フロント周り(その1)

エンジンがフレームに載ったら、すぐに火入れに行きたいのはヤマヤマなんですが,足周りがまだぜんぜんなことには火入れに必須のマフラーを取り付けたくありません.実はエンジンを入れ替えるときに一緒にやってしまおうと思っていたのですが,エンジンの入れ替えと前後足回りをいっぺんにとなるとあまりにも作業が多すぎて1回の週末では終えることができないので,ひとまずエンジン換装だけを行ったというわけなんです.

で,まずやらなければいけないことはフロント周りだけで,

・フロントフォークシール交換
・フロントタイヤ交換
・ホイルベアリング入れ替え
・サスペンションエア漏れ対策
・フロントフェンダー取り付け

となります.プロならばここらへんは半日で済ませてしまう内容ですが,トーシロな上に寒い季節は日中日が高い時間帯でないと作業しない私としてはこれらを週末の2日間まるまる費やしてこなす予定です.

ということで冬の土曜日11時ごろに重い腰を上げて作業に取り掛かります.まず車体の向きを換えフロント周りの作業がしやすいポジションにしたらハンドルをはずし,フロントフォーク周りの硬く締まったねじを軽く緩めます.フロントフォークのトップはトップブリッジのねじを緩めて,キャップボルトをはずしたら中にもねじがあるので,それを緩めるのですが,これは1/2インチのラチェットレンチにアダプタで延長して緩めます.次にジャッキアップして,ホイールを外したらフォークのねじを外します.このとき,1/2のラチェットレンチのセットについてきたクランクハンドルが非常に役に立ちました.思い返してみてもこのクランクハンドル,今まで使用されたことはありませんが,このフォークのトップボルトを緩めることに関していえば,秀逸の工具といえます.こんなことがあるから工具って種類があればあるほど充実感を感じてしまうのよね〜.

ただ,このボルトは完全に外してしまうとスプリングが出てくるはオイルも垂れるは結構面倒なので,外れる直前まで緩めてあとはフォークを3つ又から抜いてしまいます.さて,フォークが外れたら,このねじを外してスプリング,中身の部品を抜いて逆さまにしてオイルを抜いてしまいましょう.何度かストロークさせてから完全に抜けてしまうまではしばらく時間がかかるので,この間にホイールのほうをやります.

ホイールについてはまずホイールベアリングの交換です.実はめったなことではホイールベアリングを交換しない私ですが.このホイールについてはアクスルを多少きつく締めてもガタがとれず,走っていても不快極まりないであろうと容易に推測できる状況であり,新品のホイールベアリングをあらかじめ購入しておいたのです.

ベアリング交換については特殊な工具は持っていないのでサークリッププライヤでベアリングが見えるようになったら,逆側から細い金属棒を入れて,ベアリングのインナーレースを全周にわたって軽くこんこんとたたいていくだけです.まああんまり遠慮がちにやっていては時間ばっかりかかるので,ホイールに傷や変形が起きない程度に均一にたたくというのがコツです.新しいのを入れるときは外側からなので,ベアリングのアウターレースをまた全周にわたって軽くたたいていくだけです.このとき間違えてもインナーレースをたたいてはいけません.アウターに抵抗がかかった状態でインナーを叩くことでボールに強烈なせん断力が加わり表面を傷つけてしまいせっかくの新品のベアリングを台無しにしてしまいます.専用工具がないので,このように時間を掛けてやっているのですが,まああんまりホイールベアリングを交換することも頻繁でないので,こんなもんでいいかな?という感じです.

で,ホイールについてはベアリングが付いたらタイヤ交換したいところですが,ここでは先にフォークをやってしまいます.だって新しいタイヤに交換でたとして,フォークが出来上がらなければ車体を持ち上げたまま週をまたがなければいけなかったりします.そんなのはいやなので,ここでフォークに取り掛かります.オイルシール,ダストシールの交換作業も今まで散々ご紹介してきたので,ここでは割愛します.それでもとにかくこのフォークの作業はオイルを入れてからが面倒で,ちょっと傾けただけで両方のフォークをつなぐエアのブリッジの穴からオイルが漏れてくるので,結構気を遣います.結局ちょっと漏らしては補充をしてという感じで規定量のオイルをキープしました.

出来上がったフォークを気をつけて玄関に立てかけてひと安心したところで,次回に続きます.

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