クランクケースの本組み

前回はあれだけ苦労して,部品の確認までしかできないという状況でしたが,今回はいよいよ組み立てていきます.組み立てにあたっては不安なところはとにかくクランクケースに挟み込む部品が果たしてそれでいいのかどうかです.確かに前回まででそこらへんを確認したはずなんですが,どうもイマイチ信用出来ないのです.かといって何をやれば吹っ切れるかもわかりません.

ということはもう進むしかないのです.実際クランクケースに挟むパーツのうちひとつだけあったオイルシールもずいぶん前に入手済み.そうこうしているうちにゴムが硬化してしまっては元も子もありません.しかし前回のように確認だけならまだしも,クランクケースを組み立てるとなると,暗くて狭い玄関でやるわけにも行きません.ここは家族感情を逆撫でしない最大限の努力が必要です.

とある休日.朝からかみさんと子供達の予定を確認して,午後に家で一人になれる時間がかなり確保できることがわかりました.この時点でその日の決行を決断.午後になって家族が出払ったすきを見計らって早速リビングにクランクケースを運びます.またアメリカの新聞紙の臭い香りが部屋中に漂います.さてここからが正念場です.まずクランクケースの外側を清掃します.実はこのクランクケースはオイル漏れがある状態で長く放置されていたようで,いたるところに粘土状に砂がこびりついているのです.部品の仮組みとかの場合はこれが部品につかないようにすればよいだけなんですが,実際組み立てするとなるとそうはいかなくなります.

ケミカルで外観の汚れをしっかり落としたら合わせ面の清掃です.ここは以前清掃した思い出がありますが,やはりそれから時間が経ち過ぎた感もあり,致しかたなく再度の清掃となっているわけです.特に当たり面の問題もなく,清掃が済んだら次は液体パッキンを当たり面に塗っていきます.液体パッキンは以前ニンジャで使ったことのある赤い液体パッキンを使用するつもりでしたが,赤いとどうしても目立ってしまうのでここはあんまり目立たない黄色い住友スリーエムのものを使用しました.

クランクケースはあらかじめセンターブラケットを取り付ける都合上クランクケースに取り付けてあり,ミッションギアを入れて動きを確認したらすかさずクランクケースを締めます.クランクケースの締結はいろいろな長さのネジが使われていますが,流石にネジなどがいっしょについて来たASSYをはるばるアメリカから輸入しただけあって,スムーズにネジの割り当てが出来ました.あとはこれらのネジを如何に締めて行くかです.

クランクケースの場合その当たり面の密着度が重要になります.単に部品と部品を締結する場合は一番外側にあるネジを対角に締めて行くのがベストです.しかしこれだと外側のエリアで生じた微妙な寸法のミスマッチを中央部で帳尻合わせるような感じになり,最悪中央部に隙間が出来易くなりオイル漏れの原因になります.

実際サービスマニュアルとかをみると,ネジの締める順序は中央部のネジを先に締めて,後は徐々に外側に移って行く手順になっています.今回もそれを忠実に守り締め込んで行きます.勿論中央部のネジと外側のネジをそれぞれグルーピングして,その中で出来るだけ均等にネジを締めて行くわけです.一見どうでもいい工程ですが,ここを如何に自己満足を感じつつやり遂げるかが私の感じうる醍醐味なので,ここにはこだわっておきたいと思います.

一応このままではクランクケースの中があまりにも素通しなので,オイルパンを取り付けることにします.オイルパンの取り付けに際してはガスケットを挟み込んでおき,ひとまずクランクケースとオイルパンの当たり面を保護しておきたいと考えました.これに際してあらかじめガスケットの方は入手済み.ものは純正ではなく社外品の一式のキットです.純正でそろえるよりも約半額で入手できたということで,かなり満足度の高いお買い物でありました.

ガスケットを挟む前にしっかり当たり面をきれいにしてもともとのガスケット屑を落としきってから装着.オイルパンを取り付け,ネジをひとまずやんわりと締めます.これであとは車体に取り付けてから安定した状態でしっかり締めこんでいこうという魂胆です.

いうことで,クランクケースの組み立てが終了したわけですが,これだけだと室内に転がっているエンジン部品が減った感じがありません.やっぱりクランクケースを車体に載せて初めてその効果が家族に実感させられるのだと思います.今日のところはひとまずちょっとだけの効果ですが,次回なんとしてもその効果を形にして家族に知らしめたいと思います.

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