを入れている方がいたりします.まあ900ccならばちょうど34φあたりでいいのかもしれませんが,1100には少し口径が小さいかもしれません.また,ニンジャはサイドカムチェーン,空冷Z系はセンターカムチェーンなので真ん中のキャブピッチが決定的に合いません.
で,当時のZ系エンジンでキャブ仕様であったものから流用というのが一番良いということになりました.まあ当時のインジェクションの採用理由が最大馬力を上げるためであったので,口径をあげずに純正流用してキャブ化すれば最大馬力は当然下がると思われます.しかし,最大馬力を使う瞬間というのが私の場合は皆無なので,これはまったく問題を感じません.あとはそのような流用できるものが売られているかどうかということになります.
しかし車種としてはZ1100LTDとかしか知らないので,そこらへんをひとまず狙うことにしてヤフオクに網をかけること数ヶ月.ぜんぜん出ません.そういえば当時のアメリカンなんて逆輸入して乗り回す人なんてほぼいなかったわけだし,少なくともエリミネーター以外のカワサキのアメリカンに属するリッターバイクは今まで一度も実車を見かけたことさえもありません.
で,結局海外に触手を伸ばします.eBAYです.こっちはさすがにアメリカが本場だけあって簡単にZ1100LTDのキャブが見つかりました.でもどうもほとんどが程度が悪そうなものばっかり.なかなか踏ん切りがつかずにいたのですが,そんな中ZN1100用というのが見つかりました.ZN1100って何?と思っていろいろ調べたところ,どうやら日本で通称Z1100LTDUと言われている車体のことのようです.そうなると確かに年代的にもGPz1100にもぴったりですし,何よりも出品されているものの程度が少なくとも外観的にはすばらしかったので,直前入札.無事スタート金額のまま落札できたのですが,結局送料やら税金やらで2万円近くかかってしまいましたが,FCRの中古やらを買うよりずいぶん安いので,これはこれでよかったかな?
さて,到着したものの外観はこんな感じで,かなり上物な感じ.さて,取り付けに向けての工夫をここからやっと考えていきましょうかね?